2012/03/19「衆議院議員会館内 元ベラルーシ・ゴメリ医科大学学長・現ウクライナ在住のバンダジェフスキー博士 来日講演」報告 #jishin #jisin #genpatsu #fukushima =最終更新版
バンダジェフスキー博士
衆議院第一議員会館 多目的ホール(記者会見にて)
本日2012年3月19日、衆議院第一議員会館の多目的ホールで、バンダジェフスキー博士の記者会見と講演(特別勉強会)が開かれました。⇒ちらし=PDF
博士の主張の骨子は、以下[参考]のWIKI等でも、その概要はわかりますが、ベラルーシ政府関係者に被爆の影響について提言したために(注 ベラルーシ政府は否定していますが、西側ではそう考えられています)、ベラルーシ政府に5年も投獄された過去を持つバンダジェフスキー博士の「生」の発言は非常に重いです。
博士は、情報隠しの結果が、日本でも、最悪の可能性を生む可能性について指摘されました。
ソ連体制ならともかく、文明国であり先進国の日本で、情報公開が十分になされていないこと自体が信じがたいとも、言われました。
放射性セシウムは、基準値以下でも、絶対に体の中に取り込むべきでない、ほとんどは排出されるが残るものがあり、これが放射線を出し続ける、そしてセシウムが崩壊した後も、その崩壊物自体も危険だと言われました。特に妊婦はそうであるとも。死亡だけでなく、軽度重度問わず健康被害を生む危険性も指摘されました。
該当地域のがれき処理の問題性・危険性も指摘されました。そもそもセシウムが残留している「がれき」を汚染していない地域にまで、運ぶ危険を言われました。
また「がれき」を広域処理をする以上、個々の人を見た場合には、流通・拡散に伴って、新たに被害に合う個人が出る可能性があるというリスクを指摘されました。この指摘は重要です。
そして一カ所に固めて処分する特別な処分場の必要性を指摘されました。しかしながら博士は、これらは個人の意見であり、決めるのはあたなたち日本人だと指摘されました。市民は何でも決めれるはずだと言われました。日本は、ソ連と違い文明国であり民主主義の国であることを、再度、強調されました。重い提言です。
また該当地域に居住する危険性も指摘されました。一時疎開は、「悪くはないが問題の解決になりません」と指摘されました。
博士は、1986年4月26日(モスクワ時間)におきたチェルノブイリ事故から、約15年を経た1990年ころから、ベラルーシ、ロシア、ウクライナの該当地区において、死亡率、心臓疾患、甲状腺癌等の増加が顕著だということも指摘されました。放射能は目に見えないだけに、この発言は非常に恐ろしい結果です。
博士は、国が機能すれば、国は、もっとも重要なドクターであると指摘されました。国は、市民の健康に対する測定体制を整えるべきだと言われました。測定体制としては、血液検査なども必要だと指摘されました。放射線の影響は、すべての内臓に影響を与えると言われました。
既に被爆を受けた地域では、さらなる内部被曝を避けるべきで、食料体制も整備されるべきだと指摘されました。
博士の本が、既に翻訳されています。
但し日本語53頁、後は英語が108頁までという本です。
放射能汚染の問題につき、日本語対訳なので英語を勉強するにはいい本ですが、論文を読むだけでは不十分な感があるので、今回の来日講演は貴重でした。
今回の講演は、時間も限られており、具体的な提言とは言えない箇所もたくさんありましたが、繰り返し、博士が、最後は「皆さんが決めることだ」と強調されたこと、つまり、今回の原発事故に対しては、まさに我々日本人が、何を決断しないといけないのか?という、重い課題と突きつけられた講演でした。
[参考]
・ユーリ・バンダジェフスキー=WIKI
・【内部被ばく問題】セシウムの毒性について - ■子どもを放射能から守る会おきなわ■ - Yahoo!ブログ
・バンダジェフスキー博士の主張を裏付ける主張⇒原発事故 健康影響に長期間注意を NHKニュース.3月19日 22時49分
26年前に事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所の関係者が、19日、国会の原発事故調査委員会に出席し、原発事故のあとに生まれた子どもの中には、健康に異常が見られるケースも出ているとして、国は、放射性物質の健康への影響に、長期にわたって注意を払う必要があると訴えました。
国会の原発事故調査委員会には、ウクライナ非常事態省のホローシャ・チェルノブイリ立入禁止区域管理庁長官ら3人が参考人として招かれました。
この中でホローシャ氏らは「チェルノブイリ原発事故の発生当時、子どもだった人が親になり、生まれた子どもの中には、健康に異常が見られるケースもある。国は、真剣に向き合う必要がある」と述べ、国は、放射性物質の健康への影響に、長期にわたって注意を払う必要があると訴えました。
また、ホローシャ氏らは「ウクライナでは、子どもたちや住民を社会心理学的な面からサポートするセンターを設置している。また、放射能汚染からどう身を守るかなどについて、子どもたちへの教育に力を入れている」と述べました。
原発事故調査委員会の黒川委員長は、記者会見で「チェルノブイリの事故では、子どもの被ばくが多く見つかり、甲状腺の病気が多く出た。甲状腺以外にも、人間のすべての臓器に影響があるのではないかということも指摘があった。事故が住民の健康や環境に与えた被害が26年たった今も続いていることを改めて認識したので、被ばくの健康管理は、留意していかないといけない」と述べました。
国会の原発事故調査委員会では、来月、ウクライナなどを視察し、チェルノブイリ原発事故の影響などをより詳しく調査することにしています。
・政府・メディアによる一体となっての情報隠しの問題性を明らかにした好著として、しかも通常は体制側と思われるNHK取材班がNHK内部の抵抗に会いながらも明らかにしたという点でも貴重で信用性の高い著作物として、↓
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私が住んでいる自治体でも、瓦礫受け入れに関する意見書が提出され可決されました。
市議会議員数人に、「瓦礫受け入れについて考え直してほしい」と沢山の資料を渡してお願いしましたが、少数の意見は反映されることなく賛成多数での可決でした。
傍聴しながら本当に無念でした。
市議会議員さんのほとんどが放射能についてあまりにも勉強不足で、「政府が大丈夫というのだから大丈夫」という認識なのです。
先日読んだサイトは衝撃でした。
「ウクライナとベラルーシの人口変動について」です。
http://www.inaco.co.jp/isaac/shiryo/genpatsu/ukraine1.html
ウクライナでは20年間で人口の約1割が減少。
『オーストリアの気象地球力学中央研究所(ZAMG)は、東京電力の福島第一原子力発電所で発生した事故により、大気中に放出された放射性物質の量が、旧ソ連・チェルノブイリ原発の事故(1986年)をすでに超えているとの見方を示している。
【※ZAMGは、国連の包括的核実験禁止条約(CTBT)の順守の有無について監視する機関】
国連から委任を受け、米国や日本、ロシアなど世界各国で観測網を駆使し、放射性物質の流出量や移動経路を分析している。チェルノブイリ原発の事故が発生してから10日間に放出されたセシウム137の量は福島原子力発電はチェルノブイリ原発事故での放出量をはるかに上回ることがわかった。 』
福一の事故は、チェルノブイリを超えています。そのうえ瓦礫拡散です。
先日、長女が小学校を卒業したのですが、その卒業生が50人。
単純計算で、20年後32歳になったころ、そのうちの5名が亡くなっているかもしれないのです。
子ども達の未来が本当に心配で…、悲しくて涙が出てきます。
投稿: 哀しみにくれる母。 | 2012.04.06 23:16