ブログ更新:ついに逮捕!募金詐欺 >難病女児支援の募金は詐欺! 大阪府警 NPO理事ら5人逮捕 =2012年12月11日更新情報あり #大阪 #詐欺 #募金
大阪の地元では、前から、詐欺だと噂になっていたんですが、やっぱり詐欺でした。
募金詐欺は、被害者の多くが、匿名かつ少額の募金をするために、被害者や被害額が特定しにくく、難しい捜査となりますが、こちらは、逮捕にこぎつけた大阪府警にエールを差し上げたいと思います。
関西では、ほかに、最近摘発された事件として、こんな募金詐欺事件があり、
⇒震災義援金集めをシノギに 詐欺容疑で暴力団組長ら逮捕 和歌山=2012.7.9 22:38 産経新聞
こちらは暴力団のしのぎであることがわかっています。
今回の事件も、詐欺募金の被害金の行方について、きちんと捜査され、マスコミに続報が報道されることを望みます。
またこの種の募金詐欺事件では、被害者が特定にしくい関係で、被害者回復が難しいのも特徴です。つまり被害弁償がそもそも難しく、犯罪者が得た違法収益をすべて吐き出させて被害者に還付する、あるいは被害者がわからない場合でも被害者対策に使用する予算とするなどの法制がないと、犯罪者のやり得を許すこととなり、詐欺被害が繰り返される要因となります。
消費者庁ができる前から「違法収益吐き出し法制(違法収益掃出し法制とも言います。)」が議論されてきたのですが、消費者庁が2009年9月にできた後においても、いまだに「違法収益吐き出し法制」が手つかずになっており、日本に存在しないことが、日本を、詐欺天国にしています。
だって1億円の宝くじあてるより、詐欺師になって1億円稼ぐ方が簡単で、仮に逮捕されても詐欺で騙したお金は没収されず、2~3年程度、刑務所に行くだけでいいとなれば、詐欺師になる人が出てしまうのも当然です。
そんな社会にNo!と言える法制度が絶対に必要です。
なおこの種の詐欺の摘発を容易にさせた判決として、 平成22年3月17日最高裁第二小法廷 決定( 刑集 第64巻2号111頁)も見逃せません。
これも関西での募金詐欺の事案ですが、被害者の特定の難しい募金詐欺事案について、個々の被害者を具体的に特定しなくても、詐欺が成立するとした初めての最高裁判決です。
最高裁決定の全文は⇒こちら参照
事案
本件は,被告人が,難病の子供たちの支援活動を装って,街頭募金の名の下に通行人から金をだまし取ろうと企て,平成16年10月21日ころから同年12月22日ころまでの間,大阪市,堺市,京都市,神戸市,奈良市の各市内及びその周辺部各所の路上において,真実は,募金の名の下に集めた金について経費や人件費等を控除した残金の大半を自己の用途に費消する意思であるのに,これを隠して,虚偽広告等の手段によりアルバイトとして雇用した事情を知らない募金活動員らを上記各場所に配置した上,おおむね午前10時ころから午後9時ころまでの間,募金活動員らに,「幼い命を救おう!」「日本全国で約20万人の子供達が難病と戦っています」「特定非営利団体NPO緊急支援グループ」などと大書した立看板を立てさせた上,黄緑の蛍光色ジャンパーを着用させるとともに1箱ずつ募金箱を持たせ,「難病の子供たちを救うために募金に協力をお願いします。」などと 連呼させるなどして,不特定多数の通行人に対し,NPOによる難病の子供たちへの支援を装った募金活動をさせ,寄付金が被告人らの個人的用途に費消されることなく難病の子供たちへの支援金に充てられるものと誤信した多数の通行人に,それぞれ1円から1万円までの現金を寄付させて,多数の通行人から総額約2480万 円の現金をだまし取ったという街頭募金詐欺の事案である。
裁判要旨
1 街頭募金の名の下に通行人から現金をだまし取ろうと企てた者が,約2か月間にわたり,事情を知らない多数の募金活動員を通行人の多い複数の場所に配置し,募金の趣旨を立看板で掲示させるとともに,募金箱を持たせて寄付を勧誘する発言を連呼させ,これに応じた通行人から現金をだまし取ったという本件街頭募金詐欺については,(1)不特定多数の通行人一般に対し一括して同一内容の定型的な働き掛けを行って寄付を募るという態様のものであること,(2)1個の意思,企図に基づき継続して行われた活動であること,(3)被害者が投入する寄付金を個々に区別して受領するものではないことなどの特徴(判文参照)にかんがみると,これを一体のものと評価して包括一罪と解することができる。
2 包括一罪を構成する判示のような街頭募金詐欺の罪となるべき事実については,募金に応じた多数人を被害者とした上,被告人の行った募金の方法,その方法により募金を行った期間,場所及びこれにより得た総金額を摘示することをもってその特定に欠けるところはない。
[参考]
・拙稿:すべての違法収益を被害者へ返そう!=初出2008年2月22日
・難病女児支援の募金は詐欺だった! NPO理事ら5人逮捕=2012.12.10 産経新聞
大阪府内に実在する難病の女児(5)への支援を訴える街頭募金活動を行い、通行人から現金をだまし取ったとして、大阪府警捜査2課が詐欺容疑で、大阪市内のNPO法人「W.S.A」役員、中村穣次容疑者(32)ら5人を逮捕していたことが10日、分かった。中村容疑者らは1年数カ月前から大阪市内の繁華街や大阪府泉佐野市内などで嘘の募金活動を繰り返し、数百万円の募金を集めていたとみられる。
カモフラージュNPO、8月になって設立
府警によると、ほかに逮捕されたのはいずれも同府内の19~58歳の男4人。逮捕容疑は今年11月上旬、泉佐野市内の街頭で、厚生労働省が小児慢性特定疾患に認定している「骨形成不全症」を抱える女児への支援名目で募金活動を行い、数人から寄せられた計千円を詐取したとしている。
府警によると、中村容疑者らは2~4人で街頭募金を実施。逮捕者以外にも活動していた人がいるという。NPO法人は慈善団体を装うため、難病患者の支援を事業目的として今年8月に設立されていた。
骨形成不全症は骨の主要成分であるコラーゲンの異常で骨が極端に弱い先天性疾患。骨折が多発したり、骨が変形したりする症状が出る。厚労省が原則18歳未満の患者に、症状や所得に応じて医療費の一部を助成している。女児は重症のため全額補助を受けていたという。
・震災義援金集めをシノギに 詐欺容疑で暴力団組長ら逮捕 和歌山 - MSN産経west=2012.7.9 22:38 産経新聞
東日本大震災の被災地に届ける義援金の募金活動を装い、通行人から現金をだまし取ったとして、和歌山県警組織犯罪対策課と田辺署は9日、詐欺容疑で、和歌山県上富田町の指定暴力団山口組系暴力団組長、松下功容疑者(46)と同県田辺市の同組員、畑口忠史容疑者(46)ら男4人を逮捕した。
松下容疑者らはアルバイト十数人を雇い、震災の4日後から大阪や兵庫の街頭で“偽募金”を繰り返していたという。松下容疑者は「何も言いたくない」、畑口容疑者は「参加していない」と容疑を否認しているという。
逮捕容疑は、昨年3月15日から5月18日にかけて、大阪市のJR天王寺駅や兵庫県の阪神尼崎駅などの駅前で、募集したアルバイトに「東日本大震災募金に協力お願いします」などと通行人に呼びかけて義援金を募らせ、集まった現金をだまし取ったとしている。
実行役のアルバイトらは「関西ボランティア協会」を名乗って活動。県警が「募金活動のアルバイトがある」との情報を入手し、捜査していた。判明しているだけで26カ所、計約38万円を集めており、県警が金の使途を調べている。
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