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2007.11.29

和牛預託商法-ついに最後に残った二つの共済牧場のうちの1社「ふるさと牧場」が破綻しました。

 1997年当時に17社あって破綻せず残っていた最後の2社のうちの一つ「ふるさと共済牧場」(平成12年8月1に商号変更して、現「ふるさと牧場」)が、破綻状態に陥っています。
 被害者が多数出ているようです。10年も放置した警察の責任は重大だと思います。

 なお最近の真珠養殖詐欺商法や、えび養殖詐欺商法-ワールドオーシャンファーム事件僕も、ワールドオーシャンファーム被害対策弁護団に参加しています。などの走りの、和牛預託商法については、過去の経過を知らない方がおられますので、僕のホームページ等に書いた以前の経過を、まとめて直してみました。

1 和牛預託商法とは?
 ・子牛を買って成牛にして売れば利益が出ると称して、多数の消費者から金銭を預って、運用するという商法
 ・和牛預託商法の内容は、東京三弁護士会が、1997年6月に設置した110番の結果についての僕の原稿参照。

■和牛預託商法への強制捜査と弁護士会の課題

 元本保証や高配当をうたってオーナーを募集する和牛預託商法に対し、埼玉県警と群馬県警は、5月8日、出資法2条(預かり金の禁止)違反容疑で強制捜査に入りました。

 今回強制捜査を受けたのは、長野県に本社がある有限会社「千紫(せんし)牧場」と、群馬県に本社がある有限会社「はるな共済牧場」の2社ですが、同種の業者は、農水省の調査で少なくとも17社あります。

 同日付読売新聞夕刊によると、前社は、1昨年秋ごろから1年半の間に、約2000人の顧客から22~3億円を、後社は、約180人の顧客から約2億円を集めたと報道されています。業界全体では約7万人のオーナーから約1000億円を集めたと見られています。

 東京3会では、6月2日午前10時から午後4時まで110番を実施し、15本の電話を用意するという異例の体制で臨みましたが、朝から電話がなりっぱなし。最終的に413件の相談が殺到する事態となりました。

 農水省の統計によると、平成3年に牛肉の輸入が自由化されて以後、和牛1頭あたりの利益は赤字傾向が続いており、平成5年~7年まで赤字。平成8年も売却単価75万2312円の内1万6829円の黒字が出ているにすぎません。しかも1社を除いてすべての業者がこれまで1度も和牛売却の実績がありません。ですから元本保証や高配当をうたうこと自体が詐欺罪にあたる可能性もあります。

 強制捜査とマスコミの報道を通じて、和牛預託商法は経営リスクと出資法違反というリーガルリスクを伴う商法であることが明らかとなりました。新たな顧客を開拓することで伸びてきた和牛預託業者が、今後は次々と破綻する可能性が生じています。既に破綻の兆候がある業者も出始めました。その場合、KKCやココ山岡以上の大規模な消費者被害事件に発展する可能性があります。既に110番実施前にも、不安を感じたオーナーが多数弁護士会の法律相談窓口に殺到し、1時相談事務が混乱するという事態がありました。

 消費者事件の救済でいつも思うことですが、現状の弁護士会の法律相談体制では、和牛預託商法のような弁護士人口をはるかに越える大量の被害者が出る消費者事件に即応でき

ません。会に相談が殺到するような緊急時の相談体制を予想していないからです。昨年のKKCやオレンジ共済の場合もそうでしたが、このような事態が生じた場合、110番とは別に法律相談窓口でも対応できる仕組みが必要だと思います。相談場所の確保や特別案件相談者リストの作成は最低限必要ですが、あっせんの省略や、クレサラ事件の報酬基準のように、報酬規定を関連委員会の意見で暫定的に変更して処理できるような柔軟な処理も必要だと思います。

 弁護士会が、真に市民に開かれた法律相談体制を目指すなら、心配して駆けつけてきた相談者が、いち早く弁護士にたどり着けるような体制作りが緊急の課題だと思います。

(消費者問題対策委員会 紀藤 正樹)

2 当時の和牛預託商法関係5弁護団について
 既に以下の5弁護団は解散していますのでご注意ください。
 お困りの方は、各地の弁護士会

 □和牛の里共済牧場被害対策弁護団
 □あさぎり高原共済牧場被害対策弁護団
 □ふるさと共済牧場被害対策弁護団
 □みちのく都路村共済牧場被害対策弁護団
 □軽井沢ファミリー千紫牧場 /安愚楽共済牧場被害対策弁護団

3 その後の摘発経過
 ・1999年2月26日付け読売新聞夕刊によると、浦和地裁は、1997年5月に摘発された軽井沢ファミリー千紫牧場の元社長に、詐欺と出資法違反により懲役5年(求刑7年)の有罪判決を言い渡したたとのことである。和牛商法での詐欺罪の適用は初めて。少なくとも和牛預託商法が出資法違反だとすると、他の和牛預託業者にいまだ強制捜査がなされないのは、不平等、不正義であり、不可思議と言うほかない。実刑判決を受けた元社長もそう思っているに違いない。 UP99/03/01
 ・1999年4月21日付け朝日新聞速報によると、和牛預託業者「ジェイファーム」元社長に、出資法違反により懲役2年(求刑懲役3年)が言い渡された。UP99/04/21

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2008-11 ふるさと牧場(和牛預託商法)」カテゴリの記事

コメント

弁護士さんの絶対数が足らないのではないかと痛切に思うのですが、聞くところによると増員に反対されてるとか。
混合医療の裁判でも誰も原告の弁護を引き受けてくれないからと、仕方なく自分でやったら勝訴した。

そのくせ、光市の強姦犯の弁護に大挙して行かれてる。
何を考えていらっしゃるんでしょうか。弁護士の先生方。。。なんか、弁護士という職業の方の存在価値に疑問を感じつつあるんです。

難しく考えず、単なる自営業者の方々で、担当されてるのが法律。って考えておけばいいんでしょうか。

増員の反対は誰がしているのでしょうか?
弁護士会も民主的組織ですから、一枚岩ではありません。弁護士の一部の意見に反応されすぎでは?

弁護士の多数は増員賛成です。ですから今の制度があります。

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200712060206.html

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和牛商法、配当困難に ふるさと牧場、預託金100億円 '07/12/6

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 和牛のオーナーになれば売却益で高配当が得られると誘い、出資を募る和牛預託商法の「ふるさと牧場」(東京都港区)が配当を滞らせ、解約時の返金にもほとんど応じられなくなっていることが五日、分かった。

 同社は「三千人以上から百億円を超える預託金を集めた」と説明。一方で、最近数年間は牛を確保できていないのに金を集め、一部を別の会員への配当や返金に充てる“自転車操業”状態と認めており、出資法(預かり金の禁止)などに違反する可能性もある。

 相田勇次あいだ・ゆうじ社長は共同通信の取材に「違法と分かっているが、だますつもりはなかった。飼育を任せた畜産業者が牛は自分のものだと言い出し、売却金が入らなくなった。少しずつでも返済したい」と話している。

 会員からは「詐欺的商法」として賠償などを求める訴訟が相次ぎ、ここ一年でも百人以上が東京地裁に提訴。多くは同社が分割返済を提案、和解や取り下げになったが、返済は昨年末ごろから滞っているという。

 ふるさと牧場は一九九五年設立。新聞広告などで勧誘した会員に牛を購入させて飼育を引き受け、一~二年の契約満了後に買い戻し、売却益から一定の配当をする仕組み。出資額は五十万円から数千万円まで複数のコースがあり「予定利回り」として年利9%の高配当をうたうものもあった。

 会員には「牛の飼育や管理、売却は福島県葛尾村の畜産業者に任せている」と説明していたが、畜産業者は取材に「ふるさと牧場会員がオーナーになったことはない。同社の要請で牛を多く購入、事業を拡大したが、立て替え分が支払われないので二〇〇二年に契約を解除した」と反論している。

 和牛預託商法は一九九〇年代後半、出資法違反などで多くの業者が摘発され社会問題化。多くは破たんしたが、ふるさと牧場は存続していた。

ふるさと牧場に預託をしていて解約時に返金してもらえないまま、会社が破綻となりましたが、今後どう対処してよいか教えてください。弁護団に申し込んで返金を請求していたのですが、それも見込みが立たない状況です。

soka 200803.15

投稿拝見しました。無理でしょう。泣け寝入りとなります。
10年前、違法性に指摘があり、返金命令がでて生き延びたようでしたが、結局、同じ牛詐欺を行っていて破たんした。
私も10年前から解約できず再契約にされ、50万投資で10万位戻った程度です。2006年(3年前)から解約手続きしていましたが、無視の状態でした。
 相田元社長に刑務所で会いたいのですが、方法がありますか? 

今日、「ふるさと共済牧場」から電話がありました。来週の月曜に(4月11日)破産宣告を受けて、それで完全に「ふるさと・・・」が破綻してなくなってしまうので、管轄が千葉県に移り、そうなるとお金がもう戻ってこない。今の状態なら、預託者に1800円の分配があるが、代理人を立てて文書で申し込めば、最初の50万円は戻ってくる。どうしますか?この電話でもう良い、と言うなら、1800円ですが?」と言う内容でした。「即答できないので、電話番号と 貴方の名前を」と言うと、切れました。もうとっくに破綻した、と思っていましたが、これは本当のことですか?

預託法により出資法の適用を受けないとの考え方が背景にあったのではないかと思います。不特定多数からの預かり金を禁止した出資法の例外として預託法があり、預託法に基づく預かり金であれば法的には許されるとの立場も出てきます。

実質的に破綻状態であったにもかかわらず、預託金を預かった場合は詐欺罪にあたるのは言うまでもありませんが、ココの部分の立証は結構大変であるとして中々踏み込めません。破綻状態にあることが推定できれば、出資法で踏み込んで書類を押収、その後詐欺罪でも立件と進みます。

強制捜査の結果、ほとんどのケースで実質的に預託取引ではなく金融取引に過ぎなかったことがわかるため、出資法にも違反することとなるわけですが、詐欺罪での立件が前提となって初めて安心して出資法で強制捜査が出来るのです。和牛商法=出資法違反と画一的に判断することは困難だと警察は考えているようです。

だから、被害が拡大してから出ないと警察は動けません。

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