速報!!下ヨシ子事件判決 被害者側勝訴!! 事実上、マインドコントロールの違法性が認められる!! =2012年4月14日、8月25日加筆あり #cult #religion
被害者は、フジテレビの番組「奇跡体験!アンビリバボー」を見たことがきっかけで、霊能力者・福運アドバイザーを自称する被告「下ヨシ子」が管長をつとめる六水院・関西別院に電話をしたことから、今回の被害に巻き込まれました。
具体的には、下ヨシ子と関西別院の僧侶・平田寿蔵、平田美帆、村井清秋こと村井博幸3名が連帯して、被害者に対し610万3490円、内、六水院(通称)こと宗教法人「肥後修験道遍照院」は409万7570円のみ連帯して、損害賠償の責任と遅延損害金が認められました。
宗教法人のみ少なくなっているのは、これは、宗教法人を引き継いだ時期が平成17年4月ですので、それ以後の「不法行為」のみが計算されただけで、特に意味はありません。それ以前は宗教法人としての活動ではなかったというだけです。
ちなみに、下ヨシ子は、自らを日本一の霊能者(裁判所での証言の中で)、エルメス(裁判官の面前で)と発言していました。
今回の判決は、テレビや書籍等でも有名な「霊能力者」に対する初の判決とも言えるもので、霊能力者の活動のあり方に警鐘を与えるともに、違法性の基準を示し、そしてフジテレビを含めて霊能師・霊能力者を肯定的に扱うテレビやメディア、そして出版社、特に今でも下ヨシ子の出版物を出し続ける実業之日本社のあり方が厳しく問われることになると思います。
これを機に、下ヨシ子および六水院は、その活動の在り方を見直し、真摯に反省して被害者に謝罪し、すぐに被害の賠償をすべきだろうと思います。
またメディアは、非科学的報道に対して、真摯に猛省すべきです。
それにしても、この訴訟で、実業之日本社学芸出版部の越智元、安田宣朗の両氏から出された「嘆願書」の内容には本当に驚かされます。この方々は、被害者への配慮よりも、目先の「売り上げ」しか考えていないのでしょうか?本当に驚きます
⇒実業之日本社学芸出版部の越智元、安田宣朗の両氏の平成23年6月10日付の嘆願書=pdfファイル
みなさんの意見もうかがいたいところです。みなさんはどう思われますか?
以下は↓判決の骨子です。
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―わかりやすいように若干の訂正処理をほどこしてあります。また下線太字部分が、事実上、今回の判決が、マインドコントロールの違法性を認めた部分です。
判決46頁以下
(2) 違法性の有無
ア 一般に、宗教団体が、当該宗教団体の宗教的教義の実践として、信者等に対して、儀式等を受けるように勧誘したり、任意に寄附や献金をするよう求めること自体は、信教の自由の一様態としての宗教活動の自由として保障されなければならないものであって、これを殊更に制限したり、違法と評価することは厳に慎まなければならない。
また、金員の出捐を伴う儀式等を受けることを勧誘するに際して、特定の宗教を信じる者が、当該宗教団体における教義等に基づく、科学的に証明し得ない様な事象、存在、因果関係等を理由とするような吉凶禍福を説き、儀式等を受けることによって、そうした吉凶禍福を一定程度有利に解決することができるなどと信者等に説明することについても、その説明内容がおよそ科学的に証明できないことなどを理由として、直ちに虚偽と断じ、あるいは違法と評価することもすべきではないし、予め信者等の境遇や悩み等を把握した上で、そうした悩み等を解決する手段として、金員の出捐を含む宗教的教義の具体的実践を勧誘することも、直ちに違法と評価されるものではない。
しかしながら、上記のような行為が、信者等をいたずらに不安に陥れたり、畏怖させたりした上で、そのような心理状態につけ込んで行われ、社会一般的に信者等の自由な意思に基づくものとはいえないような態様で行われたものである場合や、信者等の社会的地位や資産状況等に照らして不当と認められる範囲を著しく逸脱するものである場合などには、そのような行為は、反社会的なものと評価され、公序良俗に反するものとして、違法なものになるといわざるを得ない。
そして、そのような行為の違法性の有無は、常に一つ一つの行為ごとに判断されるべきものとはいえず、信者に対する一連の行為を全体として見た場合に、社会的に相当と認められる範囲を逸脱するといえる場合には、その全体をもって違法な行為ということもできるというべきである。
イ 具体的検討
(ア) 本件の一連の経過や下ヨシ子及び寿蔵らが各儀式の際に述べた発言の個別具体的内容は前期認定のとおりであって、寿蔵らを含む関西別院の教師(僧侶)は、●●●●に対し、当初の相談時から、水子や先祖の未成仏霊が●●●●やその家族に取り憑いていること、それらの未成仏霊が●●●●の抱えている問題の原因であること、未成仏霊を清めることが●●●●のみならず子供らとの関係でも必要であること、他に害を及ぼすことなく未成仏霊を除くことができるのは六水院のみであることを告げて、●●●●において、六水院で浄霊を受けなければならない心境にさせて浄霊の予約をさせたものということができ、また、その後に、●●●●に憑いているという未成仏霊について、ことさら●●●●を畏怖させるに足りる態様で詳細に未成仏霊の内容を告げ、更には、●●●●は霊障が強く未成仏霊がなかなか清まらないこと等を説き、●●●●において未成仏霊による害悪を回避するために浄霊を受け続け、守護霊を入れさえすれば、状況が好転して未成仏霊による害を回避し得るものと信用させて、これらの儀式を受けることを決断させたものということができる。そして、関西別院の教師や金子は、守護霊を入れる儀式後も、なお、パワーアップと称して頻回に儀式が必要であると告げ、更には、守護神を入れる儀式、その後は守護神のパワーアップ、最終的には、支配神を入れる儀式を受けることが、様々な害悪を回避するためには必要であると、●●●●に信じ込ませて、儀式を受けさせたものといえる。加えて、●●●●自身のみならず、その親族に対しても同様に浄霊や守護霊を入れる儀式、その後は守護霊のパワーアップが必要であると●●●●に信じ込ませ、●●●●をして、これらの者、特に同居の親族については、継続的に儀式を受けさせ続けたのであり、これらの行為は、個々の教師らが●●●●に対して告げた話の内容に照らしても、●●●●をいたずらに不安に陥れたり、畏怖させたりするのに十分なものであるといえる。
そして、これらの行為により、●●●●が親族も含めて約6年もの長期間にわたり頻繁に関西別院及び熊本本院に通い、浄霊等を受け続けたこと、●●●●のみならず幼い●●や●●までも守護霊の儀式を受けていること、●●●●がこれらに費やした費用は、長期間にわたることを考慮しても、なお、当時の●●●●の経済状況等に照らせば、不相応であることに加えて、浄霊や守護霊を入れる儀式、パワーアップは関西別院の教師が行い、守護神、支配神を入れる儀式は下ヨシ子が行うことが六水院内で定められており、下ヨシ子が行う儀式の予約は関西別院を経由して取っていること、各儀式の料金は下ヨシ子又は六水院の教師会が決定していたこと、関西別院では●●●●及び同人が同行した母や子らの記録が作成され、同人らに関する情報が教師間で共有化されていたこと、熊本本院に所属する金子も平成16年8月23日に関西別院で●●●●に対し寿蔵らと同様の行為を行っていること及び●●●●が守護神の儀式を受ける際、金子が下ヨシ子に対して●●●●に関する情報を伝えていたことなどに照らすと、寿蔵らを含む関西別院の教師らの行為及び下ヨシ子の行為は、これを全体として評価すると、家族の健康等に対する不安や畏怖を継続的に抱えていた●●●●の心理状態につけ込んで、六水院ないしは遍照院に対して相当額の対価を支払って未成仏霊を清める各儀式を継続的に受けざるを得ないようにするために行われたものであって、●●●●の自由な意思に基づくものとはいえないような態様で行われたものであるといわざるを得ない。
したがって、これらの行為は、原則、一連のものとして、一体として違法であるといえる。」
写真は判決が出された名古屋地裁
[参考]→
・「浄霊が必要」現金払わせた宗教法人に賠償命令 (2012年4月13日22時10分 読売新聞)
名古屋市の女性(51)が、悩み事の相談に対し「解決には浄霊が必要」と不安をあおられ、不当に多額の現金を支払わされたとして、熊本市の宗教法人「肥後修験遍照へんしょう院」と下ヨシ子主宰者らを相手に、約950万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、名古屋地裁であった。
堀内照美裁判長は「不安を抱えた心理状態につけ込み、継続的に儀式を受けさせた」と述べ、慰謝料などを含め、同院側に計約610万円を支払うよう命じた。
判決によると、女性は2002年8月、体調不良や子供の病気といった悩み事の解決のため、テレビ番組で知った同院の別院(京都府宇治市)を訪問。女性は別院から「浄霊で魂を清めれば、災いから守られる」と言われ、08年11月までの約6年間で「浄霊」の儀式代などとして計約530万円を支払った。
裁判で同院側は、女性はトラブル解決のために自ら訪れていたとして、違法性はなかったと主張。しかし、判決は、同院側が儀式後も「霊に取りつかれている」などと繰り返し説明しており、「不安に陥れたり畏怖させたりする行為は違法と認められる」と判断した。
下主宰者は、多数のテレビ番組に霊媒師として出演していた。同院側の弁護士は「不当判決で、控訴して争う」とコメントした。
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