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2017.04.03

重要判決>自称祈祷師に懲役14年6月=薬不投与で糖尿病男児死亡―宇都宮地裁

2017年3月24日、宇都宮地裁で、カルト問題を扱う者としては、重要な判決が出ました。

当時7歳の児童に対する殺人罪に問われた自称祈祷(きとう)師の建設業近藤弘治被告(62)に対する有罪判決です。

近藤被告は、2015年4月、宇都宮市の1型糖尿病の小学2年今井駿(いまいしゅん)君(7歳男児)に、治療に不可欠なインスリンの投与中断を両親に指示し、死亡させました。

求刑は15年に対し、懲役14年6月ですので、ほとんど減刑されない、かなり重い判決ということができます。

法廷での近藤被告の反省ない態度(判決は、「被告人は当公判廷において不合理な弁解に終始し、被害者の良心を愚弄するなど、反省の態度を全く示してもいない」としています。)が、判決した裁判員の心象に影響した可能性があります。

同種事件として、2005年に発生した「真光元事件」=「次世紀ファーム研究所事件」があります。

やはり1型糖尿病の少女(当時12歳)が死亡した事件で、彼女の無念と教祖的立場の人物を信じてしまった親の悲嘆さを思うと、この原稿を書きながらも胸が痛くなりますが、真光元事件では、教祖的立場の堀洋八郎(故人)に対し、過失致死罪の告訴でさえも不起訴とされ、担当者のみ薬事法違反で有罪(過失致死罪は無罪)という結果になっていました。

しかし1型糖尿病の子供にインスリンの投与をやめさせれば、死亡することが必然であり、過失致死どころか、殺人罪にもあたると思われます。

今回の判決は、1型糖尿病について、「体内でインスリンがほとんど生成されないので、外部からインスリンを取らなければ生きていけないことが、認められる」とはっきりと認め、ついに、この種の事件で、教祖的立場の人物に、殺人罪の適用を認めました。

カルトの問題においては、子供の死は究極の児童虐待です。

たとえば、最近でも(2017年3月15日)、前橋で、暴行事件ですが、当時1歳4カ月の城田麻雛弥(ますみ)ちゃんが「悪魔祓(はら)い」などと称した暴行を受け死亡した事件があり、「中島順聖(せいしょう)」こと無職の北爪順子容疑者(64)=前橋市駒形町=が、起訴された事件があります。

またカルト内の子供の人権の問題は、信仰2世の問題につながっていきます。

たとえば、最近の幸福の科学信者の清水富美加さんの芸能事務所独立騒動や、関西の森友学園における子供への偏頗な教育といった問題も、対象団体がカルトか否かはともかく、子供に対するマインドコントロールの問題として、程度問題として、信仰2世の問題とつながっていきます。子どもは親を選べません。

さらに、教祖的人物の指導に従ったことから、かけがえのない子供を失った悲劇の両親の立場からも、自ら受けたマインドコントロールの問題がからんできます。

いずれも僕の本でも触れているところではあるのですが、実は、2007年に「カルト宗教―性的虐待と児童虐待はなぜ起きるのか」と書いた時に、続編として、今度は、日本で実際におきた子どもの死亡事件や、信仰二世の問題を書こうと考えていたのですが、結局、多忙で、まだ書けていない大テーマです。

書くとなると、本一冊分の分量になろうかと思いますので、少し頑張らないといけないと思っています。

さて、ここからはやや専門的となりますが、今回の事件では、判決は、インスリンを止めるように指示を受けたのは母親、母親と相談し実際にインスリンを止めたのは父親であるとして、近藤被告との関係では、母親に対しては間接正犯、父親との関係では保護責任者遺棄致死罪の範囲で、共謀共同正犯が成立し、実際にインスリンを止めた実行者ではない、近藤被告に対し、未必の故意かつ不作為の殺人罪が成立するとしています。

過去、未必の故意かつ不作為の殺人罪に問われた著名事件として、SPGFの教祖的立場の高橋弘二(故人)に対する事例(一審判決は懲役15年、但し高裁で7年に減刑=wiki)もありますが、今回は、高橋弘二事件と異なり、初めての裁判員裁判の判決となります。

以上、裁判実務的に、とても重要な判決だろうと思いますので、アップし紹介しておきます。


[参考]

・宇都宮事件=自称祈祷師に懲役14年6月=薬不投与で糖尿病男児死亡―宇都宮地裁 時事通信2017年 3/24(金) 16:35

 2015年4月、宇都宮市の糖尿病の男児=当時(7)=の治療に不可欠なインスリンの投与中断を両親に指示し、死亡させたとして、殺人罪に問われた自称祈祷(きとう)師の建設業近藤弘治被告(62)の裁判員裁判の判決が24日、宇都宮地裁であった。

 佐藤基裁判長は「被告は主導的な立場にあり、犯行態様は残酷で悪質性は高い」などとして、懲役14年6月(求刑懲役15年)を言い渡した。

 起訴状によると、近藤被告は15年4月、男児の両親がインスリンを投与しなくても治療できると信じていることに乗じ、死亡する恐れがあると知りながら投与の中断を指示。男児を糖尿病による衰弱で死亡させたとされる。


○下野新聞に掲載された紀藤のコメント⇒「被告と母親に上下関係」類似事件に詳しい紀藤正樹弁護士語る 糖尿病男児衰弱死=下野新聞=2017年3月25日 朝刊

 自ら「難病を治せる龍神」をかたった近藤弘治被告による事件。ライフスペース事件など類似する事件に詳しい紀藤正樹(きとうまさき)弁護士(56)=第二東京弁護士会=は「信じる心につけ込んだマインドコントロールの要素を市民感覚で表現した判決」と分析した。

 近藤被告は、思い悩む母親にメールで「インスリンは毒」「病院の指導では体がもたない」など恐怖をあおる半面、「治せる」と希望につながる言葉も掛けた。

 紀藤弁護士は「被告と母親の上下関係がはっきり分かる」と指摘した。

 さらに「難病の子どもを食いものにする主宰者は全国各地にいる」とし、同種の事件が起こることを懸念した。


・前橋事件=「悪魔祓い」64歳女、謝罪なく「黙秘」貫く 傷害致死罪で起訴 群馬=産経新聞=2017.3.16 16:20更新

 当時1歳4カ月の城田麻雛弥(ますみ)ちゃんが「悪魔祓(はら)い」などと称した暴行を受け死亡した傷害致死事件で、「中島順聖(せいしょう)」こと無職の北爪順子容疑者(64)=前橋市駒形町=が15日、前橋地検に起訴された。

 北爪被告は県警に逮捕されてからも謝罪の言葉を口にせず容疑を否認、黙秘に近い状態を続けていた。同地検は認否に関し「お答えできません」としている。

 北爪被告は自身の「特別な能力」を、「見える人には見える」などと雑談には応じるものの、犯行には「あやしていた時にぶつけたかもしれない」などと話すのみだった。

 起訴にこぎ着けたことに捜査幹部は「捜査を尽くした結果を踏まえ、地検が起訴できると判断したのだろう」と話した。

 逮捕の決め手は、犯行現場に居合わせた関係者の証言と麻雛弥ちゃんが頭部に強い衝撃を受けたとする医師の鑑定結果で、起訴内容にも盛り込まれた。起訴状によると、平成23年5月2日午後5時ころ、北爪被告は自宅アパートで、麻雛弥ちゃんを両脇から抱えて頭上に振り上げ、床に投げつける暴行を加えたことにより急性硬膜下血腫などで死亡させたとしている。


・成田ミイラ化遺体事件=ライフスペース=SPGF情報=僕のホームページより

・真光元事件=2005.07.22 真光元(しんこうげん)と薬事法=僕のブログより

2017.01.18

またマインドコントロールの違法性を認めた判決が出される!「売春をさせられるなどして約1億円をだまし取られた」=東京地裁=2017年1月18日付け=2017年1月19日11:57更情報あり

2017年1月18日、東京地方裁判所で、また新たな形のマインドコントロール被害に関する判決が出ました。

マインドコントロールの結果、被害者が「売春」をさせられたという事件は、ホストとその客の関係にもよくありますし、相談もよく受けます。

もちろんカルトの教祖と信者との関係でもよくおこります。売春をさせて貢がせるという「教祖」というのは、人を幸せにする「宗教」という観点からは、もう背理というほかありませんが、マインドコントロールの陥穽にはまってしまうと、被害者は、なかなか自分では抜け出せません。

ちなみにXJapanのToshlが、10億円以上の多額の被害にあうことになった、ホームオブハートに対する、2007年2月26日付けの判決の全文を、参考までにアップしておきます。マインドコントロールという言葉を、日本で初めて、判決文にきちんとした形で盛り込んだ、金字塔のような判決です。

ホームオブハート事件=判決文全文=2007年2月26日付け
(当事者の一部は、仮名になっています)

「自己啓発セミナーの主催者によるマインドコントロールが違法であるとしてセミナー生からの損害賠償請求及び慰謝料請求が認容された事例」

今回、この判決から、10年たって、新たなマインドコントロールに関する新たな判決が出てきたことに、同種の事件を多数扱い、苦労している僕、そして同種の事件を扱う弁護団にとっては、本当に感慨深いです。

くしくも明日1月19日午前10時にも、東京地裁で、沖縄のユタ(沖縄地方の霊媒師のこと)と自称する女性から、沖縄県内を中心に、わずか1年4か月の間に、1億6000万円を超える被害を受けた女性が原告となって、ユタらを訴えた裁判の期日です。

訴えたのは、平成25年3月。あしかけ4年弱、

今年3月13日午前10時に結審する予定ですので、連休明けには判決が出ると思います。裁判官の勇気ある真実に英断に、心から期待したいと思っています。


[参考記事]


女性を洗脳、売春させ大金だまし取る 「言うとおりにすれば、うまくいく」 女性占い師に1億円賠償命令 東京地裁  産経新聞 =2017年1月18日

 女性占い師にマインドコントロールされ、売春をさせられるなどして1億円超をだまし取られたとして、埼玉県本庄市の女性(34)が女性占い師に1億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が18日、東京地裁(戸室壮太郎裁判官)であった。占い師側は「女性は1食で14人分の食事を取るなど金遣いが荒かった。マインドコントロールはしていない上、未払いの占い代金が1億円以上あった」などと主張したが、戸室裁判官はこうした主張を一蹴し、請求のほぼ全額に当たる約9800万円の賠償支払いを占い師に命じた。(社会部、小野田雄一)

 判決によると、女性は離婚などで人生に悩み、平成20年ごろ、占い師に電話相談。女性は占い師に頻繁に電話するようになり、23年には占い師が所有する東京・広尾のマンションに住むようになった。女性は23年から東京・新橋の風俗店で働き始めた。

 女性側は「広尾のマンションに住むようになって以降、占い師から『マンションで起きた異臭騒動で、あなたには多額の賠償義務がある』『あなたは過去に吸った大麻の影響で正常な判断ができない。私の言うとおりにしなさい』『私の言うとおりにすれば、好きな男性ともうまくいく』などとマインドコントロールされた。風俗店で働くよう命じられた上、いわゆる“本番行為”などの裏サービスをするよう指示された。収入は全額占い師に渡していた。1億円以上は渡した」などと主張。

 一方、占い師側は「マインドコントロールはしていない。風俗店勤務を指示したこともない。未払いの占い代金も1億円以上あった」などと反論していた。

 判決は、(1)女性が平成23年3月に広尾のマンションに住むようになったのは占い師の指示のためだった(2)(2)同年6月に占い師が「あなたが過食や嘔吐(おうと)を繰り返すため配水管が故障し、異臭騒ぎが起きた。修繕に数十億円が必要だ」などと脅した。ただし実際には異臭騒ぎはなかった(3)多額の弁償のため風俗店で働くよう指示した(4)24年5月ごろ、占い師は「あなたの借金が膨らんでいる」と脅し、裏サービスや風俗店外での売春行為をするよう指示した。占い師は「あなたは泥棒」「警察に突き出す」など女性の恐怖心をあおるメールを送っていた(5)女性は23年~25年、風俗店や裏サービスなどで計約9000万円の収入を得ており、大半を占い師に渡していた-ことなどを認定。

 戸室裁判官は「占い師は女性に多額の負債があると思い込ませるなどして恐怖心をあおり、自分の意のままにコントロールし、多額の金銭を渡させていた。女性は被告から支配され、人格をほぼ失うような状況に陥っていた」などと指摘。占い師が金銭をだまし取ったことを認定し、慰謝料を含めて占い師に約9800万円の賠償支払いを命じた。

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紀藤の著書
→霊感商法、カルトやマインドコントロールについて、もっと知りたい方は、ぜひ上記僕の本やToshlさんの本を読んでいただければ幸いです。

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2016.12.10

これは便利!>文化庁が公表する昭和24年からの宗教統計調査

文化庁文化部宗務課は、全国の18万法人を超える宗教法人の所管官庁です。

この文化庁文化部宗務課のサイト(→宗教統計調査|文化庁)には、現在の宗教法人法が施行される昭和26年より以前の「昭和24年」からの「統計情報」が掲載されており、宗教の問題を考えるについて、とても参考になります。

とはいえ膨大な資料です。

文化庁のサイトには、これらの統計情報をグラフなどを駆使して、わかりやすくまとめた、昨年平成27年3月に作成された「宗教関連統計に関する資料集」も掲載されています。

とはいえ本文107頁もある資料ですが、こちらもとても参考になります。

「宗教法人及び宗教事情等が調査対象に含まれている調査は,文化庁が実施する宗教統計調査のほか,官公庁及び民間の諸団体において行われています。
 文化庁文化部宗務課では,都道府県宗教法人事務担当者の執務の参考にすべく,主な統計調査の結果の概要を収集して,平成26年度に『宗教関連統計に関する資料集』を作成しました。」

だそうです。

宗教関連統計に関する資料集(3.9MB)(文化庁「平成26年度宗教法人等の運営に係る調査」委託業務)

目次

  1. 宗教法人数,信者数等
  2. 明治~昭和初期の神社,寺院,教会数等
  3. 宗教法人の認証,登記
  4. 宗教関係事業所数,従業者数等
  5. 宗教法人の財務
  6. 宗教に関する国民の意識と行動
  7. 家計における宗教関係の支出
  8. 宗教用具,ろうそく,線香類の出荷数量と事業所数
  9. 死亡数と葬儀数,墓地数等
  10. 「信教の自由」をめぐる相談・事件処理
  11. 宗教関係産業民間資格
  12. 宗教目的の訪日外国人数


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・[参考]
宗教統計調査|文化庁

 文化庁文化部宗務課では,毎年,宗教統計調査を行っています。昭和24年に始まり,我が国における宗教の動向を把握するために実施してきました。
 宗教統計調査は,統計法(平成19年5月23日法律第53号)に基づき,宗教団体の協力を得て,毎年12月末日現在の統計を取りまとめています。
 全国にある社寺・教会等の宗教団体,教師,信者の数値は,包括宗教法人及び非法人の包括宗教団体,単立宗教法人からの報告に基づいています。

  • 平成26年12月31日現在(1.4MB)正誤表(123KB)

  • 平成25年12月31日現在(1.6MB)

  • 平成24年12月31日現在(1.7MB)

  • 平成23年12月31日現在(1.6MB)     正誤表(68KB)

  • 平成22年12月31日現在(1.6MB)

  • 平成21年12月31日現在(1.8MB)

  • 平成20年12月31日現在(1.4MB)

  • 平成19年12月31日現在(1.3MB)

  • 平成18年12月31日現在(2.4MB)

  • 平成17年12月31日現在(2.3MB)

  • 平成16年12月31日現在(2.3MB)

  • 平成15年12月31日現在(2.2MB)

  • 平成14年12月31日現在(2.2MB)

  • 平成13年12月31日現在(2.2MB)

  • 平成12年12月31日現在(2.2MB)

  • 平成11年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成10年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成9年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成8年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成7年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成6年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成5年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成4年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成3年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成2年12月31日現在(2.1MB)

  • 平成元年12月31日現在(2.1MB)

  • 昭和63年12月31日現在(2.1MB)

  • 昭和62年12月31日現在(2.1MB)

  • 昭和61年12月31日現在(1.9MB)

  • 昭和60年12月31日現在(1.9MB)

  • 昭和59年12月31日現在(1.8MB)

  • 昭和58年12月31日現在(1.9MB)

  • 昭和57年12月31日現在(2.1MB)

  • 昭和56年12月31日現在(2.1MB)

  • 昭和55年12月31日現在(2.2MB)

  • 昭和54年12月31日現在(2.2MB)

  • 昭和53年12月31日現在(2.1MB)

  • 昭和52年12月31日現在(1.6MB)

  • 昭和51年12月31日現在(2.3MB)

  • 昭和50年12月31日現在(2.4MB)

  • 昭和49年12月31日現在(2.4MB)

  • 昭和48年12月31日現在(2.7MB)

  • 昭和47年12月31日現在(2.3MB)

  • 昭和46年12月31日現在(2.0MB)

  • 昭和45年12月31日現在(2.1MB)

  • 昭和44年12月31日現在(1.6MB)

  • 昭和43年12月31日現在(1.2MB)

  • 昭和42年12月31日現在(1.3MB)

  • 昭和41年12月31日現在(896KB)

  • 昭和40年12月31日現在(800KB)

  • 昭和39年12月31日現在(872KB)

  • 昭和38年12月31日現在(1.3MB)

  • 昭和37年12月31日現在(1.5MB)

  • 昭和36年12月31日現在(884KB)

  • 昭和35年12月31日現在(2.5MB)

  • 昭和34年12月31日現在(2.2MB)

  • 昭和33年12月31日現在(2.7MB)

  • 昭和32年12月31日現在(2.6MB)

  • 昭和31年12月31日現在(1.9MB)

  • 昭和30年12月31日現在(2.2MB)

  • 昭和29年12月31日現在(3.1MB)

  • 昭和28年12月31日現在(2.3MB)

  • 昭和26年12月31日現在(1.6MB)

  • 昭和25年12月31日現在(1.8MB)

  • 昭和24年12月31日現在(2.0MB)

  • 2016.08.31

    開運商法という霊感商法Q&A-開運グッズ詐欺で業者や仁和寺、善通寺などへの損害賠償求提訴を受けて

    今回(2016年8月29日)の開運商法被害弁護団による損害賠償の提訴を受けて、UPします。

    開運商法=霊感商法についてのQ&Aを、まとめてみました。

    それにしても、今回提訴された「仁和寺(にんなじ)」(京都市)、そして弘法大師・空海の生誕地として伝えられる「善通寺」(香川県善通寺市)=双方とっても有名なお寺です=に限らず、大手仏教教団の「霊感商法被害放置」の姿勢は異常です。

    このような仏教教団の放任姿勢が、オウム真理教事件を生み出した背景事情にあったことを、強く反省すべきです。

    既存教団の努力が強く求められています。


    (1)「霊感商法の勧誘で被害者に多いのが30代から40代の女性ですが、現在どのくらいの人が被害にあっていますか?」

     国民生活センターの報道発表資料(平成24年2月2日付)を添付しました。その内容をお読み下さい。


    (2)「霊感商法の勧誘ルートでFFで勧誘される側は、家族や友達がおかしいと感じないのですか?」

     拙書『マインドコントロール』の82頁に記載した「好意」の利用です。人は身近な人からの勧誘を信頼しがちです。


    (3)「チラシ広告などにのっかている「開運ブレスレット」などはすべて霊感商法なんですか?」 

     霊感商法の定義にもよりますが、自ら店頭に出向き自分で商品を選択できる店頭販売とは違い、通信販売、訪問販売、電話勧誘販売は、ほぼ全てが霊感商法である可能性が高いものです。この点は消費者庁のニュースリリース(平成25年3月21日付)=PDFを添付しました。その内容をお読み下さい。


    (4)「チラシ広告などの「開運ブレスレット」などすべてが霊感商法ではないときの見分け方などありますか?」 

     つまり③で述べたとおり、原則として、全てが霊感商法というべきものですので、見分け方としては、むしろ全てが霊感商法と考えて購入を避けた方がいいです。


    (5)「どのようにしたらマインド・コントロールは防ぐことができると思いますか?」 

     これも拙書『マインドコントロール』208頁以下に書いたとおりです。

     また国民生活センターと消費者庁の上記資料をお読み下さい。消費者へのアドバイスが書いてあります。

     ただ、あえて一言付け加えれば、マインドコントロールは巧妙であり組織的でもありますので、個人の力でこれを見抜くことは非常に難しいのが現状です。

     被害予防のためにはマインドコントロールの知識が非常に重要であり、これが私が『マインドコントロール』を書いた理由です。

     そしてマインドコントロールの被害は、自分だけでなく家族や友人にもおよびます。知識を自分だけのものとせず、家族や友達、回りの人を救うための努力が重要です。


    [参考]

    ・このブログ
    仏教界は詐欺対策に本腰を!本日2016年2月16日、開運商法=霊感商法業者の「幸せ工房」が摘発!=3人逮捕 16/02/16 記事
    速報!霊感商法業者(「開運ブレスレッド」「携帯型パワースポット」)に消費者庁が業務停止命令! 2012年11月20日更新情報あり 12/11/16 記事
    国民生活センター発表:開運ブレスレットや数珠の購入をきっかけに、“除霊のため”“運気を上昇させるため”と、次々に開運商品を売りつける手口に要注意! 12/02/21 記事

    開運商法被害弁護団 - 霊感商法の実態

    「監督義務怠った」開運商法で世界遺産の仁和寺など2総本山を提訴 1都7県の9人 東京地裁 - 産経ニュース=2016.8.29 18:16更新

     「開運商法」で多額の金銭を支払わされたとして、1都7県に住む30~80代の男女9人が29日、開運商法業者3社と、加持祈祷名目で関与したとされる岡山県高梁市の「戒徳寺」と「観音寺」、両寺がそれぞれ所属する2つの包括宗教法人(総本山)に計約8700万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。

     提訴された総本山は世界遺産に登録されている「仁和寺(にんなじ)」(京都市)と、弘法大師・空海の生誕地として伝えられる「善通寺」(香川県善通寺市)。原告側の開運商法被害弁護団によると、開運商法に関与したとされる寺が属する宗派の総本山を被告に含めた訴訟は初という。

     訴状などによると、被告の業者「笑福堂」「さくら」「ひかり」=いずれも解散=は実質的に同一で、平成25、26年、「宝くじが当たる」「必ず効果が出る」などとする開運グッズの広告を雑誌に掲載。「購入したのに効果が出ない」と電話した顧客に「悪霊がいるためだ」などと説明し戒徳寺と観音寺に加持祈祷を依頼する名目で、9人に数百万円から1千数百万円の支払いをさせた。両寺の代表者は親子で、支払われた金銭の一部は両寺が受け取っていたとしている。

     仁和寺と善通寺については、戒徳寺と観音寺の霊感商法への関与をやめさせるよう弁護団が申し入れていたにもかかわらず改善措置をしなかったとして、監督責任を問うとした。

     戒徳寺と観音寺は「名義を冒用(不正利用)されたと考えている」とコメント。仁和寺側は「訴状を見た上で内容を検討したい」、善通寺側は「係争中なのでコメントは差し控える」とした。

    ・フジテレビの報道=開運グッズ詐欺 業者や宗教法人相手に損害賠償求め提訴=08/29 21:25

     開運グッズで金銭をだまし取られたとして、業者や宗教法人を相手に、損害賠償求め提訴した。
    開運グッズ購入で、金銭をだまし取られたとして、男女9人が、業者や岡山県の宗教法人を相手取り、およそ8,700万円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴した。

     東京や茨城などの30〜80代の男女9人は、ブレスレットなどを購入したあと、「あなたに悪霊がついている。家族にも、悪いことが起きる」などと脅され、およそ7,200万円をだまし取られたと訴えている。
    弁護団は、被害は全国で起きていて、同じような手口で、組織的に詐欺行為が行われていると指摘している。


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    紀藤の著書
    →霊感商法、カルトやマインドコントロールについて、もっと知りたい方は、ぜひ上記僕の本やToshlさんの本を読んでいただければ幸いです。

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    2016.01.30

    ビクラムヨガ(Bikram yoga)創設者がセクハラでなんと約9億円の損害賠償命令(米国)

    日本でもホットヨガスタジオを展開する”ビクラムヨガ=Bikram yoga”創設者がセクハラでなんと約9億円の損害賠償命令(米国)です。

    ついに日本でも報じられました。

    フジテレビです。今なら映像が見れます。

    なおビクラムヨガ創設者=(英語ではfounderと報じられていますので、日本語の語感としては、会社「創設者」に近いです。)の損害賠償の1報は、ロサンゼルスタイムズの2016年1月26日20:37PST(太平洋標準時)参照=但し英語⇒Yoga guru Bikram Choudhury must pay $6.4 million in punitive damages, jury decides - LA Times

    Bikramyoga


    [参考] ホットヨガのカリスマ、セクハラでおよそ9億円の賠償命令受けるフジテレビ系(FNN) =2015年1月29日(金)21時53分配信

    以下、記事抜粋:

    ホットヨガ界のカリスマ、ビクラム・チョードリー氏(69)は、ある女性にセクハラで訴えられ、アメリカ・ロサンゼルスの裁判所から、巨額の賠償金を支払うよう命じられた。
    その金額は、およそ740万ドル。
    日本円にして、8億9,000万円にのぼる。 

    なおチョードリー氏は、セクハラなどで、ほかにも6件の民事訴訟を起こされている。

    2015.03.15

    なぜ科学者が除霊にはまったのか?繰り返される除霊死事件=熊本妻・除霊暴行死事件 霊能者とこれを信じた夫に実刑判決 懲役2年6月

    3月20日は地下鉄サリン事件から20年目の節目の日です。昨日3月14日は、「地下鉄サリン事件からの20年の集い」と題するシンポジウムも開催され、僕も、参加してきました。

    ところで、昨年2014年6月の事件におきた事件を、宗教関連の事件として、備忘録的に書き留めます。オウム真理教事件でも、医者や科学者が、非科学の世界に陥り、死刑判決まで受ける事態となっています。

    熊本市にある崇城大学(そうじょうだいがく 学校法人君が淵学園 崇城大学)の福田耕才准教授(肩書は逮捕時)(53)らが、逮捕起訴有罪となった事件です。

    霊能者は、自称「神司(かんづかさ)」野田英子(82)

    福田耕才准教授は、霊能にはまった結果、最愛の妻を亡くされたみたいです。この種のカルト的な事件では、家族を巻き込んだ悲劇がよく発生しますが、この事件もその一つです。

    ちなみに福田耕才准教授は、崇城大学の資料を見ると、九州大学大学院農学研究科農芸化学専攻専門分野の博士後期課程修了(平成2年3月)後、博士(農学)(九州大学)を持つ、応用微生物工学科の分子遺伝学の専門家です。

    なぜ科学の専門家が、非科学的な霊能者にはまってしまったのか、被害的立場の「福田」氏が、なぜ「霊能者」と同じ量刑なのか、「福田」氏の言い分がとても気になります。マスコミは、事実経過だけでなく、きちんと被告人の言い分もつたえてほしいです。被告人の言い分を伝えることは被告人にとっても必要なことですし、また、この種の悲劇を繰り返さないためにも、重要なことだろうと思います。

    なお「福田」氏だけが、2月13日付で、控訴されたようです。事件は福岡高裁に舞台を移すことになります→除霊暴行死事件、夫が控訴 熊本 - 産経ニュース=2015.2.13 07:00更新


    以下参考記事↓

    熊本の除霊暴行死、夫らに実刑 懲役2年6月 - 西日本新聞=2015年01月27日(最終更新 2015年01月27日 21時12分)

     熊本市で昨年6月、「除霊」と称してパート福田利恵さん=当時(51)=を暴行し、死なせたとして、傷害致死の罪に問われた夫の崇城大准教授福田耕才被告(53)と自称祈祷師野田英子被告(82)の2人に、熊本地裁の裁判員裁判判決は27日、それぞれ懲役2年6月(求刑懲役4年)を言い渡した。

     判決によると、2人は昨年6月21日午前10時半~正午ごろ、野田被告のアパートの部屋で利恵さんの手足をひもで縛るなどし、針のない注射器で水を連続して注入。同日午後9時半~10時ごろに再度注入し、窒息死させた。

    鼻から注射器で水を… 「除霊」暴行死初公判で夫の准教授ら、起訴内容認める - 産経新聞2015.1.20 10:51更新

    熊本市東区のアパートで昨年6月、「除霊」と称してパート福田利恵さん=当時(51)=を暴行して死なせたとして、傷害致死の罪に問われた夫の崇城大准教授福田耕才被告(53)と自称祈祷師、野田英子被告(82)は20日、熊本地裁(松尾嘉倫裁判長)の裁判員裁判初公判で、いずれも起訴内容を「間違いありません」と認めた。


    冒頭陳述で検察側は、野田被告が40歳ごろから「神司」を名乗り、アパートの自室でおはらいをしていたと指摘。「野田被告は福田被告と利恵さんに『利恵さんに動物の霊が取りついている。暴行することで霊が苦しむ』と説明していた」と主張した。

    弁護側は「利恵さんは暴行を受けることを承諾していた」と述べた。

    起訴状によると、両被告は昨年6月21日午前10時半~正午ごろ、野田被告のアパートの部屋で、利恵さんの手足をひもで縛るなどし、針のない注射器で鼻の穴から水を連続して注入。同日午後9時半~10時ごろに再度注入し、翌日午前に搬送先の病院で窒息死させたとしている。

    傷害致死ほう助の罪に問われた野田被告の妹(77)も起訴内容を認めた。

    「除霊」注射器で鼻から水注入 傷害致死などで3人起訴:朝日新聞=2014年7月24日23時28分

     熊本市東区のアパートで6月、自称「除霊師」の女ら3人が水を使った「お祓(はら)い」で女性を窒息死させた事件で、注射器を使って女性の鼻から「ご神水」と称する水を注入し続けていたことがわかった。熊本地検は24日、アパートに住む野田英子容疑者(81)と女性の夫で崇城大学准教授の福田耕才(こうさい)容疑者(52)=熊本市東区=を傷害致死罪で、野田容疑者の妹で無職北山敬子容疑者(77)=鹿児島県姶良市=を同幇助(ほうじょ)罪で起訴した。

     起訴状によると、野田、福田両容疑者は6月21日午前10時半~正午ごろ、野田容疑者のアパートで福田容疑者の妻利恵さん(51)の手足をひもなどで縛り、顔や足などを押さえつけたうえ、複数の針のついていない注射器を使って鼻から水を注入し続け、意識を失わせた。注射器の容量は50ミリリットル未満だった。同日午後9時半ごろから、再び30分間にわたって鼻から水を注入し、その約7時間後に窒息死させたとされる。北山容疑者は2人を手伝ったとされる。

     地検は3人の認否について、「証拠に関わる」として明らかにしていない。

    「除霊」と称し暴行、女性死亡 容疑の大学准教授ら逮捕:朝日新聞=2014年7月3日13時25分

     「除霊」と称し大量の水を飲ませるなどして、女性(51)を死亡させたとして、熊本県警は3日、自称「神司(かんづかさ)」野田英子容疑者(81)=熊本市東区長嶺南7丁目=、崇城大准教授の福田耕才容疑者(52)=同=、野田容疑者の妹で無職北山敬子容疑者(77)=鹿児島県姶良市=の3人を傷害致死の疑いで逮捕し、発表した。

    県警は3人の認否を明らかにしていない。


    発表によると、3人は6月21日、野田容疑者のアパートで、福田容疑者の妻利恵さん(51)に「お祓(はら)い」と称して大量の水を飲ませたり、体を押さえつけるなどの暴行を加えたりして、窒息死させた疑いがある。

    同日午後10時15分ごろに福田容疑者からとみられる119番通報があり、利恵さんは約7時間後に病院で死亡した。

    県警によると、野田容疑者は30年以上前から有料で悪霊を取り払うなどの名目で「お祓い」をしていたとみられる。

    野田、福田両容疑者は、利恵さんが「数年前からお祓いを受けていた」と説明しているという。

    一方、北山容疑者は現場に居合わせて2人の手伝いをしたとみられる。

     現場のアパートに住む女性は「部屋では毎月2度、宗教の会合があったようで、(野田容疑者は)白装束を着ていた。いつも『ドンドンドン』という音が聞こえていたが、悲鳴を聞いたことはない」と話した。



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    紀藤の著書
    →霊感商法、カルトやマインドコントロールについて、もっと知りたい方は、ぜひ僕の本を読んでいただければ幸いです。Toshlさんの脱会についても触れています。

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    2015.03.10

    地下鉄サリン事件20年の年に、ついに待望の書・3月10日、発売解禁へ ぜひお読みください!>Q&A 宗教トラブル110番〔第3版〕 =2015年3月12日更新

    ついに2015年3月10日に発売が開始されました。

    前回の改訂が2004年2月13日ですので、11年目の全面改訂です。

    前の版は在庫切れして、一時8000円以上の値が、古本市場でついており、著者としては、早期に、改訂し発売をしたかったのですが、多忙な著者3人ゆえ、改訂に3年を要してしまいました。

    くしくも本年2015年3月20日は、地下鉄サリン事件から20年目の節目です。最後のオウムの刑事裁判も鋭意東京地方裁判所で審理が進んでいます。

    世界を見渡せば、20年前のオウム真理教の失敗に学んだのか、まず先に兵站を伸ばさずに国家組織を作り上げた、IS(イスラム国)なるテロカルトも出てきました。

    オウム真理教が、地下鉄サリン事件を引き起こさず、サリンを保有して、上九一色村(当時)の住民を人質として立てこもられたら、まさに20年前の日本で、国家内国家との全面戦争となり、我が国の当時の体制では、簡単に、強制捜査はできなかったと思いますし、さらに犠牲者は増えた可能性があります。

    ISと同様、省庁制まで引いていたオウム真理教が、兵站を伸ばして首都東京に対して、地下鉄サリン事件というテロ行為を引き起こしたことは、歴史的偶然にしかすぎません。

    その轍を、ISは踏まずに、先に住民たちを人質として、国家組織を作り上げました。米欧が、簡単にISを攻撃できないのは、それが理由です。

    我が国のみならず、今、世界において、カルト問題はさらに深刻化し、その現状は深刻であり憂うべきものがあります。

    対し、日本政府は、このオウム真理教事件の反省や教訓を検証できないままにあります。

    ぜひご注文のうえ、お読みいただけると、幸いです。


    Q&A 宗教トラブル110番〔第3版〕 |民事法研究会

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    紀藤の著書
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    2014.07.12

    ブログ更新!>全国の宗教法人名簿

    これは、国立国会図書館の提供です。

    一般市民と異なり、免税特権を持ち、そして、どの公益法人よりも優遇されている宗教法人について、現在、政府には、その登記事項を横断的に検索できる仕組みがありません。

    国立国会図書館が提供するページですが、本来なら、政府側(たとえば、内閣府や、文部科学省文化庁宗務課)が取り組む問題でしょう。

    宗教法人名簿 | 調べ方案内 | 国立国会図書館

    [対照]

    外の公益法人には、横断検索があるのに、この事態は異常です。

    公益法人・特例民法法人の検索=内閣府が運用

    NPO法人の検索=内閣府が運用

    .

    2014.05.27

    ブログ更新!またまた牧師のセクハラ事件!「無理やりキス 胸を触られたり」 >被害女性に1500万円の損害賠償を命令 午後11時=再更新

    長年争われてきた、韓国系のプロテスタント教会=「国際福音キリスト教会」の牧師=卞在昌氏(=ビュン・ジェーチャン氏)のセクハラ事件に、ついに責任が認められた。

    刑事事件で無罪となっていた準強姦については、今回の民事訴訟でも否定されたが、全体としてのセクハラは認められた。

    宗教団体では、教祖や牧師など、上の立場に立つものは、非常に大きな自制が伴うが、時に、これを制御できない者がいる。

    セクハラは、その一つの表象。その背景には「マインドコントロール」の問題もあり、信者であれば簡単にこれを拒否できない、そして、さらに暴走すれば、教団自体が、「カルト」化する。

    代表として、責任者として、こうした表象が生じた時に、反省して出直すことができるか、これをしないのか、それが、その後の大きな分かれ目である。

    宗教は、人の魂を救うのが仕事である。セクハラからは、もっとも遠い存在ともいえる。

    今回の判決が出たこと、そのこと自体について、この牧師は、猛省すべきだと思う。


    □参考⇒牧師のセクハラを認定 1500万円賠償命令「無理やりキス 胸を触られたり」 ― スポニチ [ 2014年5月27日 18:35 ]

     茨城県つくば市などにある「国際福音キリスト教会」の男性牧師(65)にセクハラをされたとして、元信者の女性4人が教会側に総額4620万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で東京地裁は27日、計1540万円の支払いを命じた。

     元信者側は「無理やりキスをされたり、胸を触られたりした」と証言していた。山田明裁判長は証言の核心部分を信用できるとした上で「牧師は立場を利用し、聖書の教えなどにかこつけて数々のセクハラ行為に及び、女性の気持ちを踏みにじった」と指摘した。

     男性は、原告のうち1人に乱暴したとして2010年2月に準強姦罪で起訴されたが、11年5月に水戸地裁土浦支部が「被害者の証言は不自然」として無罪を言い渡し、確定した。女性側はこの被害についても訴えたが、山田裁判長は「日時を特定できず、被害があったと認定できない」と退けた。

    □本日現在2014年5月27日の国際福音キリスト教会の主張

    民事裁判 一審判決について

    主の御名を賛美いたします。

    いつも私どもを覚えて、お祈りで支えてくださっていることに心から感謝いたします。
    2009年より行われてきました民事裁判の一審判決が出ました。この度の判決結果の内容には、一部受け入れがたいものも含まれておりました。この結果に対して、私たちは今後、真実を明らかにするために最善を尽くす所存です。
    すべてのことを働かせて益としてくださる主にゆだねつつ、再審請求を行ってまいりますので、今後ともお祈りをよろしくお願いいたします。

    栄光在主

    2014.5.27

    国際福音キリスト教団 教職者一同

    2014.05.21

    ブログ更新!>ついにセウォル号 韓国旅客船沈没事故を引き起こした海運会社のオーナー=宗教団体の教祖が逮捕へ!たった今の朝鮮日報の速報です。

    先ほど、2012年5月21日午後0時10分ごろ、韓国仁川の検察庁が、セウォル号の運航会社の実質的なオーナーで、宗教団体キリスト教福音浸礼会(=基督教福音浸礼会=きりすときょうふくいんしんれいかい)の教祖的立場の兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏が身を潜めているとされていた京畿道・安城の宗教施設「クムス院」に入ったようです。

    既に、勾引状、つまり逮捕状が出ている模様です。

    「検察は兪氏が1000億ウォン(約100億円)以上を横領し、100億ウォン以上を脱税したなどの疑いがあるとして、自ら出頭するよう要請したが、兪氏は応じなった。」とのことです。

    これにより、捜査が大きく進展することを望みます。

    {参考} 

    旅客船運航会社オーナーの身柄拘束へ =韓国検察  【安城聯合ニュース】 Chosun Online | 朝鮮日報 -2014/05/21 14:17

     韓国旅客船セウォル号の沈没事故で、仁川地検特別捜査チームは21日午後0時10分ごろ、同船の運航会社・清海鎮海運の実質的なオーナー、兪炳彦(ユ・ビョンオン)氏が身を潜めているとされる京畿道・安城の宗教施設「クムス院」に入った。勾引状が出ている同氏と長男の身柄を確保して取り調べる方針。

     検察は同院に対する家宅捜索令状も執行し、兪氏一家の犯罪事実を裏付ける証拠を確保する考えだ。


     同院は兪氏が創設したキリスト教系新興教団の施設。当局の強制捜索に備え、同院に集まっていた教団の信者らの抵抗はなかった。教団は同日午前、声明を発表し、捜査に協力する方針を示していた。

     検察は兪氏が1000億ウォン(約100億円)以上を横領し、100億ウォン以上を脱税したなどの疑いがあるとして、自ら出頭するよう要請したが、兪氏は応じなった。

     検察は兪氏と長男らがペーパーカンパニーを設立し、数年間にわたり約30の系列会社からコンサルティング費用や商標権手数料、顧問料などを受け取り、写真家でもある兪氏の作品を高値で売り付けたとみている。

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