17年の逃亡生活は何だったのか?オウム・菊地直子の無罪確定
17年の逃亡生活は何だったのだろうか?無罪なら逃亡する必要はなかった。
無罪は、とても後味の悪い結末となった。それは被害者にとっても、社会にとっても、そして菊地さんにとっても。
菊地さんは、逃亡のために多くの人に迷惑をかけた。
逃亡のために多くの税金が投入された。
無罪と言っても、菊地さんが、殺人集団であるオウム真理教に所属していた事実は、変わらない。
今回の無罪を教訓に、菊地さんには、オウム真理教の犯罪性の語り部になってほしい。
2017年の今年、アレフと名前を変えたオウム真理教は、3女派、妻派と、分裂含みの様相を呈している。
そのアレフでは、いまだに松本智津夫死刑囚の事件が冤罪であると真じる信者も多い。
分裂含みの教団が、今後、雲散霧消していくか、あるいはかえって分裂により、少数派を追い出し、反転攻勢に出ていくか、この未来に、真実を知る元信者の菊地さんが語る言葉の果たす意味は大きい。
今後、無罪判決を受けた菊地さんが、社会に対して黙ってしまうと、かえって冤罪事件としてアレフが利用し、松本智津夫もそうだということで、信者鼓舞、教団拡大の理由に使われる可能性すらある。
菊地さんには、自分の持つ、その影響力を十分に理解してほしい。
殺人集団であるオウム真理教に関わった者として、今後の菊地さんには、彼女の知り得た、オウム真理教事件の真実を語る社会的責任があると思う。
[参考記事]
・オウム・菊地直子元信徒、無罪確定へ 最高裁:朝日新聞デジタル=2017年12月27日10時55分
オウム真理教が1995年に起こした東京都庁郵便小包爆発事件で、爆薬の原料を運んだとして殺人未遂幇助(ほうじょ)などの罪に問われた菊地直子・元信徒(46)を逆転無罪とした二審・東京高裁判決が確定する。最高裁第一小法廷(池上政幸裁判長)が、25日付の決定で検察側の上告を棄却した。
仕事・交際…菊地元信徒、法廷で語った17年の日々
95年5月に特別手配された後、17年の逃亡生活を経て始まった菊地元信徒の裁判は、無罪で終結する。教団による一連の事件で裁判が続いているのは、地下鉄サリン事件などで殺人などの罪に問われている元信徒・高橋克也被告(59)=一、二審で無期懲役判決、上告中=のみになる。
菊地元信徒は、2012年に地下鉄サリン事件での殺人などの容疑で逮捕。その後、猛毒の化学剤VXを使った事件でも殺人などの容疑で再逮捕され、さらに都庁事件で再逮捕された。
ただ、東京地検はいずれの事件も実行犯らとの共謀までは裏付けられず、都庁事件の殺人未遂と爆発物取締罰則違反を手助けしたとする幇助罪で起訴した。
14年5月に東京地裁で始まった裁判員裁判で、元信徒は薬品の運搬を認めて被害者には謝罪しつつ、「運んだものが爆薬の原料とは知らなかった」として無罪を主張した。
同年6月の一審判決は、元信徒が事件前に「劇物」と記された薬品を運んでいたことなどから、「人の殺傷に使われる可能性があると認識していた」と述べ、殺人未遂幇助罪で懲役5年(求刑懲役7年)の判決を言い渡した。ただ、「爆発物に使われるとは予想できなかった」として爆発物取締罰則違反幇助罪の成立は認めなかった。
これに対し、15年11月の二審・東京高裁判決は、「危険物であっても直ちにテロの手段として用いられると想起することは困難」と指摘。「犯行を助ける意思があったと認めるには合理的な疑いが残る」として、逆転無罪とした。
教団による一連の事件の裁判では11年までに、元代表の松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(62)ら13人の死刑が確定した。12年に、逃亡生活の末に警察に出頭した平田信受刑者(52)=懲役9年が確定=のほか、菊地元信徒、高橋被告も相次いで逮捕され、再び裁判が始まっていた。
教団と菊地直子元信徒を巡る主な動き
1984年2月 松本智津夫死刑囚により「オウム神仙の会」が発足
87年7月 「オウム真理教」に改称
89年11月 坂本堤弁護士一家殺害事件
94年6月 松本サリン事件
95年3月 地下鉄サリン事件▽警視庁などが教団関連施設を一斉捜索
5月 山梨県旧上九一色村の教団施設に隠れていた松本死刑囚が逮捕される▽東京都庁の知事秘書室で郵便物が爆発▽警察庁が菊地元信徒らを特別手配
2004年2月 東京地裁が「一連の事件の首謀者」として松本死刑囚に死刑判決
06年9月 松本死刑囚の死刑が確定
11年12月 特別手配の平田信受刑者が大みそかに警視庁に出頭。翌1月1日に逮捕
12年6月 菊地元信徒、高橋克也被告を逮捕
14年6月 東京地裁が菊地元信徒に懲役5年の判決
15年11月 東京高裁が菊地元信徒に逆転無罪判決
17年12月 最高裁が検察側の上告を棄却。菊地元信徒の無罪確定へ
・菊地元信徒「無罪確定、素直に受け止め」 コメント全文 (朝日新聞デジタル) -12/27(水) 19:12配信
オウム真理教が1995年に起こした東京都庁郵便小包爆発事件で、爆薬の原料を運んだとして殺人未遂幇助(ほうじょ)などの罪に問われ、二審で無罪となったオウム真理教の菊地直子元信徒(46)は、検察側の上告を棄却した最高裁決定を受け、コメントを発表した。全文は次の通り。◇
最高裁判所での決定も、事実関係をきちんと見ていただき、深く感謝申し上げます。
これで無罪であることが確定することとなりましたことは、素直に、ありがたく受け止めたいと存じます。
とはいえ、自分の行為が何の落ち度も責任もない方に重篤な被害を与えてしまったことにつながってしまったことを、これからの人生において重く受け止めていくことは、控訴審判決の後に申し上げたとおり変わりはありません。
本当に申し訳ありませんでした。
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