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2014.07.09

ブログ更新>「放射線ホルミシス効果に関する見解」(2014年6月13日) 一般財団法人「電力中央研究所」の見解

業界団体である、一般財団法人「電力中央研究所」のホームページに、 2014年6月13日、「放射線ホルミシス効果に関する見解」が掲載されました。

原発事故の問題を扱っていると、「低線量被ばくは体によい」といった「ホルミシス効果」をうたう”人々”が登場しますが、このホルミシス効果の非科学性を考えるうえでも、ホルミシス効果をうたった商品についての消費者問題を考える上でも重要ですので、全文を紹介させていただきます。

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1990年代から2000年代前半にかけて、当所では放射線ホルミシス効果の検証を目的として実施したプロジェクトを実施しておりましたが、現在のホルミシス効果に対する当所の見解は「放射線ホルミシス効果に関する当センターの見解」の通りであり、ホルミシス効果を人に対する低線量放射線の影響として一般化し、放射線リスクの評価に取り入れることは難しいと考えております。

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電力中央研究所
原子力技術研究所(※紀藤注 電力中央研究所傘下の研究施設)
放射線安全研究センター(※紀藤注 さらに原子力技術研究所傘下の研究施設で、本見解書の「主体」)

 当センターでは、1990年代から2000年代前半にかけて、放射線ホルミシス効果の検証を目的とした研究を実施し、ある条件下での動物実験では、低線量の放射線によって様々なホルミシス様の効果が誘起されることを明らかにしました。しかし、現在は、主に以下の2つの理由からホルミシス効果を低線量放射線の影響として一般化し、放射線リスクの評価に取り入れることは難しいと考えています。

 第一に、ホルミシス効果の検証実験の多くは、健康状態にない動物(生まれつき病気になりやすい動物や、がんを移植した動物など)を対象としていることです。もともと低線量の放射線の影響は非常に検出が難しいため、応答を観察しやすくするためにこのような特殊な実験系が使われます。このような実験で得られた結果から、健康な人間に対する影響を推定することは適切ではないと考えております。

 第二に、ホルミシス効果の検証実験では、観察している指標が限定されています。例えば、活性酸素病に関する研究では活性酸素に関する指標は調べられていますが、その他生涯のがん発生率や寿命の変化など、一般の放射線影響として問題とされる指標については調べられていない場合がほとんどです。放射線の影響は多面的ですので、一面的なデータだけで判断してはならないと考えます。

 現在、当センターのWebページに掲載している放射線ホルミシス効果に関する過去の研究成果については、上記をご理解頂きました上で閲覧して下さい。

 なお、当センターは、低線量放射線のホルミシス効果を一般公衆の放射線リスク評価に応用することは難しいと考えておりますが、医療分野等への応用について一切を否定するものではありません。ただし、当所の成果を引用して放射線ホルミシス効果を謳った商品の販売を行っている例等につきましては、当所とは一切関係ありませんのでご注意下さい(当所が特定商品の営業活動に協力することはありません)。

・現在、当センターでは、放射線ホルミシスの研究は行っておりません。

・これまでに得られた知見からは、ホルミシス効果を低線量放射線の影響として一般化し、放射線リスクの評価に取り入れることは難しいと考えています。

・当所の成果を引用して放射線ホルミシス効果を謳った商品の販売を行っている例がありますが、当所とは一切関係ありませんのでご注意下さい。

 

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