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2018.05.06

麻生大臣「セクハラ罪はない」は無知かつあまりにも国際感覚が欠如!そもそもフランスにはセクハラ罪が存在する!

麻生財務大臣が、日本ではなく、なぜかマニラで記者会見し、「セクハラ罪はない」という発言をしたことに、あまりの無知と、そして国際感覚の欠如に驚かされた。暴言の類で、衝撃といってよい。

既に、福田淳一前財務事務次官のセクハラが、海外のニュースでも取り上げられ、週刊新潮の記事が、自身のYoutubeでも英語化され、国際的に拡散されつつある今、あまりに恥ずかしいことだ。

もはや麻生財務大臣の発言は、「すべての女性が輝く社会づくり」を推進する安倍政権に致命的であって国内的にも大問題であるだけでなく、勉強不足から来る無知から来る発言とは言え、その国際感覚の欠如は、国益に反すると言ってよい。

週刊新潮により2018/04/13 に公開=Administrative Vice Minister of the Ministry of Finance, Mr. Junichi Fukuda is one of the top officials involved in the Moritomo issue.

そもそもセクハラの定義は広く、その定義の中に、当然、強制わいせつ罪や強制性交等罪、そして強要罪等を含みうる包括的概念である。そうした「セクハラ」の定義すら知らない「無知」な発言を、一国の財務大臣が海外ですること自体大問題である。セクハラのの簡単な教科書を読んですぐにわかる程度の知識すらないこと自体がとても問題だろう。

そのうえ、フランスでは、セクハラ罪が既に存在している(以下下線は紀藤)。

フランスでは、1992年の刑法改正で、セクハラ罪を新設し、「ある人物が性的な快楽を得る目的で、自らの職務によって得られる権限を濫用し、命令、脅迫又は強制という手段を用いて、他者に対して執拗に嫌がらせを行う行為」を「1年以下の拘禁刑及び1万ユーロ以下の罰金を科す」としている(刑法典第222-33条)。

つまり麻生大臣の発言は、無知と国際感覚のなさの両者において、あまりに恥ずかしい。

フランスではその後のいくつかの改正を経て、さらに2012年法では、セクハラ罪を強化している。

すなわち

ある人物に対し、性的な暗示を含む言葉又は行為を繰り返し強いる行為であり、それらの言葉又は行為は、その人物を傷つける、又は侮辱するものであることから、その人物の尊厳を侵害する、又はその人物に対して威圧的な、敵対的な若しくは侮辱的な状況をつくるものである」と定義され、、「繰り返す行為がなくとも、加害者本人のためであれ、第三者のためであれ、実際に又は明らかに性的な行為を行う目的で、あらゆる形態の重大な圧力を用いる行為」もセクハラとみなされる。

そして定義の明確化とともに罰則も重くされ、「1年以下の拘禁刑」が「2年以下」となり、1万5000ユーロ以下の罰金」が「3万ユーロ」となった。また、セクハラ行為が以下の条件で行われた場合、処罰はより重いものとなり3年以下の拘禁刑及び4万5000ユーロ以下の罰金とされている。

職権の濫用により行われた場合

15歳未満の未成年に対して行われた場合

年齢、病気、身体障害、肉体的若しくは精神的障害、又は妊娠によって、特に脆弱であることが明らかである、又はそれを加害者が承知している者に対して行われた場合

経済的・社会的な立場が不安定なために特に脆弱である、若しくは依存していることが明らかである、又はそれを加害者が承知している者に対して行われた場合

加害者又は共犯者として行動する複数人によって行われた場合


結局、麻生大臣の国際感覚の欠如と、勉強不足の罪はあまりにも重いのである。

ひるがえって、政治家は、率先して、セクハラを防止できる政策と立法を推進すべき立場ではないか。

もはや麻生大臣がなぜ辞任しないのか、辞任しないにしても、安倍首相がどうして麻生大臣を解任しないのかが、まったく不明である。

麻生大臣の発言は、「すべての女性が輝く社会づくり」という国是に反しているというほかなく、与野党を問わず、政治家は、この発言には強く抗議すべきである。

参考

セクハラに関する改正法が公布―規定を明確化、罰則も強化(フランス:2012年10月)|労働政策研究・研修機構(JILPT)

すべての女性が輝く社会づくり=(最終更新日:平成29年11月16日)=首相官邸

参考記事

麻生氏「セクハラ罪はない」…対応「適切」主張 : 経済 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)=2018年05月05日 00時01分 =下線は紀藤

【マニラ=栗原健】麻生財務相は4日、マニラで記者会見し、複数の女性記者へのセクハラを週刊新潮に報じられて辞任した福田淳一前次官について、「問題になったような話を財務省だけで詳細を把握するのは不可能だった。役所に対して、品位を傷つけたということで処分した」と述べた。

 麻生氏は「セクハラ罪というのはない。本人がそういうつもりはなかったと否定している以上、福田氏と向こう側の言い分を考えないと、公平さに欠くので、今回のような対応をした」と、財務省の対応は適切だったと主張した。

 財務省は4月27日、福田氏のセクハラを認定し処分を行ったが、麻生氏はこれまで処分理由などの詳しい説明はしていなかった。

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