戦後最大の消費者被害となっている安愚楽被害については、過去の時系列で整理すると、いくつか消費者庁において、安愚楽牧場を、規制・監視できるタイミングがありました。
1 2009年9月1日 消費者庁発足の時期
安愚楽牧場を所管する預託法は、この時、農水省から移管されましたが、消費者庁は、自らを「消費者行政の司令塔・エンジン役」(消費者庁のパンフレット=pdfファイル)と謳ってるにもかかわらず、産業育成省庁である農水省からの引き継ぎに関し、何ら、その運用等について、消費者目線での見直しをせず、漫然と放置し続けた。
2 2010年4月20日~ 口蹄疫の発生が確認された時期
既に報じられているように、口蹄疫発生において、安愚楽牧場のずさんな肥育実態が、口蹄疫拡大の一要因であるかと疑われている事態(これは当時から顕著な事実)が発生し、宮崎県内の安愚楽牧場の全牛約1万5000頭(契約書上は、消費者の所有となっているはずの牛)が殺傷処分され、消費者の預託した和牛の健康状態、財産状態について、重大な疑義が出ていたにもかかわらず、消費者庁は、消費者の立場にたって、安愚楽に対する預託法に基づく立入検査等の調査を怠り、被害拡大の契機を生んだ。
実際、昨年、資金繰りに窮し経営に行き詰った安愚楽牧場側は、過去最高水準の年利8パーセントの商品を提供するなどして消費者を騙し続け、かえって預託資金を消費者から大量に集め、その結果、今年3月末の22年度の売上高が「1000億円を超して過去最高の売上を示すなど(ちなみに21年度売上は約784億円、20年度売上は約713億円)、安愚楽牧場の被害の拡大を許してしまった。
3 2010年4月1日 致命的な消費者庁への直接相談の廃止
しかもこの口蹄疫確認の直前の時期、産業育成省庁ですら窓口を置いている消費者から省庁に対する直接相談
(たとえば
・農水省⇒http://www.maff.go.jp/j/heya/sodan/index.html
・総務省⇒http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/madoguchi/tushin_madoguchi.html等)
を廃止、すなわち消費者から消費者庁に対しての直接相談を廃止して、消費者の生の声から、口蹄疫問題が消費者目線において、預託法で規制されている「勧誘違法の問題」となりうるという視点(当然に不当表示にもなり得る。)を持ちえないまま、現在まで至ってしまった(参照⇒2011.09.24 安愚楽被害:安愚楽被害を生んだ「消費者庁」の責任 #agura 2011/09/25加筆あり)
4 2010年3月31日 さらに致命的な国民生活センターへの直接相談の廃止⇒「国民生活センターの消費生活相談の専用番号(03-3446-0999)は、平成23年3月31日をもって終了いたしました。」
これにより消費者庁へは、地方自治体の消費者センターを通じてしか、直接、消費者からの相談が受けられない体制となり、さらに消費者庁は、消費者目線を失ってしまった。
5 2011年4月30日ころ、ユッケ死亡事件が発生した時期
2011年4月末にユッケ問題が発生しても、口蹄疫事件同様、消費者庁は、消費者目線からの安愚楽牧場への調査を怠り、その結果、消費者庁は安愚楽牧場の資金繰りの問題にきずかず、実際には、4月末満期のオーナーに対する遅延が始まっていることすら気づかず、漫然と、8月1日まで破綻を放置した。
6 2011年7月21日ころ セシウム牛問題が発覚した時期
既に破綻直前のこの時期ですら(安愚楽からの6月末の支払いが止まっている時期。)、消費者庁は、安愚楽問題にきずかず、漫然と、8月1日まで破綻を放置した。
7 国民生活センターとの統合問題にばかりにかまける消費者庁
さらにこの時期、消費者庁は、2010年12月から、「国民生活センターの在り方の見直しに係るタスクフォース」を作って、今年8月まで、その努力の中心を、国民生活センターの廃止と消費者庁への統合問題という、組織論ばかりに終始してきており、具体的な消費者被害への対策を十分にしてこなかった。
以上、まだまだ言いたいことは山ほどありますが、結局、事実として、消費者庁は、2009年9月以来、所管する「安愚楽牧場」の問題について、何もしてこなかったという事実は消えません。
今回、ようやくということで、不当表示ということで調査に乗り出したこと自体は評価しますが→2011.10.05 安愚楽破綻から2か月を経て、ようやく消費者庁が動き始めました #agura
今だに、預託法での調査には入っていません。表示対策課という1課体制だけで、預託法を所管している取引対策課を入れず、全庁的な体制すら講じていません。
その点は全く評価できません。
安愚楽牧場の被害は戦後最大の消費者被害です。
消費者庁が、この問題にきちんと対処しないで、何の消費者庁でしょう。
消費者庁が、その成立過程及び成立の趣旨に照らした組織に戻ることを切に期待しています。
消費者庁及び消費者委員会設置法は、その「任務」として、第3条に、「消費者庁は、消費者基本法(昭和四十三年法律第七十八号)第二条の消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けて、消費者の利益の擁護及び増進、商品及び役務の消費者による自主的かつ合理的な選択の確保並びに消費生活に密接に関連する物資の品質に関する表示に関する事務を行うことを任務とする。」と明確に規定しています。
平成22年3月30日付で閣議決定された消費者基本計画にも、はっきりと「消費者庁は、・・・消費者行政の司令塔・エンジン役としての役割を果たします」と明記されています(同計画2頁 ) 。
原点を忘れないようにしていただきたいと心から願います。
>安愚楽の被害者の皆様へ
言いたいことがあれば、直接、どしどし消費者庁へ言いましょう。
それが消費者行政を良くし、また安愚楽牧場において、何が起きたのか?という実態の解明を進めることになると思います。
同じことは、警察や地方自治体に対しても言えると思います。
消費者被害と感じたら、どんな些細なことでも、各地の消費生活センター、国民生活センター、消費者庁、警察へというのが、安愚楽問題に限らず、口を酸っぱくして、僕が、長年、消費者に言って来たことです。
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