宮崎口蹄疫被害は誰の責任か?
口蹄疫被害が終息して、少しずつ調査報道が出てきました。今後の報道を大きく期待します。
この問題は、大きな政治問題です。
そして同時に、食肉の問題として、大きな消費者問題でもあります。
宮崎県が、現時点で、消費者問題での後進県であることに、注意を要すると思います。
国が、自民党政権の時代から、産業育成一辺倒から、消費者・市民重視の姿勢を打ち出してきた、この数年の間に、知事は何をしてきたのか?という知事の資質も気になります。
とにかくなぜ口蹄疫が発生したのか?発生のメカニズムが情報公開されない限り、将来の被害を防ぐための処方箋とならないと思います。このままでは第2の宮崎が出てくると思いますし、発生経路が公開されないこと自体が、事件隠し、責任隠しにつながります。
宮崎県、農林水産省、厚生労働省、消費者庁は、早期に、発生原因を調査して、公表すべきです。
[参考]
・大規模農場で症状見過ごし 口蹄疫、感染調査の鍵 - 47NEWS(よんななニュース-)共同通信2010/07/19 02:02
大規模農場で症状見過ごし 口蹄疫、感染調査の鍵
通報6日前に牛によだれがあった宮崎県川南町の大規模農場=18日午後
宮崎県の口蹄疫問題で、4月下旬に疑い例が確認された川南町の大規模農場で、獣医師が県の家畜保健衛生所に異常を通報した6日前から、牛数頭によだれの症状が出ていたことが18日、経営会社への取材で分かった。当時は、国内10年ぶりとなる都農町の1例目の公表前。別の関係者によると、国が実施した抗体検査の結果から、大規模農場の感染時期は遅くとも4月上旬とみられる。
口蹄疫問題では数十軒の農場で症状が見過ごされた可能性が指摘されているが、農林水産省の疫学調査チームは牛700頭以上を飼育する大規模農場の状況が、感染拡大ルート究明の鍵の一つとみて調査を進めている。
大規模農場では都農町の1例目公表後、牛の舌にただれなどの異常も発見したが経過観察とし、すぐ届けていなかった。
経営会社側は「よだれはやや多い程度で風邪を疑った。1例目の公表前に口蹄疫を予見するのは著しく困難で、舌のただれなどがある牛が増えた時点で届けた」とする。
同社の弁護士によると、大規模農場では4月18日、よだれの症状がある牛数頭を把握。獣医師が風邪を疑い、ほかの牛も含め抗生物質を投与した。県が都農町での1例目を公表したのは同20日。翌21日には、大規模農場のすぐ近くにある農場2カ所でも疑い例が出た。
・口蹄疫疑いの牛、宮崎県が通報・検査せずに殺処分 : 週間ニュース : 九州発 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)-2010年7月15日付
口蹄疫疑いの牛、宮崎県が通報・検査せずに殺処分
特集 口蹄疫
宮崎県の口蹄疫(こうていえき)問題で、県の家畜保健衛生所の職員らが先月、同県新富町の農家で口蹄疫が疑われる症状の牛1頭を発見しながら、検査や国への通報をしないまま殺処分していたことが14日、わかった。
県は「口蹄疫ではないと判断した」としているが、農林水産省が殺処分に関与した獣医師らから事情を聞いたところ、「明らかに口蹄疫の症状で、検査を求めたが県側に拒否された」と証言。家畜伝染病予防法は疑似患畜を発見した場合、国への通報を義務づけており、同省は同法違反の疑いもあるとみて近く、県に事情を聞く方針。
口蹄疫のような症状が出ていた牛が見つかったのは先月25日。この時点で同町では同12日を最後に感染が確認されておらず、県全体でも同19日以降発生がなかったため、県は7月1日に「非常事態宣言」を一部解除した。農水省では「解除を遅らせたくないための“感染隠し”と受け止められかねない。検査すべきだった」としている。
農水省によるとこの牛が見つかった場所は、感染が集中した移動制限区域内にある同町内で、約500頭を飼育する畜産農家。5月24日にワクチン接種を終えていた。6月25日には県家畜保健衛生所の家畜防疫員と獣医師ら計約40人が殺処分を進めていたところ、1頭に口蹄疫のような症状が見つかった。この症状を確認した獣医師らはその場で、「口蹄疫の典型的な症状」として、口内の写真撮影と血液の採取を求めたが、現場責任者で獣医師の資格を持つ県の家畜防疫員が「必要ない」として、その日のうちに殺処分と埋却を終えたという。
読売新聞の取材に対し、県畜産課の児玉州男(くにお)課長は、現場で異議が出たことは認めたが、「軽微な症状だったので、口蹄疫ではないと判断した。殺処分と埋却の権限は県の防疫員にあり、対応に問題はない」としている。
しかし、農水省が現場に居合わせた獣医師ら3人に聞き取り調査を行ったところ、「牛の舌には水疱(すいほう)ができ、鼻や歯茎などにただれと潰瘍(かいよう)が複数あった」「典型的な口蹄疫の症状で、獣医師らで家畜防疫員に検査するよう何度も迫ったが、聞き入れられなかった」などと話したという。
(2010年7月15日 読売新聞)
最近のコメント