先週2012年の3月最終週は、宗教被害史においても、特筆される週となりました。
■3月27日(火曜日)、霊感商法グループである神世界の斉藤亨が有罪を認めて被害者に謝罪して、神世界グループの解散を宣言
・神世界解散なお不安 被害者「名前変え活動も」(2012年3月28日 読売新聞)=http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20120328-OYT8T00027.htm?from=tw
・2012.03.24 速報:霊感商法被害を引き起こした「神世界」が正式に解散宣言を出しました #cult #religion =更新2012年3月25日
■3月29日(木曜日)、いわゆるマインドコントロールの問題で、統一教会が札幌地裁で敗訴
・郷路征記(ごうろまさき)弁護士の報告 但しまだ判決報告はアップされていません=青春を返せ訴訟第2陣2次訴訟(第2次信仰の自由侵害回復請求訴訟を改名)
・やや日http://dailycult.blogspot.jp/2012/04/2.html
・やや日http://dailycult.blogspot.jp/2012/03/2.html
するなど、宗教被害問題について、戦後で考えても、歴史に記載の値する大きな動きがあった1週間でした。
僕自身、これまで教祖の逮捕の事件として、明覚寺、法の華(いずれも宗教法人形態・事案は詐欺事案)、オウム真理教(宗教法人形態・事案は殺人等事案)、ライフスペース(会社形態・事案は殺人事案)と、いろいろ見てきていますが、教祖が刑事裁判ではっきりと有罪を認めたのは、この事件が初めてであり、また法人を自主解散するというのもこの事件が初めてです。
そもそも教祖が有罪を認めたという事件は、戦前はあったでしょうが、自由な社会の戦後では、初めてのケースだと思います。日本の宗教史においても、画期的です。
なお札幌地裁判決は、「憲法の基本的人権に関する条文は、わが国における社会一般の倫理観・価値観を、国家と個人との間の抽象的な規範として宣言するものである。憲法の理念は、憲法より下位の法律の解釈原理としても通用することが広く承認されており、例えば、すべての個人の自由や幸福追求に対する権利は尊重され(憲法13条)、何人も故なき奴隷的拘束を受けないこと(憲法18条)などは、様々な法律解釈の根本理念となっている」「一神教の信仰を得る、すなわち、神秘に帰依し教義に隷属するとの選択は、(親が幼い子に家庭内で宗教教育を施す場合はともかくとして)あくまで、個人の自由な意思決定によらなければならない。個人の自由な意思決定を歪める形で行われた、信仰を得させようとする伝道活動や信仰を継続させようとする教化活動は、正当な理由なしに人に隷属を強いる行為であり、社会一般の倫理観・価値観からみれば許されないことである。そのような伝道・教化活動は、社会的相当性の範囲を著しく一脱するものとして違法とされなければならない」
「統一協会の信者が原告らに対して行った伝道活動は、宗教性や入信後の実践内容を秘匿して行われたもので、自由意思を歪めて信仰への隷属に導く不正なものであるし、統一協会の信者が原告らに対して行った教化活動は、家族等との交流を断絶させ、金銭拠出の不足が信仰の怠りであり、救済の否定に繋がると教えて信仰を維持させ、特異な宗教的実践を継続させようとする不正なものである。これら不正な伝道・教化活動は、原告らに財産を差し出させ、原告らを集金活動に従事させるという特異な宗教的実践を強制するものであり、客観的に見れば、統一協会は経済的利益を獲得する目的で行ったと言わざるを得ない。(中略)したがって統一協会の信者が原告らに対して行った伝道・教化活動は、社会的相当性の範囲から著しく逸脱する民事上の違法な行為と言わなければならない」
とはっきりと、統一教会の伝道の違法性を認定しています。
■そんな中、実は、オセロ中島トモ子さんの問題にからみ、最新2012/04/25日号(今発売の号)のサピオに「狙われる理由 中島知子だけじゃない、なぜ芸能人はマインドコントロールされやすいのか/紀藤正樹」という原稿を入れました。
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・絶滅危惧種 サイ・ウミガメ・トラ…世界の希少動物を食い尽くす「非合法市場」に潜入した/福島香織 |
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・歴史略奪 河村たかし「南京発言」へ徹底抗議の裏に歴史改竄で覇権を広げる「大中華思想」/有本香 |
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・反撃の流儀 テーブルの上で握手しつつ下で足を蹴り合う中国大攻勢に屈しないインドの強気戦略に学べ/潮匡人 |
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・独裁のリスク 「毎年15%賃上げ」で企業は限界! 権利意識に目覚めた民衆の怒りは政府転覆に向かう/大前研一 |
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【SPECIAL REPORT】カネと欲望蠢く「マインドコントロール」の罠 |
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・狙われる理由 中島知子だけじゃない、なぜ芸能人はマインドコントロールされやすいのか/紀藤正樹 |
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・傾向と対策 オウム事件専門家が明かす! 最新手口は「フェイスブックの『いいね!』」と「震災ボランティア」/西田公昭 |
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・歴史 「ウォッシュ・ブレイン」とアメリカが驚愕した中国共産党の「洗脳」技術とCIA極秘研究/山村明義 |
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・軍事利用 米国防総省が進めるブレイン・ウォーズ 究極の洗脳兵器は「恐怖も眠気も感じない兵士」/ジョナサン・モレノ |
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【気鋭のカメラマンが飛び込む「21世紀の戦場」】泥沼アフガンで奮闘する日本人米兵「私が戦う理由」/横田徹 |
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【緊急拡大版】〈ジャーナリスト惠谷治が「独裁者の機密情報」を映像で詳細分析 金正恩をサピオ監視下に置く 第4回〉金正恩体制誇示の号砲「ミサイル発射」の先には「3か月以内の核実験」が待ち受ける |
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【直木賞作家渾身の戦史ルポルタージュ】ふたりのマレーの虎 第4回 かくて「難攻不落」の幻想は崩れ去った/船戸与一 |
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【新入生、新社会人必読】〈「新世界大戦の時代」特別対談〉落合信彦 VS 坂村健(東京大学大学院情報学環教授)「どうすれば日本にスティーブ・ジョブズが生まれるのか?」 |
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・〈創価学会、幸福の科学ほか30団体を徹底調査〉原発と宗教「マトリクス大図解」 |
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・野田政権「大飯再稼働ゴリ押し」は橋下徹の国政進出の強力な追い風になる/武冨薫 |
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【SAPIOトップインタビュー】シリーズ決断 第12回 キリンビール社長/磯崎功典 かつての「おっとり」がら「野武士集団」へ 勝負の年に挑む「キリンビールの再成長戦略」 |
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