国立大学法人の学長の解任手続は迅速に
国立大学法人法によると、17条で、大学の学長に「職務上の義務違反があるとき」は「文部科学大臣は・・・その役員を解任しなければならない。」とされています。
ところが2020年6月30日の読売新聞 の記事を見ると、北海道大学の問題学長を解任するのに文部科学省は1年もかけた。北大は、学内からのパワハラの訴えを受け、学長選考会議が調査し、2019年7月には学長解任の申し出を文科相に行っていた。
文科省の解任手続は遅きに失するのではなかろうか。これでは法は機能しない。国立大学法人法施行後、初の解任だということだが、今後は、法の趣旨にのっとり、もっと迅速に処理する必要がある。
参考記事:北大学長を解任…文部科学省、資質疑われる行為など28件確認=2020年6月30日の読売新聞
北海道大の名和豊春学長(66)が役職員にパワーハラスメントなどの不適切な行為を行ったとして、文部科学省は30日、国立大学法人法に基づき、名和氏を同日付で解任したと発表した。同省によると、国立大学が2004年度に法人化されて以降、学長が解任されたのは初めて。名和氏は取材に対し、処分を不服とする審査請求などを検討する考えを示している。
同大は学内からのパワハラの訴えを受け、同大の学長選考会議が調査を行い、昨年7月、学長解任の申し出を文科相に行っていた。
参考法律:国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号) 施行日: 令和二年四月一日 (令和元年法律第十一号による改正)
(役員の解任)
第十七条 文部科学大臣又は学長は、それぞれその任命に係る役員が前条の規定により役員となることができない者に該当するに至ったときは、その役員を解任しなければならない。
2 文部科学大臣又は学長は、それぞれその任命に係る役員が次の各号のいずれかに該当するとき、その他役員たるに適しないと認めるときは、その役員を解任することができる。
一 心身の故障のため職務の遂行に堪えないと認められるとき。
二 職務上の義務違反があるとき。
3 前項に規定するもののほか、文部科学大臣又は学長は、それぞれその任命に係る役員(監事を除く。)の職務の執行が適当でないため当該国立大学法人の業務の実績が悪化した場合であって、その役員に引き続き当該職務を行わせることが適当でないと認めるときは、その役員を解任することができる。
4 前二項の規定により文部科学大臣が行う学長の解任は、当該国立大学法人の学長選考会議の申出により行うものとする。
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