安愚楽被害:遅すぎた消費者庁の処分 #agura
消費者庁が、安愚楽牧場に対する行政処分を下しました。
しかしいかんせん、来週、安愚楽牧場に破産決定が出される時期のまさに直前で、すでに安愚楽牧場が、本年8月1日に破綻してしまった後、しかも3か月もたってからの処分です。あまりにも遅すぎです。
しかし今回の消費者庁の発表=PDFによると、
「遅くとも平成19年3月頃以降、各事業年度末において、安愚楽牧場が飼養する繁殖牛の全頭数は、オーナーの持分及び共有持分を合計した数値に比して過少であった(比率:55.9パーセント~69.5パーセント。別紙4参照)」、つまりオーナー牛が足りなかったというのですから、詐欺の疑いが濃厚になったというべきです。
別紙4↓
---------------------------------------------------------------------------------------------
また下の表を見ると、この間の被害が約2750億円(今年8月の破たん時は約4300億円ですから、平成19年3月時点の被害は約1550億円と推計でき、これでも多いのですが、その時点では、豊田商事を超える戦後最大の消費者被害ではなかった。)!
もはや農水省、消費者庁、国の失策は明らかです。
[参考]
・消費者庁 平成23年11月30日 株式会社安愚楽牧場に対する景品表示法に基づく措置命令について[PDF:613KB]
・安愚楽牧場に措置命令=景表法違反で消費者庁―「遅過ぎる」と批判も -
安愚楽牧場に措置命令=景表法違反で消費者庁―「遅過ぎる」と批判も 2011年11月30日22時6分
「和牛オーナー制度」を運営していた安愚楽牧場(栃木県那須町)が、雑誌広告などで実態と著しく異なる表示をしていたとして、消費者庁は30日、景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を出した。
同社は既に破産手続きに移行する見通しとなっており、被害対策弁護団長の紀藤正樹弁護士は「あまりにも遅過ぎて遺憾。結果として、被害が拡大した」と話している。
消費者庁によると、同社は遅くとも2007年3月以降、雑誌などで繁殖牛のオーナーを募集したが、実際に飼育していた牛は55.9~69.5%にすぎなかった。
[時事通信社]
« 速報2! ライブドア事件民事訴訟控訴審判決ほぼ全面勝訴判決が出ました。 | トップページ | 安愚楽被害:本日午後5時、安愚楽牧場の破産決定が出ました。#agura »
「2011-08 安愚楽牧場被害事件」カテゴリの記事
- ストリーム株・相場操縦事件で、安愚楽牧場の元常務執行役員「佐戸康高」が逮捕!(2017.10.24)
- 安愚楽牧場の被害者を狙う詐欺に注意!>ついに詐欺未遂容疑の男8人逮捕!/埼玉県警上尾署(2015.02.19)
- あの朝堂院大覚こと松浦良右が逮捕!(2014.11.01)
- 本日ハロウィンの日=2014年10月31日、あらためて検察審査会で「不起訴不当」の議決が出ました=これは速報です>全国安愚楽牧場被害対策弁護団の公式ホームページを更新!(2014.10.31)
- 控訴審でも実刑!=全国安愚楽牧場被害対策弁護団の公式ホームページを更新しました(2014.10.16)
コメント
« 速報2! ライブドア事件民事訴訟控訴審判決ほぼ全面勝訴判決が出ました。 | トップページ | 安愚楽被害:本日午後5時、安愚楽牧場の破産決定が出ました。#agura »
紀藤先生が上に書かれている通り、「余りにも遅すぎる処分です。」もう怠慢としか言いようがありません!
少なくとも今年の3月に処分発表しておれば1200億円程度は被害者を生まなくて済んだと思います。
それとも、本気で再建出来ると思っていたのでしょうか?、なら、消費者庁も背任行為として処罰されなくてはなりませんよね、
でもでも・・・今となっては、残資産が20億程度、4300億の負債に対して余りにも少な過ぎます。本件が、詐欺行為として経営陣に処罰が下っても、オーナーには殆ど戻ってこない現実を前に、400万円もの老後資金を預けた自分としては、自己破産するしか道が無いように思えます。人生最大の大馬鹿をやっちまいました。(涙)
投稿: 杉ちゃん | 2011.12.01 18:02
2007年3月以前はどうだったのでしょう。次々と事実が明らかになりますが、予想どうり牛の管理もいい加減だったんですね、実際の牛が少なくなろうが関係なく、このことがもっと以前に大きく取り上げられていれば、、、。
投稿: 架空の牛 | 2011.12.01 20:28
とにかく驚きました。自分は平成19年の3月であぐらをやめるはずでした。ところが、以前から投資していたオーナーには、100万円投資して毎年5万5千円の利益、さらに8年満期ですが、3年で解約しても違約金はかからないというお手紙がきました。その時、銀行のロビーで、あるマネー雑誌を手にして、あぐらの広告が堂々と掲載されているのを見て、つい安心し、信じてしまいました。これはまさにその時じゃないですか。私の契約日は平成19年4月ですよ。この時すでに、オーナーの所有頭数と実際の雌牛の数が何万頭も合っていないなんてわかっていたら、絶対契約しなかったのに。こんな被害者を二度と出さないためにも、消費者庁もこの事件を今後に生かすべきだと思います。あぐらのホームページに社長のコメントが掲載されていましたが、呆れて言葉になりません。あぐらの牛だけ価値が高いから、1頭で2頭分だとでも言いたいのでしょうか。雄牛や仔牛も頭数に入れていたのなら、初めから詐欺ですよね。先生方、徹底的に調査をお願いいたします。
投稿: fairy.peace | 2011.12.04 18:11
3ヶ月が経ちましたが、段々と失くした、5千万は重く 重く感じられ、うつ気味で、
家族に迷惑をかけています。 今までの人生、ずっと、ずっと 節約して、豊かな教育資金と老後資金を、夢見ていました。 ショックで、判断力も停止。 パート勤務をやめてしまいました。 立ち直りたいけれども、 騙された罪悪感と、もうとてもこの金額は無理。。。。
事態は、 少しずつ変わっていってますが、 債権者には、何ももどらないのが、現実でしょう。 心をどのようにコントロールすれば良いのか? もどかしいです。
愚痴ですみません。
投稿: どうすれば? | 2011.12.04 21:22
※以下、警視庁のHPより抜粋。
【困りごとなどで警察に相談したい時は、警視庁総合相談センター「#9110」又は「03-3501-0110」(平日のみ受付/8:30~17:15)に、ダイヤルしてください。
警視庁総合相談センターでは、ヤミ金融や悪質商法に関する相談、男女間暴力、つきまといに関する相談など、様々な相談を受け付けており、皆さんの相談内容に応じた専門の係員が対応しますので、お気軽にご相談ください。 注)「#9110」は、プッシュ回線、PHS、携帯電話からかけられます。】
※以下、あるブログコメントより抜粋
【だいぶ前ですが、ある弁護団の弁護士さんに聞いた事です。
警察は、なるべく被害届は受け取りたくないので、一度で受け取ってくれることは少ない。受け取ってもらえなかったら、どんな書類(資料)が不足しているか聞き、次回はそれを揃えて行く。
また受け取ってもらえなかったら、他に何が不足しているか聞き、次回はそれを揃えて行く。
…と、何回も足を運ぶ。 だそうです。
一度行って「ダメだった」でおしまい、では無く、何度も足を運んで、ようやく受け取ってもらえる世界らしいです。
ボイスレコーダー持参で、警察とのやり取りを録音し、持って行った資料をファイルし、日報のように整理しとくといいかも。】
私たちは困っているんですから相談センターに相談してみましょう。
弁護団へ加入していてもいなくても、出来ることから行動してみましょう。
投稿: 勝つ | 2011.12.06 11:20
あぐら牧場に行政処分がくだされたというなら国の責任もあり、国にも損害の賠償責任が生じるのでしょうか。その場合弁護団に加わっていなければ訴訟に参加できず配当金が少ないということになりますか。または破産管財人が全てやってくれて全てのオーナーが同一の条件で配当を受け取れるのでしょうか。
投稿: komatta | 2011.12.06 22:21
先生、以前どこかの書き込みで、古いオーナーの方が、安愚楽のパーティーに参加した時に、中曽根総理も主席してて、牧場には、政府認定牧場と書かれてたそうです。これが事実なら大問題です。調べて下さい。
投稿: あんじゅ | 2011.12.07 15:55
政府は表面に浮上してる事にはうるさいほど取り締まっているのに(おれおれ詐欺など)
あぐらのように巧みに行われている詐欺に近い行為になぜ目を向けてくれなかったのでしょう!
責任は大きいです!
せめて、和牛商法で倒産したところが(どこだか忘れましたが)出た時点でメスは入れてほしかった!
投稿: パボ | 2011.12.09 09:58
本当に自分があほであったとつくづく感じます。霊感商法にでもあった気分です。欲というのは本当に恐ろしいものです。しかしできる限り取り戻したいです。くやしい。私は年金の少ない母親に勧めてしまいました。持病もあるので病院に入院もしないといけないかもしれません。(癌)しかし、入院の費用もままならなくなって、もう病院にはいかない!といら立っています。ひょっとしてこのまま再発したら・・・と考えると恐ろしく苦しいです。私もがんばりますが、先生も頑張ってください。お願いします。
投稿: みなよつじこ | 2012.07.11 21:50
詐欺であるにしよ、会社はあったのだし、結局は風評被害で倒産してしまったわけだから、津波の事を良く考えずに設置基準を可にした国に責任はあると思う。会社の損害の補償を東電と国にしてほしい。それがたまたま牛というお金を増やせるものであったけど、その牛が原発の汚染で売れなくなったわけだから、やはりその後の利潤を見込んだ額の倒産物件として東電と国に会社全体の倒産額を考えて保障してもらいたい。
投稿: みなよつじこ | 2012.07.11 22:00