石井こうき(石井紘基)事件と元厚生次官ら連続殺傷事件の経過があまりに似過ぎていないか?
元厚生事務次官ら連続殺傷事件の一報が報道されたとき、マスコミは、前例のない事件と報道していたが、僕は、事件がテロ的な事件であること、犯人は出会い頭に躊躇なく被害者を殺傷していることから、石井こうき代議士殺害事件との近似性を感じざるを得なかった。
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石井こうき代議士殺害事件の時も、政治家は、口々に「テロは民主主義の敵」と口々に叫びながら、国会で、真相を追求したり、同種事件を今後予防するための原因究明のための特別委員会すら作らなかった。
そして再び同種事件がおきてしまった。
これで石井こうき事件と同様、犯人がすぐに出頭してしまうと、捜査はそれまでの波状的捜査から、逮捕から23日で起訴する義務が生ずる捜査となるため、事実上、被疑者有罪のための捜査となり、事件の背景や共犯関係、真相への捜査はおざなりになる。その結果は、事件はやぶの中、それは石井こうき事件の2の舞となると危惧していた。
そして今、やはり予想は的中し、犯人は自ら出頭した。
今回出頭した犯人と石井こうき事件の犯人像とは重なる。
犯行はきわめて計画的、ためらいもない。そして
1 警視庁本庁に自ら出頭。
2 土曜日に出頭(警察の非番日なので、事実上23日中、土日の2日が稼げる。)。
現在、動機を、僕の事務所の所轄警察署でもある麹町警察が、鋭意、捜査中のようだが、
これで
3 義憤(しかし意味不明の)が動機のように装う。
4 単独犯であることを強調。
されれば、事件の真相が藪の中になってしまう可能性がある。
事件はプロの暗殺犯のように計画的でためらいもないにもかかわらず、意味不明の動機と単独犯の強調は、事件当事者にとっては、感覚的に相容れない。違和感だけが残ってしまう。
忘れもしない石井こうきさんが2002年10月25日に殺されてから、ちょうど今年が7回忌の年にあたる。しかし刑事裁判を経ても、今だ真相は藪の中である。
与野党問わずすべての政治家、そして警察に対しては、今回の事件と石井こうき事件、この種の事件を二度と引き起こさないためにも、とにかく背景事情も含め、全容の解明を期待したいと思うし、マスコミも、その場限りの報道ではなく、23日間の限られた中での捜査に陥りがちな警察の捜査に対し、そして口だけで「テロ」反対と説く政治家に対して、その問題点を追求した報道に全力をつとめてもらいたい。
事件は本当に人事ではない!
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参考:
元次官宅襲撃:「殺した」男出頭…銃刀法違反容疑で逮捕へ 毎日新聞2008年11月23日
22日午後9時37分ごろ、東京都千代田区霞が関2の警視庁本部庁舎玄関に、中年の男が軽乗用車で乗り付け、警戒中だった機動隊員に「元事務次官を殺した」と話した。車内に血痕があり、バッグの中にナイフ数本を持っていた。警視庁麹町署は銃刀法違反の疑いで逮捕する方針。元厚生事務次官宅連続襲撃事件と関連があるか慎重に事情を聴いている。
関係者によると、男は「小泉毅、46歳」と名乗っているという。警視庁本庁舎に出頭したとき、軽乗用車内にはナイフのほかスニーカーなどがあった。車は川越ナンバーのレンタカーだった。住民票も持っていたという。
事件は今月18日に発覚した。同日午前10時15分ごろ、さいたま市南区の元厚生事務次官、山口剛彦さん(66)方で、山口さんと妻美知子さん(61)が胸などを刺されて死亡しているのを親せきが見つけた。約8時間後には、東京都中野区の元事務次官、吉原健二さん(76)宅で、妻靖子さん(72)が宅配業者を装った男に刃物で刺されて重傷を負った。
靖子さんは自分を刺した男を「30~40歳」と証言。その後の調べで、山口さん方の玄関に印鑑が落ちていたことが分かり、さいたま事件でも犯人が宅配業者を装っていた可能性が浮上した。いずれの事件も夕方の時間帯に起きたとみられるほか、凶器に刃物が使われるなど、手口に共通点が多いことから、警視庁と埼玉県警は共同で捜査を進めていた。
山口さんと吉原さんは、旧厚生省時代にともに年金局長を務めるなど、経歴に共通点が多く、現在の年金制度の骨格を作った85年の制度改正にも携わっていた。このため、事件直後から背景に年金制度への不満があるとの見方も出ていた。
厚生労働省は事件翌日から、金属探知機を使って本庁に出入りする一般来庁者の所持品を検査するなど警備を強化。各地の警察も管内に住む厚労省の歴代幹部らの自宅周辺を24時間態勢で警備するなど、警戒を強めていた。
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本当に,,今回の事件はまさしく
故石井氏の殺害事件に酷し、わたくしも
1番にそれが浮かびましたの
これも深く突きつけていくと
故石井氏の事件に重なる状況が
必ずでてくるのではと思っていますしね。
投稿: westcoast | 2008.11.23 05:03
霞ヶ関に出頭・凶器もしくは傷の深さが20センチ
など、石井議員事件と重なるキーワードを見た
時、“やはり”と思ってしまいました。
ながつまさんが元事務次官二人を証人喚問要請す
る予定があった(未確認情報ではありますが)と
したら、ますます石井議員の時と重なる。
同じ経過を辿ってしまうのでしょうか
投稿: ren | 2008.11.23 06:58
類似点:①テロ的な事件 ②出会い頭に躊躇なく被害者を殺傷していること
相違点:
1 石井こうき故議員の場合
特別会計のカラクリを明らかにして、それを追求しようとしていた.
その追求をキラウ勢力との関係が想像される.
2 元次官宅襲撃の場合
元高級官僚が対象となっていて、1のケースとの類似性が見えない.むしろ、官僚組織が特別会計などの仕組みを国民生活収奪の仕組みにしたことを口実としているように見え、背反性が見られる.
したがって、結論は、両事件とも年金・財政の危機化を背景とした、異常な事件、異常が普通となりつつある社会システムの末期的現象という点かもしれない.
投稿: ささき のぶひこ | 2008.11.25 01:49
こんにちは、はじめまして、
私も石井こうきさんの事件は決して風化させてはいけないと思う一人です。現代の日本で、暗殺が行われてこと、その原因もお役所のなにかがかかわっていること、結果的に警察と暴力団との深い関係を疑わざるを得ない経過となったことなど、置いておけないことばかりです。
投稿: ひでき | 2009.06.14 13:59