この事件、現在、マスコミでは、刑事事件ばかりがクローズアップされていますが、今回の遭難事故は明らかな消費者被害です。民事的にも旅行業者であるアミューズトラベルに対し損害賠償が可能な事案というべきです。
ところが、このような重大事故が発生しているにもかかわらず、旅行業法を所管している国土交通省は何をしているのでしょう。
旅行業法は、もともと消費者庁に全面移管する予定の法律でしたが、国土交通省が難色を示し、結果的に、国土交通省と消費者庁の共管とされました。
この結果、消費者庁は、国土交通省への勧告権を持つものの、かえって内閣総理大臣の調整が必要とされるなど、処理の迅速さ、責任の所在の観点から、かえって行政事務が複雑化しています。
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<業法関係> ←http://www.kantei.go.jp/jp/singi/shouhisha/3houan/090529/3point.pdfより抜粋
貸金業法、割賦販売法、宅地建物取引業法、旅行業法
(改正のポイント)
消費者の利益の擁護及び増進を主たる目的とする上記の業法について、その目的の実現を図るとともに、二重行政を避ける観点から、内閣総理大臣が、業所管大臣の行う事業者に対する業務改善命令等の処分について、
あらかじめ協議を受け、また、必要な意見を述べる仕組みを設けるため、これらの法律を改正して内閣総理大臣の権限を規定。
国土交通省は、消費者庁への移管に反対したというのですから、今回の重大事故を踏まえて、警察とは別に、自ら率先して事実の解明と行政処分の適用などを検討すべきでしょう。
ところが現状、そのようは報道がありません。
それどころか事故の一報があったのは2009年7月16日なのに、国土交通省のホームページのトップページにも何ら所管官庁としてのコメントすら掲載されていません(現時点)。
いったい国土交通省は何をしているのでしょうか?
つまり今回の事件を見ても、消費者の立場から見て、産業育成省庁である国土交通省に期待することは何もなく、早急に、再度の法改正を行い、旅行業法は消費者庁に全面移管だろうと思います。
ちなみに移管に反対したのは、冬柴 鐵三(ふゆしばてつぞう)大臣-公明党ということですが、その判断は、官僚を信頼しすぎた判断で、もはや間違いであったというべきです。
現在の金子一義大臣-自民党も、官僚統制の観点から見ても、なぜ傍観しているのでしょう。
そのうえ国土交通大臣は、観光立国担当大臣でもあるのですから、まさに観光を育成するためにも、消費者が重要であり、北海道は日本の重要な観光資源です。消費者目線からも、早急に手を打たないのは、もう大臣としても失格というほかありません。
最近のニュースで、こんなニュースもあります。
⇒イタリアの日本人観光客激減 「サービス悪い」指摘も 朝日新聞2009年7月18日
消費者を無視すれば、観光者激減という事態も起こりうるのことに、十分留意すべきです。
観光立国担当大臣も、本来なら消費者庁担当大臣が兼務だろうと思います。
[参考]
□北海道・大雪山系遭難:日程・防寒呼びかけ・ガイドの行動、会社の責任どう判断 - 毎日jp(毎日新聞)
北海道・大雪山系遭難:日程・防寒呼びかけ・ガイドの行動、会社の責任どう判断
大雪山系トムラウシ山の遭難事故で、道警は18日、業務上過失致死容疑で登山ツアー会社の家宅捜索に踏み切った。夏山で起きた異例の惨事。その責任はどこまで会社にあるのか。今後の捜査には、三つのポイントが浮上している。【水戸健一、田中裕之】
■強行軍?
今回のツアーは客15人とガイド3人の18人。ガイド1人を除き全員が名古屋市や広島市など本州在住だった。
日程表によると、13日昼、各自が新千歳空港に集まり、同日夕に大雪山系の旭岳温泉へ。翌14日朝に旭岳から入山し、同山系を渡り歩き、16日にトムラウシ山頂を経由して下山。17日午後に新千歳空港から帰る予定。
予備日はないが、ツアーを企画したアミューズトラベルの松下政市社長は「日程に縛られて、安全面をおろそかにすることはない」と強調する。
ただ、北海道山岳ガイド協会幹部は「本州のツアー客を案内する場合、日程が詰まっており、帰りの航空便の時間にプレッシャーを感じる」という。
また、3人のガイドのうち2人は今回のコースを未経験だった。
■軽装
8人の死因はいずれも凍死。大雪山周辺の16日の気温は8~10度で、雨が降り、風速は台風並みの20~25メートルとみられている。当時の体感気温は氷点下との見方もある。
救助に当たった関係者からは「一部の登山客は軽装だった」との証言もあるが、同社はインナーウエアや防寒着の準備を呼びかけるパンフレットを客に渡し、持参しているかチェックするという。松下社長は「(軽装の人がいたなら)確認を忘れたのだろう」と話す。
■ちりぢり
18人が16日朝、避難小屋を出た時の状況について、自力で下山した男性は「雨と風が体に当たり、歩けないほどだった」と証言。さらに山頂付近で女性客が寒さのため動けなくなって以降、パーティーはちりぢりに分裂していった。ガイドの1人は山の中腹に単独でいるところを救出されるなど、ガイドの行動にははっきりしない点もある。松下社長は「先に山を下りて救助を求めてから、再び山に入って助けようとしたのでは」と釈明する。
道内では、過去にも後志管内倶知安町の羊蹄山(1898メートル)やトムラウシ山で起きた登山ツアーの遭難死事故で、ガイドがはぐれた客を置き去りにしたり、風雨の中で登山を強行して客を凍死させたとして、業務上過失致死罪に問われ、有罪となっている。
◇遺留品運び込み、遺族が確認作業
トムラウシ山での登山ツアー中に死亡した浜松市の市川ひさ子さん(59)ら8人の遺体安置所となった十勝管内新得町の町民体育館では18日、8人のリュックサックなどの遺留品が運び込まれ、遺族が確認作業を行った。
ツアーを主催したアミューズトラベルの松下政市社長や社員も体育館にこもり、遺族への対応に追われた。体育館の窓は白いカーテンで閉ざされたままで、ひっそりと静まり返っていた。
午後9時過ぎには、旭川医大で司法解剖した8人の遺体が戻った。道警の捜査員らが静かにひつぎを抱え、遺族が待つ体育館内に運び込んだ。【金子淳】
◇宿泊キャンセル相次ぐ
大雪山系の遭難事故の影響で、登山拠点のホテル・旅館で、宿泊予約のキャンセルが相次いでいる。
トムラウシ山登山口に近い「国民宿舎 東大雪荘」(十勝管内新得町)では、事故発生翌日の17日から、予約キャンセルの電話が続いている。担当者によると、18~20日の3連休だけで、中高年層の登山客や旅行会社のツアー参加者ら約70~80人がキャンセル。8月の予約客約20人も予約を取り消した。
「悪天候や自分たちの力量が心配」「事故で現地が混乱して静かな山旅ができない」などが理由という。担当者は「事故があっただけにマイナスイメージはある。今はただ、亡くなられた方のご冥福をお祈りしたい」と話す。
大雪山系旭岳の登山口近くの「グランドホテル大雪」(上川管内東川町)でも、宿泊予定の4、5人がキャンセル。旭岳からトムラウシ山への縦走コースをやめたり、宿泊日程を変える客もいるほか、十数社の旅行会社から「登山道は閉鎖されるのか」といった問い合わせがあった。
新得町観光協会によると、大雪山系には年間約9万人が入山し、大半は、高山植物が見られる7~9月に訪れるという。【吉井理記】

WEB TOKACHI-十勝毎日新聞【緊急企画 夏山遭難】トムラウシ山の惨事(上)2009年07月18日 15時11分 よりから
外[参考]として、以下のまとめサイトとして参考になる。
・北海道大雪山系 トムラウシ山 大量遭難を考える。 « Sub Eight
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