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2015.11.30

菊地直子高裁判決の参考判例=裁判員裁判無罪判決を破棄自判した高裁判決を再逆転させた最高裁無罪判決に関する東京弁護士会の会長声明

引用するのは、菊地直子無罪判決とは逆バージョンの2012年2月13日付け最高裁判所第1小法廷最高裁判決に関する東京弁護士会の声明です。

この事件は、

◇1審無罪→高裁有罪→最高裁(1審破棄の基準を述べて、高裁判決破棄=無罪)

対し

◇菊地直子無罪判決は、一審有罪→高裁有罪→最高裁は?

という事件です。

事案は、全くの逆バージョンですが、上記最高裁の基準は、菊地高裁判決でもそのまま判断枠組みとして、参考にされています。

他方被告人の立場からは、上記最高裁規準は、「万一にも無辜の者を罰することがあってはならないという」と言う意味で、「本件最高裁判決は,そのような場合にも控訴審が第1審判決を尊重すればよいという考えを示したものとは解されない。」としており、そのまま参考にすべきでないとされていることから、菊地直子高裁判決の事案が、上告された場合に、最高裁が、新たに、2012年判決とは異なる基準を立てるのか、あるいはそのまま維持したうえで何らかの判断を示すのか、また否かが、非常に興味深いところです。

以下下線は紀藤です。

裁判員裁判無罪判決を破棄自判した高裁判決を再逆転させた最高裁無罪判決に関する会長声明|東京弁護士会=2012年02月23日

東京弁護士会 会長 竹之内 明

2月13日,最高裁判所第1小法廷は,覚せい剤を密輸したとして起訴され第1審(千葉地方裁判所)の裁判員裁判で無罪とされ,控訴審(東京高等裁判所)で逆転有罪判決(懲役10年,罰金600万円)が言渡された事件の上告審判決で,控訴審判決を破棄し,控訴棄却の判決を言い渡した。検察官控訴が最高裁で棄却されたことにより,裁判員裁判による第1審無罪判決が確定した。

裁判員裁判による無罪判決を覆した上記控訴審判決に際しては,当会は2011年4月6日に会長声明を発表し,裁判員裁判の制度趣旨を逸脱するものであると批判するとともに,最高裁判所の判断に注目すると述べていたところである。

本件最高裁判決は,三段階に論理を展開して結論にいたっている。

第1に,刑事訴訟における控訴審が「事後審」であることをあらためて強調している。判決は,「控訴審は,第1審と同じ立場で事件そのものを審理するものではなく・・・・第1審判決を対象とし,これに事後的な審査を加えるべきもの」と述べている。

第2に,上記「事後的な審査」を敷衍して,「控訴審における事実誤認の審査は,第1審判決が行った証拠の信用性評価や証拠の総合判断が論理則,経験則等に照らして不合理といえるかという観点から行うべきもの」であり,「第1審判決の事実認定が論理則,経験則等に照らして不合理であることを具体的に示すことが必要である」と述べている。

第3に,裁判員裁判の意義を強調して,「このことは,裁判員制度の導入を契機として,第1審において直接主義・口頭主義が徹底された状況においては,より強く妥当する」と述べている。

そして,このように展開した論理を本件の事実に当てはめ,本件控訴審判決は,「被告人の弁解が排斥できないとして被告人を無罪とした第1審判決について,論理則,経験則等に照らして不合理な点があることを十分に示したものと評価することができない」と結論づけた。

本件の第1審無罪判決は,検察官の立証が合理的疑いを超える程度に尽くされているかどうかにつき,直接主義・口頭主義の徹底された審理を経て,裁判員と裁判官とが評議し,刑事訴訟の無罪推定の原則に忠実に,なお合理的な疑いを差し挟む余地があると判断したものであった。

これに対して,本件控訴審判決は,第1審の事実認定に論理則,経験則等に照らして不合理な点を具体的に示すことができないにもかかわらず,裁判官が自ら形成した心証を重視して安易に有罪の判断をおこなったものであった。これは,控訴審の事後審としての性格にもとるだけでなく,刑事訴訟における無罪推定の原則からも逸脱した,誤った判断であったというべきである。

本件最高裁判決が本件控訴審判決の誤りを正したことは,直接主義・口頭主義を徹底し,刑事訴訟における無罪推定の原則に忠実におこなわれた第1審裁判員裁判の判断を尊重する姿勢を最高裁が示したものというべきであり,その意義を評価することができる。

本件とは逆に裁判員裁判で第1審が有罪判決を出した場合には,控訴審は,検察官の立証が合理的な疑いを差し挟む余地がない程度に尽くされているのかどうかをあらためて吟味しなければならない。そのことこそが,万一にも無辜の者を罰することがあってはならないという刑事訴訟の基本原則に忠実な事後審のあり方というべきである。本件最高裁判決は,そのような場合にも控訴審が第1審判決を尊重すればよいという考えを示したものとは解されない。

当会としては,今後とも裁判員制度及びその控訴審のあり方について,制度上及び運用上の問題点について検証を続けて行くとともに,冤罪を生まない刑事司法を実現するために,全力を尽くす所存である。

2015.03.19

ブログ更新!>地下鉄サリン事件20年の節目にテロとの戦いに思う!=「オウム真理教事件(1995年)」の失敗を学んだ「IS(イスラム国)」と、失敗に学ばない「日本国」

本年2015年3月20日は、地下鉄サリン事件から20年目の節目です。

最後のオウムの刑事裁判である高橋哲也の刑事裁判も、東京地方裁判所で審理が進み、4月中にも判決が出る見通しとなっています。

世界を見渡せば、20年前のオウム真理教の失敗に学んだのか、まず先に、兵站を伸ばさずに、領土を確保し、領土内に住む人間を人質としていく中で、国家組織を作り上げた、IS(イスラム国)なるテロカルトも出てきました。

仮にですが、20年前、オウム真理教が、地下鉄サリン事件を引き起こさず、サリンを保有して、上九一色村(当時)の住民を人質として立てこもるという判断をしたなら、まさに20年前の日本で、既に1994年6月には、省庁制をとっていたオウム真理教という”国家内国家”と、日本国との全面戦争となり、我が国の当時の体制では、簡単に、強制捜査はできなかったと思いますし、さらに警察官、住民、さらには投入された自衛官も含めて、さらに多くの犠牲者を生んだ可能性があります。

20年前、IS(イスラム国)と同様、省庁制まで引いていたオウム真理教が、兵站を伸ばして首都東京に対して、地下鉄サリン事件というテロ行為を引き起こしたことは、まさに松本智津夫被告らの思い付きに基づく、歴史的偶然にすぎない感を強くします。

このインターネット時代、このオウム真理教の失敗を、ISは学んだのか、まずISは、先に住民たちを人質として、国家組織を作り上げました。住民が人質ですから、米欧が、簡単に、ISを空爆で攻撃できないのは、それが理由です。

そのため、ISを解体するには、陸戦しか方法がない状態です。しかも子どもたちも含む人質の命を守りながら陸戦を展開するのは非常に難しいのが、戦争という現実です。

テロの論理を許してはいけないのは当然の前提ですが、今の日本は、政府を含めて、オウム真理教事件から20年をたっても、カルトの存在理由やカルトの信者の論理や思考方法を学ぼうとしていません。

この歴史的偶然について、僕以外に指摘する見解がないのも、カルトの思考方法についての理解が、一般のテロの評論家と呼ばれる人たちにないのが、その理由です。テロの評論家にないのだから、政府や国会議員にないのもやむを得ないのかもしれません。

オバマ大統領は、ついにこの2月、IS=ISIS=ISILに対し、はっきりと「カルト」と評するようになっています⇒.. http://fb.me/77V6X5nYA

紀藤も、ISは、メンバーの勧誘形態(現実のISの実態を教えずに、イスラム教の理想だけを教え込んでいく手法)、そのメンバーに対する支配方法、及び、命令一下の組織の構造、こうした実態を命を賭して従うメンバーの思考形態が、いわゆる破壊的カルトと同じと評価できると考えています。

今や、我が国のみならず、世界において、カルト問題はさらに深刻化し、その現状は深刻であり、あまりに憂うべきものがあります。

対し、日本政府(国会議員も含めて)は、このオウム真理教事件の反省や教訓を検証できないままにあります。

いまだに世界が驚いた化学兵器テロである。20年前のオウム真理教事件について、政府報告書や議会報告書がないのが、日本の不幸な現実です。

ひるがえって2011年に起きた原発事故については、政府も議会も民間も、事故調査報告書を出しているのに、です。

したがって我が国において、当然に、ISのようなテロリストカルトの論理や思考方法への理解は遅れ、対策が遅れるのも当然です。

今からでもとにかく、できるだけ早く、オウム真理教事件の全容について、なぜ事件が引き起こされてしまったのか、今後このような事件を引き起こさないためにはどうすればよいのか、一般人をカルト信者にしてしまう勧誘方法、カルト信者の思考方法等について、そのメカニズムの解明に関し、政府や議会による調査報告書を作成し、世に問い、政府も議会も国民を、再発防止策を真剣に検討する時期に来ていると思います。

そしてこの時期、マスコミの検証番組が相次ぐ中、市民もマスコミも、もっと政府に意見をいうべき時期に来ているのだろうと思います。

僕のような提言がほとんどないこと自体、我が国=日本国の平和ボケのような現状を反映し、とても寂しいことです。


 


2015.03.17

オウム真理教事件の13人の死刑囚=死刑執行に関する刑事訴訟法の条文のあてはめ 2015年3月18日、19日更新情報あり

2015年3月20日で、地下鉄サリン事件から20年の節目を迎えます。

松本智津夫被告らへの死刑執行の可能性も叫ばれる中、一応、刑事訴訟法上の条文をまとめてみます。

ちなみに一連のオウム真理教事件で、死刑執行確定者は、次の13人です。

1 松本智津夫死刑囚
2 岡崎一明死刑囚
3 横山真人死刑囚
4 端本悟死刑囚
5 林泰男死刑囚
6 早川紀代秀死刑囚
7 豊田亨死刑囚
8 広瀬健一死刑囚
9 井上嘉浩死刑囚
10 新実智光死刑囚
11 土谷正実死刑囚
12 中川智正死刑囚
13 遠藤誠一死刑囚


今以上の松本智津夫被告の神格化を防ぐためにも、執行は、刑事訴訟法上、一点の曇りもないものでなければなりません。そうでないと「弾圧」だとするアレフ側に一定の根拠を与えてしまいます。

この点、高橋克也被告の公判が続いている現状下においては、

1)刑事訴訟法475条2項の「共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。」という規定、

これは実務上は、「共犯者同時執行の原則」と言われるもので、互いに証人性を持つ死刑囚は、万が一の冤罪の恐れもありますので、死刑囚の精神的安定のためにも、別々に執行することはせずに、共犯死刑囚は、同時に執行することが原則とされているものです。

そして
2)松本智津夫死刑囚においては、同479条「死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。 」という規定

が気になります。

これは死刑の意味を分からない状態にある被告人を死刑に処しても、死刑の制裁的意味がないことから規定されているもので、いまの松本智津夫死刑囚の精神状態は、ほとんど国民には知らされていない状態ですので、本来なら今回、首謀者である松本智津夫被告は、高橋和也被告の公判に証人として、出廷させるべきだと思います。

本来は高橋克也被告の公判に証人として呼ぶべき人物が松本智津夫死刑囚です。

高橋被告公判 地下鉄サリン審理終える (産経新聞) =2015年3月4日(水)7時55分配信

「弁護側は、公判前整理手続きで却下された元教祖の麻原彰晃(本名・松本智津夫)死刑囚(60)の証人尋問を改めて請求。中里裁判長は次回公判が開かれる6日に採否を判断するとした。」

松本死刑囚の証人尋問却下…オウム高橋被告公判 (読売新聞) - Yahoo!ニュース

「弁護側が請求していた教祖の松本智津夫死刑囚(60)の証人尋問について、地裁は6日付で却下。高橋被告の公判で、死刑囚の証人尋問は全て終了した。」


しかし松本智津夫被告の現状については、国民の大きな関心事なんですから、証人出廷以前に、死刑執行の前提として、もっともと情報公開されてしかるべきだと思います。


刑事訴訟法=下線は紀藤

第475条 死刑の執行は、法務大臣の命令による。

○2  前項の命令は、判決確定の日から六箇月以内にこれをしなければならない。但し、上訴権回復若しくは再審の請求、非常上告又は恩赦の出願若しくは申出がされその手続が終了するまでの期間及び共同被告人であつた者に対する判決が確定するまでの期間は、これをその期間に算入しない。

第476条  法務大臣が死刑の執行を命じたときは、五日以内にその執行をしなければならない。

第477条  死刑は、検察官、検察事務官及び刑事施設の長又はその代理者の立会いの上、これを執行しなければならない。

○2  検察官又は刑事施設の長の許可を受けた者でなければ、刑場に入ることはできない。

第478条  死刑の執行に立ち会つた検察事務官は、執行始末書を作り、検察官及び刑事施設の長又はその代理者とともに、これに署名押印しなければならない。

第479条  死刑の言渡を受けた者が心神喪失の状態に在るときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。

○2  死刑の言渡を受けた女子が懐胎しているときは、法務大臣の命令によつて執行を停止する。

○3  前二項の規定により死刑の執行を停止した場合には、心神喪失の状態が回復した後又は出産の後に法務大臣の命令がなければ、執行することはできない。

○4  第四百七十五条第二項の規定は、前項の命令についてこれを準用する。この場合において、判決確定の日とあるのは、心神喪失の状態が回復した日又は出産の日と読み替えるものとする。

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紀藤の著書
→霊感商法、カルトやマインドコントロールについて、もっと知りたい方は、ぜひ僕の本を読んでいただければ幸いです。Toshlさんの脱会についても触れています。

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2015.03.04

懲役9年=平田信被告 東京高裁 オウム初の裁判員判決支持

東京高裁第5刑事部 2015年3月4日付け判決 

構成は、八木正一判長(28期),川本清巌(40期),安藤範樹(44期)

  ⇒東京高等裁判所 担当裁判官一覧より

[参考]

時事ドットコム:平田被告、二審も懲役9年=オウム初の裁判員判決支持-東京高裁 (2015/03/04-11:45)

オウム真理教による仮谷清志さん=当時(68)=拉致事件の逮捕監禁罪などに問われ、一審東京地裁の裁判員裁判で懲役9年とされた元幹部平田信被告(49)の控訴審判決が4日、東京高裁であった。八木正一裁判長は「被告は従属的な役割を果たしたにすぎないが、量刑が重すぎるとは言えない」と述べて一審判決を支持し、弁護側控訴を棄却した。

 2014年3月の一審判決は、一連のオウム事件で初の裁判員判決だった。

 八木裁判長は「拉致事件で事前の共謀があった」と認定。その上で、平田被告の役割について「機能しなかったレーザーの発射役を担っただけで、どのような手段で拉致監禁するか認識していなかった」と判断した。

 爆発物取締罰則違反罪に問われたマンション爆弾事件についても、弁護側の無罪主張を退けた上で「役割は従属的」と述べた。ただ、「同罪の量刑傾向は軽くとも懲役7年」と指摘し、懲役9年が傾向から大きく外れて不合理だとは言えないと結論付けた。

 一審は起訴内容を認定した上で、「長期間の逃亡が社会に与えた影響は軽視できず、出頭は遅きに失した。不自然な弁解を続けており、今後も反省を深める必要がある」と指摘していた。(2015/03/04-11:45)

2013.12.05

ブログ更新!>アレフの正体を隠した伝道に対する対処法=新実智光・死刑囚の妻が逮捕 入信の強要の疑い! #アレフ #オウム

アレフの歴史の記録として、ブログにアップします。

2011年ころから先鋭化し、新規信者の勧誘を活発化させているアレフについて、ついに、伝道の現場にいる信者が、伝道の違法=すなわち「強要未遂」の容疑で逮捕されました。

しかも勧誘のきっかけは、フェイスブック。現代的です。最近は、従来の街頭勧誘や大学構内での勧誘のほか、コミュニティサイトやSNSを通じた、ヨガサークルや運動系サークルなどの名前を使った、正体を隠した勧誘が活発化していました。

正体を隠すだけでなく、加えて、今回は脅しを伴う勧誘ですから、まるで地下鉄サリン事件(1995年3月20日)以前のオウム真理教の状態に戻った感があります。

こうした正体を隠した勧誘は、まさに正体を隠している以上、防ぎようもありませんが、SNS等を通じて親しくなったのに、たとえば半年たっても、①相手の職業がわからない、②住んでいる場所も教えてくれない、③連絡先は、携帯かSNSのID等しかわからない、というのは、異常です。疑ってかかった方が良さそうです。

さらに④途中から宗教的な話が出てくれば、なお一層要注意です。

オウム真理教だけでなく、カルト的な色彩を持つ宗教団体も、こうした勧誘を行っていますので、カルト被害を防止するためにも、①~④の知識は、役立ちます。

なお今回、参考記事にあげた各紙の論調が微妙に異なりますが、大阪府警は、新実由紀容疑者(36)の容疑に、アレフの組織的関与があるのか否かを捜査するために、アレフの施設を家宅捜索しており、さらに新実容疑者は、「修行をさせるよう夫から指示を受けた」と説明したとの報道もあり、そうであれば、新実死刑囚への捜査も必要となります。


[参考記事]

強要未遂容疑:新実死刑囚の妻を逮捕 アレフ入信迫る- 毎日新聞 毎日新聞 2013年12月04日 12時13分(最終更新 12月04日 13時31分)

 オウム真理教の流れをくむ「アレフ」に知人男性を無理やり入信させようとしたとして、大阪府警は4日、元オウム真理教幹部の新実智光死刑囚(49)の妻で、アレフ信者の新実(にいみ)由紀容疑者(36)=東京都練馬区小竹町2=を強要未遂の疑いで逮捕した。由紀容疑者は「夫は10人以上を殺した」などと入信を迫った疑いがあるという。

 府警はこの日朝、東京都杉並区や大阪市生野区の教団施設など6カ所を家宅捜索した。

 逮捕容疑は今年6〜7月、大阪府内に住む30代男性に、アレフが関与しているとみられる冊子を渡したり、アレフのホームページアドレスを添付したメールを送信するなどし、教団に入信するよう強要したとされる。男性とは面識があり、その後、インターネットの交流サイトなどで連絡を取り合っていたとみられる。

 府警警備部によると、由紀容疑者は昨年8月に新実死刑囚と結婚した。男性に夫が新実死刑囚であり、殺人事件に関与していることを伝え、入信を迫ったという。今年8月、男性が府警に被害を相談した。

 由紀容疑者は4日午前7時20分ごろ、捜査員が自宅を訪れた際、「え?オウムですか。違います」と教団との関わりを否定した。しかし、自宅の捜索では、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(58)の写真が多数見つかったほか、枕元には松本死刑囚の写真が飾られ、水が供えられていたという。府警は組織的な関与など背後関係を調べる方針。

 新実死刑囚は、地下鉄サリン事件など、オウム真理教による殺人事件7件すべてに関与したとされる古参幹部。11の事件で殺人罪などに問われた公判では、松本死刑囚の直弟子を自任した。


新実死刑囚が「アレフ勧誘指示」 逮捕の妻が説明、関与を捜査へ - 47NEWS(よんななニュース) 2013/12/04 23:20   【共同通信】

 オウム真理教主流派アレフへの入信を知人男性に迫ったとして、強要未遂容疑で逮捕された元教団幹部新実智光死刑囚(49)の妻由紀容疑者(36)が勧誘の際、「修行をさせるよう夫から指示を受けた」と説明していたことが4日、捜査関係者への取材で分かった。

 由紀容疑者が新実死刑囚と頻繁に面会していたことも判明。小まめに意思疎通を図っていた可能性もあり、大阪府警警備部は、事件に同死刑囚の関与があったかどうかを慎重に捜査する。

 由紀容疑者は容疑については、「納得できない」と否認している。


新実死刑囚の妻を逮捕 30代男性にアレフ入信の強要未遂の疑い:社会:スポーツ報知 (2013年12月4日12時45分  スポーツ報知)

 オウム真理教から改称した教団主流派アレフに知人の男性を無理やり入信させようとしたとして、大阪府警警備部は4日、強要未遂の疑いで、元教団幹部・新実智光死刑囚(49)の妻で、アレフ元信者の新実由紀容疑者(36)=東京都練馬区=を逮捕した。

 警備部は同日朝から、由紀容疑者の自宅のほか、東京都や大阪市にあるアレフの各施設など計6か所の家宅捜索も実施。関係資料を押収するなどした。

 アレフは最近、信者獲得の動きが活発化し、組織が拡大。会員制交流サイト(SNS)を介した新たな手口も確認され、公安当局が警戒を強めていた。一連のオウム事件の捜査は、特別手配犯だった高橋克也被告が逮捕されるなど、昨年9月に終結している。

 捜査関係者によると、由紀容疑者は今年夏ごろ、交流サイト「フェイスブック」を通じて交友関係があった西日本に住む知人の30代の男性に、自分の夫が新実死刑囚で大量殺人事件に関わっていたなどと話して脅し、アレフへの入信を迫った疑いが持たれている。

 由紀容疑者はこの男性と以前から顔見知りだったといい、今年春ごろから、フェイスブックでメッセージのやりとりを重ねるようになった。

 新実死刑囚は、教団最古参の出家信者の一人で、松本智津夫死刑囚(58)=教祖名・麻原彰晃=の警護役も務めた。地下鉄、松本両サリンなど計11事件に関与したとして、2010年2月に死刑が確定した。

 由紀容疑者は昨年8月、新実死刑囚と結婚。アレフの元在家信者とされているが、4日の家宅捜索で自宅からは松本死刑囚の写真が見つかっており、警備部はアレフとの関係が続いているとみている

2012.05.31

thunder速報!!⇒「アレフ」3信者逮捕=滋賀県警 #cult #religion #aum

「ヨガ教室と偽ってオウム真理教主流派「Aleph」(アレフ)に入会させ、入会金などの名目で2万円をだまし取った」

これで逮捕可能なら、統一教会のビデオセンターへの勧誘は、当然逮捕のレベルです。全容解明の捜査を期待しています。

本年5月1日、神世界の霊感商法事件で、詐欺の有罪判決が出されたことが、霊感商法の救済にとって、風となっています。


リンク: 「アレフ」3信者逮捕 : 滋賀 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

「アレフ」3信者逮捕

 ヨガ教室と偽ってオウム真理教主流派「Aleph」(アレフ)に入会させ、入会金などの名目で2万円をだまし取ったとして、県警警備2課と東近江、甲賀両署は30日、いずれもアレフ在家信者の大津市国分、無職藤原淳子(33)、京都市伏見区深草西浦町、会社員有田環(25)、同区石田桜木、アルバイト店員村川奈々恵(33)の3容疑者を詐欺容疑で逮捕した。「覚えていない」と否認している。

◇ヨガ教室と偽り入会金詐取容疑、勧誘が目的か

 発表によると、藤原、有田、村川の3容疑者は共謀して昨年4月24日、草津市の飲食店で、インターネット上で交流するソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を通じて知り合った彦根市の男性会社員(30)にヨガ教室への入会と偽り、アレフの入会書に記入させて入会金や月会費として計2万円をだまし取った疑い。

 男性は、藤原容疑者が昨年3月に作った掲示板「死後の世界」の利用者で、入会書を書き、金を渡した直後に「このヨガ教室はアレフ」と告げられ、怖くなって東近江署に届け出たという。

◇組織名隠しSNS/「オウム」知らぬ若者標的~県警、マニュアル押収

 県警警備2課は30日、同課が昨年11月に湖南市平松のオウム真理教主流派「Aleph」(アレフ)の施設などを捜索した際、SNSなどを利用した詳細な信者勧誘マニュアルを押収した、と発表した。アレフは近年、新たな信者勧誘を活発化させており、県警は警戒を強めている。

 同課は昨年11月、在家の女性信者3人が男性に「ヨガ教室」と偽り、教団への入会金など2万円をだまし取ったとする詐欺容疑で施設を捜索、教団関係資料など約400点を押収した。

 勧誘マニュアルは、信者を効率的に獲得できるようにと作成されたとみられ、「若い方が素直」などとして18~24歳をターゲットにしていた。同課では「地下鉄サリン事件など一連のオウム事件に詳しくない世代なら洗脳しやすいと、狙ったのではないか」とみる。

 きっかけ作りとして、SNSのサイトに「アレフ」を隠して掲示板を作り、関心を示した利用者とやり取りをする。マニュアルでは「まず、仕事や家族についての悩みを聞くように」と指示しており、勧誘者は掲示板からメール交換、直接面談へと交流を深め、頃合いをみてヨガを勧めて教団に引き込む、としている。

 信者は「尊師(麻原彰晃こと松本智津夫死刑囚)の救済のため」として新規獲得のノルマが設定されており、施設から押収したパソコンには「効率的に信者が集まる。他の支部も実践してはどうか」と、関係者宛てにメール送信された形跡が残っていたという。

(2012年5月31日 読売新聞)

Amazon:『マインド・コントロール』 (2時間でいまがわかる!): 紀藤正樹:.

2012.05.27

ついに発売:拙著『マインド・コントロール 』 "菊地直子"身柄確保の報道に接して=#cult #religion #マインドコントロール #オウム #菊地直子 #高橋克也 初出2012年5月26日:2012年6月3日・4日加筆あり

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2007年に出した前著である『カルト宗教』-なぜ性的虐待と児童虐待はおこるのか、では、オウム暴走の理由を、書きました。

くしくも、2012年5月26日、NHKが、オウム真理教事件の再現ドラマを放映し、オウム暴走の理由について、すでに2007年の僕の著者『カルト 性的虐待と児童虐待はなぜおきるのか』に書いたとおりの内容で、オウム真理教の暴走の理由を報道しました。

NHKスペシャル「未解決事件」オウム真理教=偶然ですが、菊地直子逮捕の日6月3日に、再放送があったようです。

事件から17年を経て、オウム事件の評価が、捜査の遅れという国の責任として、僕の意見でまとまりつつあることについては、感慨深く思いますが、逆に言えば、これだけの期間を経なければ、オウム事件の評価が定まらなかったことは、とても残念だと思います。

原子力発電所の事故については、国会事故調=国会東京電力福島原子力発電所事故調査委員会ができましたが、オウム事件については、事件から17年を経ても、いまだに政府からの中立の立場の国会での調査機関の設置もなく、総括的な調査すらなされておらず、事件はなぜ起きたのか、どこに問題があったのか、事件は防止できたのではないか、そのためにどのような対策ができたのか、今後この事件の教訓を踏まえて、どのような対策が必要なのか、などの議論がまったくなされないままに、現在に至っています。

事件から何の教訓も得ないできたことは、日本の現在の不幸を象徴しています。


実は、今回の『マインドコントロール』は、『カルト宗教』から、多忙ゆえに、実に5年ぶりに出した本で、今度は、『マインドコントロール』の問題性に視点をあてて、詳細に記述したものです。

今でもマインドコントロールの恐怖が続いていることは、周知のとおりで、ホームオブハート事件=XJapanのToshi1さん事件、中島知子さん事件などの事件なども題材にしながら、マインドコントロールとは何か、その対処法、さらにはオウム真理教事件、統一教会の霊感商法事件、神世界の霊感商法事件、法の華三法行の足の裏診断商法事件、SPGFのミイラ化遺体事件などの事件も、わかりやすく解説したつもりです。

そしてこの久々の単独著『マインドコントロール』では、オウム事件の教訓を踏まえ、オウム事件を受けて、その教訓から、2001年に、いわ​ゆるマインドコントロールの悪用を犯罪として制定した、フランスの「無知​・脆弱性不法利用罪」も詳しく解説しました。

単行本ではおそらく日本では初めての試みです。

フランスの導入からもう10年を経ても、また日本では議論すらされない、知られていない我が国の現状に驚かされますが、この犯罪が立法化されていれば、カルト問題だけでなく、他人からの干渉による医療忌避(しばしば死に至ります。)や教育ネグレクトなど、児童虐待にも対応できますし、信者への自殺誘導なども犯罪に問うことも可能になります。

中島知子さんの事件のような問題にも対処できる可能性があります。

宗教被害だけでなく、マインドコントロールを悪用した悪徳商法、そして振り込め詐欺など、高齢者を狙った犯罪にも対応できるもので、日本の法制には、大きく参考になるものです。

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[参考]
・マインドコントロールに関する僕のTweet
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2012.03.27

速報!オウム真理教の元信者の斉藤明美被告に実刑判決 #aum #cult #religion

これは速報です。

オウム真理教の平田信被告(46)をかくまったとして犯人蔵匿に問われた元信徒・斉藤明美被告(49)に対し、東京地裁は、懲役1年2月の実刑判決を出しました。

[参考]
オウム斉藤明美・初公判「平田信から獄中ラブレター」 J-CASTニュース - 2012年3月6日

2012.01.03

thunderオウム真理教事件:平田信容疑者と假谷さん拉致殺害事件との関わり #aum #cult #religion 2014年3月6日更新

2011年1月1日の平田信容疑者の任意出頭と逮捕が報じられていますが、同容疑者と假谷さん拉致殺害事件との関わりについて、以下、概略をまとめておきます。

平田容疑者にとっては、最低限、以下の容疑がかかっており、平田容疑者が、過去にきちんとけじめをつけ、オウムと決別を付けるかは、オウム事件についてのすべての事実関係につき、同人が正直に話すことが必要となってきます。そして、このことが、唯一かつ真の被害者への謝罪と慰藉につながるのだと思います。

平田信に対する麻原彰晃こと松本智津夫に対する東京地裁平成16年2月27日判決の事実認定から、以下、引用

「假谷事件」部分のみ引用 

ⅩⅡ 假谷事件

[第1(逮捕監禁致死)の犯行に至る経緯]

 1 假谷清志は,平成7年2月当時,東京都江東区内の自宅に居住し,東京都品川区の目黒公証役場に事務長として勤めていた。假谷の実妹である仁科愛子は,昭和62年,夫から公証役場が1階にある建物及びその敷地等を相続し,その2階に居住していた。

 2 仁科は,平成5年10月ころ,ヨーガ教室で知り合った教団信者のヨーガ指導者に誘われ,健康のためにヨーガ修行をすることとし,教団の在家信徒となり,東京総本部道場に通うようになった。仁科は,東信徒庁長官の飯田エリ子らから布施を勧められ,平成7年1月20日ころまでに教団に合計約6000万円の布施をし,そのうち4000万円は同月20日ころ直接被告人に手渡し,その際,被告人から,早く出家するよう言われた。飯田や○○○○○○は,被告人の意を受け,仁科を出家させて仁科方土地建物を含む資産すべてを布施として教団に拠出させるため,仁科に対し執ように出家を勧め,薬物を使用したイニシエーションを施すなどして,出家することを同年2月中旬ころ承諾させ,その後は,仁科を出家前の信者として東京総本部道場に寝泊まりさせ,信徒対応の上手な中村昇に仁科と面談させるなどして全財産を教団に拠出するよう働き掛けた。仁科は,假谷やその家族らに譲るつもりであった仁科方土地建物を含めすべての財産を教団に取り上げられてしまうことを危惧するなどしていたところ,同月24日,友人を入信させるために強羅に行くと言い置いて東京総本部道場を出,教団に連絡することなくその日は知人方に,25日と26日は假谷方に,27日は別の知人方に泊まり,その間假谷や知人らと話合いをするなどして悩んだ末,後記のとおり,同月28日午後5時ころ,東京総本部道場に電話し,教団に出家するのをやめる旨○○○に伝えた。

 3 ○○○は,同月26日,仁科が2日間も東京総本部道場に戻らず連絡もないため,中村昇や飯田にそのことを報告した。中村昇及び飯田は,仁科から従前仁科方土地建物を実兄ら親族に譲渡する約束があると聞いていたことから,仁科の親族が仁科方土地建物を布施されるのを阻止するために仁科をらちした可能性があると考え,CHS大臣の井上に仁科を捜す手伝いを頼んで井上の配下の松本剛や平田悟をよこしてもらい,同日から翌27日にかけての深夜,公証役場の様子を見にいくなどしたが仁科の所在を突き止めることができず,被告人に電話でその旨連絡した。
 中村昇,飯田及び○○○らは,同月27日昼ころ,公証役場の付近まで車で行き,○○○が,様子を探るために公証役場に行った。○○○は,公証役場から戻ってきて,中村昇や飯田に「仁科さんはいますかと聞くと,仁科の兄と名乗る人が出てきて『ここには愛子はいません。随分前から帰っていない。何の用ですか。』と言って,不審がるような感じで話をしてきた。その人の態度は不自然だった。」などと報告した。中村昇と飯田は,それを聞いて,假谷が仁科の居場所を知っている可能性が高いと考え,假谷を見張っていたところ,假谷がボディガードらしい男性と公証役場から出てきたのを見て,これを尾行したが見失った。
 中村昇と飯田は,その後合流した井上にそれまでの事情を説明した上,假谷の様子から,假谷が仁科を監禁している可能性が高いなどと訴え,假谷から仁科の居場所を聞き出すためにどうしたらいいかなど今後の対応について協議した。井上は,公証役場を案内された後,中村昇を車で東京総本部道場に送ったが,遅くともそれまでに,中村昇は,井上との間で,假谷をらちして仁科の居場所を聞き出すしかないのではないかという話をした。

 4(1) 被告人は,同月27日から翌28日にかけての深夜,第2サティアン3階の第2瞑想室において,村井,新實,井上,中村昇,飯田や各支部の支部長ら数十名を集めて信徒対応責任者会議を開いた。飯田と中村昇は,その会議が終了した直後,被告人に仁科の居場所は分からなかったと伝え,假谷を尾行した状況やその際の假谷の不審な行動,すなわち,○○○が公証役場に行った際仁科の兄と名乗る假谷が出てきて愛子はいないと言って不自然な態度であったこと,その後假谷は銀行や喫茶店に立ち寄ったが喫茶店では何も注文をせず電話をしただけで店から出るなど不自然な行動をとっていたこと,假谷は公証役場から帰る際女性とボディガードらしい暴力団員風の男性を連れていたこと,假谷が仁科を監禁している可能性があることなどについて説明した後,仁科の居場所を聞き出すため假谷をらちして聞き出す方法もあると思う旨報告した。被告人は,仁科が出家して多額の布施をすることになっていたのに同女がいなくなりそれが難しくなったことから怒り,飯田に,「おまえがたるんでいるんだからこんなことになるんじゃないか。東信徒庁の活動も落ちているじゃないか。」と言ってしっ責し,さらに「そんなに悪業を積んでいるんだったらポアするしかないんじゃないか。」などと言って飯田らの言う假谷のらちだけでは済まされず,同人を殺害しなければならないほどの重大な問題であることを指摘した。被告人は,その際村井から耳打ちされるなどして,これまで違法行為に関与したことのない信者も周りにいたことに気づき,「ポア」という言葉を撤回する趣旨で「じゃ,おまえたちの言うようにらちするしかないんじゃないか。」と言い,さらに「らち」という言葉も適当でないと直ちに思い直して「ほかしておこうか。」などとぼやくように言って部屋を出ていき,関係者だけで仁科の件について話を続けるため,隣の「尊師の部屋」と呼ばれている瞑想室に移動し,村井,井上,中村昇及び飯田らも被告人に続いて尊師の部屋に入った。
 (2) 被告人は,假谷をらちし,麻酔薬を投与して半覚せい状態にし潜在意識に働き掛けて会話をする「ナルコ」を假谷に実施して仁科の居場所を聞き出そうと考え,尊師の部屋において,井上及び中村昇に対し,假谷をらちしてナルコを実施し仁科の居場所を聞き出すように命じた上,更に具体的に,武道の得意な中村昇と井田喜広が中心となって假谷をらちすること,假谷のボディガードに対しては村井の開発したレーザー銃を使って目をくらませることとし,その役は以前レーザー銃を使ったことのある平田信にさせること,そのほかCHSの信者にも手伝わせること,医師資格のある中川が假谷に麻酔薬を注射して眠らせ上九一色村まで連れてくることなどを指示し,井上及び中村昇はこれを承諾した。

 5 その後,中村昇は,電話で平田信を呼び,村井や井上を交えてらち計画について話をし,レーザー銃のバッテリーの充電に時間がかかることから,平田信はそれを終えて東京で合流することとした。また,中村昇は,井田が早川の部下で自分で運転のできる中田清秀の運転手をしていることを知り,その旨被告人に報告したところ,被告人は早川を呼び,運転手を中田に付けたことをしかり,井田を早く戻して中村昇に渡すよう指示した。
 井上は,第6サティアン2階で被告人の指示に基づき修行に入っていた中川にらち計画を説明し,東京でらちを実行する際相手を麻酔で眠らせてくれるよう頼んだ。中川はこれを了承し,全身麻酔薬である筋肉注射用のケタラールと静脈注射用のチオペンタールナトリウムのほか,注射器,点滴セット等を用意して東京に向かった。

 6 井上,中村昇,中川及び平田信のほか,らち計画について説明を受けたCHSの平田悟,高橋克也及び松本剛は,同月28日午前11時ころ,ワゴン車(デリカ)及び普通乗用自動車(ギャラン)に分乗して公証役場付近に到着し,しばらくして井田も合流し,らち計画について説明を受けた。
 その後,井上は,平田信にレーザー銃を操作させ,通行人にレーザーを照射してレーザー銃の効果を実験したが,目くらましの効果がないことが判明したため,らち計画を練り直すこととし,井上と中村昇が中心となり実行メンバー8名全員で話合いをした結果,假谷が公証役場から出てJR目黒駅に向かって歩いているところを襲うこととし,松本剛がワゴン車で假谷の進路を塞ぎ,中村昇,井田及び高橋克也の3人が後ろから假谷を抱き込むようにしてワゴン車内に押し込み,平田悟がワゴン車内から假谷を引っ張り込み,中川が假谷に麻酔薬を注射して眠らせること,その後,松本剛がそのままワゴン車を,平田信はギャランを運転して現場から逃走し,井上は現場指揮をとることなどのらちの方法と各自の役割分担が決められ,実行メンバー8名は,假谷が公証役場から出てくるのを待った。

 7 中村昇は,同日午後4時30分ころ,假谷が公証役場から1人で出てきたのを発見し,井田及び高橋克也と共に,JR目黒駅に歩いて向かう假谷に近づいた。
[罪となるべき事実第1(逮捕監禁致死)]
 被告人は,教団への出家を案じ身を隠した信徒仁科愛子の所在を聞き出すため,同人の実兄假谷清志(当時68歳)をらちすることを企て,井上,中川及び中村昇らと共謀の上,平成7年2月28日午後4時30分ころ,東京都品川区の路上において,同所を歩行中の假谷に対し,中村昇がその背後から假谷の身体に抱きついて転倒させ,大声で助けを求める同人の身体を井田及び高橋克也と共に抱えるなどして,同所付近に停車させていたワゴン車(デリカ)の後部座席に假谷を押し込むと同時に,同車内から平田悟が假谷の身体を引っ張り込むなどして假谷を逮捕した上,直ちに松本剛が同車を発進させて,假谷を自らの支配下に置き,同車内において,中川が假谷に全身麻酔薬を投与して意識喪失状態に陥らせ,その後飯田から電話で,仁科から出家を取りやめるとの連絡が入った旨知らされたものの,仁科の居場所が分からないままであったし,被告人から新たな指示がない限り自分たちの判断で勝手に假谷を解放することもできなかったことから,井上らにおいて,假谷を上九一色村の教団施設に連れていき仁科の居場所を聞き出すしかないと考えた上このまま計画を続行することとし,さらに,同日午後8時ころ,東京都世田谷区の芦花公園付近路上において,意識喪失状態のままの假谷の身体を中村昇らが別の普通乗用自動車(マークⅡ)に移し替えた上,高橋克也が同車を運転し中川及び平田悟がこれに乗車して假谷を上九一色村の教団施設まで運ぶこととし,同車内において,中川が假谷に全身麻酔薬を投与して意識喪失状態を継続させながら,同日午後10時ころ,山梨県西八代郡上九一色村の第2サティアンに同人を連れ込み,そのころから同年3月1日午前11時ころまでの間,同サティアン1階の瞑想室において,中川及び林郁夫が假谷に全身麻酔薬を投与して意識喪失状態を継続させるなどして假谷を同所から脱出不能な状態に置き,もって,同人を不法に逮捕監禁し,同日午前11時ころ,同所において,大量投与した全身麻酔薬の副作用である呼吸抑制,循環抑制等による心不全により同人を死亡させた。

[第2(死体損壊)の犯行に至る経緯]
 1 中川は,上記監禁中である同年2月28日午後10時ころ,第2サティアンに着いた後,第6サティアン3階に行き,林郁夫に対し,「尊師が『クリシュナナンダに手伝ってもらえ。』と言われたので,一緒にやってください。」と言ってナルコに協力するよう依頼した。林郁夫は,第2サティアンに行き,中川及び平田悟から假谷が同所に連れてこられた事情や状況,それまでの全身麻酔薬の投与状況等について説明を受けた後,医療器具等を用意し,同サティアン1階瞑想室で,假谷を診察した上,点滴を始めるなどしてその呼吸・循環等の管理に当たった。

 2 林郁夫は,同年3月1日午前3時ころ,井上から,仁科の居場所を聞き出すよう言われて中川と共に1階瞑想室で假谷にナルコを実施し,次いで井上自らも加わり再度假谷にナルコを実施したが,仁科の居場所を聞き出すことができなかった。井上と中村昇は,今後の假谷の処置について被告人の指示を仰ぐため,被告人のいる東京に向かったが,上九一色村に戻る被告人と行き違いになり,会えなかった。

 3 村井は,同日午前4時ころ,第2サティアンにきて,中川らから,假谷にナルコを実施した結果仁科の居場所を聞き出すことができなかったことや,頭部に電気刺激を与えて記憶を消すニューナルコでは,教団にらちされたという假谷の記憶を消すことができないことなどを聞いて,「そうか,帰せないかな。塩化カリウムでも打つか。」などと假谷を殺害する趣旨のことをほのめかし,さらに被告人は昼近くまで帰ってこないなどと言って帰っていった。

 4 その後,村井は,被告人に,中川らから聞いた話を報告し,今後の假谷の処置について指示を仰いだところ,被告人から,口封じのために假谷を殺害して従前と同様に証拠隠滅のためにその死体をマイクロ波焼却装置で焼却し,假谷の殺害に当たっては井田に假谷の首を絞めさせるという旨の指示を受けた。

 5 中川は,同日午前9時30分ころ,それまで假谷を意識喪失状態で管理していた林郁夫からその引き継ぎを受け,以後,第2サティアンの1階瞑想室で,假谷の意識喪失状態を保持したままその管理を続けた。
 その後,村井は,同日午前10時ころ,第2サティアンを訪れ,中川に,「やっぱりポア。井田に首を絞めさせろ。井田にポアさせることによって徳を積ませる。井田を今後ヴァジラヤーナで使うから。」などと言い,自分の言ったとおり假谷を殺害することになったという趣旨の発言をした上,塩化カリウムの注射ではなく,首を絞めることによって假谷を殺害し,しかも,井田を今後教団の違法行為に関与させるために,実行役を井田にさせる旨の指示をした。そこで,中川は,まだ都内にいた井上に電話をし,井田を連れてくるように頼んだ。
 中川は,その後も,假谷の様子をみていたが,部屋の外にいた平田悟に被告人からの指示内容を伝えるために1階瞑想室から出て假谷から目を離した同日午前11時ころ,前記のとおり,假谷は死亡した。
 井上及び中村昇は,中川からの依頼を受けて,そのころ,都内のファミリーレストランの駐車場で井田を乗せて上九一色村の教団施設に向かい,同日昼過ぎころ,第2サティアンに到着し,その際,中川から,假谷が死亡したことや被告人からの指示内容について聞いた。
 中川らは,被告人の指示に従い,井田に假谷の死亡を知らせないまま,既に死亡していた假谷の首を絞めさせた。その後,中川や中村昇らは,假谷の死体を焼却するためにこれをマイクロ波焼却装置のある第2サティアン地下室に移動した。

 6 その後,後記のとおり,假谷の死体がマイクロ波焼却装置のドラム缶の中に入れられ,その焼却が開始された後,井上,中川及び中村昇は,2,3日間を要する死体焼却の監視にだれが立ち会うかについて被告人に指示を仰ぐため,同日夕方ころ,第6サティアン1階の被告人の部屋に行った。すると,被告人は,それまでに飯田から「假谷さんが車で連れ去られたことで,大崎警察署からあなたがたは知らないかという電話が入りました。」などと報告を受けており,レーザー銃をうまく使わなかったために通行人に現場を目撃され警察に通報されてしまったと思い込んでいたことから,井上ら3人に対し,「なぜ,無理してやったんだ。警察が動いてるじゃないか。レーザーを使わなかったんだろう。」としっ責し,これに対し,井上が,「レーザーは実験しましたが,使えませんでした。」などと弁明した。その後,中川が,被告人に,假谷の死体の焼却にはだれが立ち会えばいいか尋ねると,被告人は,「おまえたちでやるしかないんじゃないか。」と言って,假谷のらちを実行した者で責任を持って遺体を処理するように指示した。

 7 そこで,井上や中川らは,中村昇,中川,井田及び高橋克也の4人が交替で假谷の死体の焼却作業の監視に当たることにした。

[罪となるべき事実第2(死体損壊)]
 被告人は,井上,中川及び中村昇らと共謀の上,同年3月1日ころから同月4日ころまでの間,第2サティアン地下室において,假谷の死体をマイクロ波加熱装置とドラム缶等を組み合わせた焼却装置(マイクロ波焼却装置)の中に入れ,これにマイクロ波を照射して加熱焼却し,もって,同人の死体を損壊した。

[弁護人の主張に対する当裁判所の判断]
 1(1) 弁護人は,假谷の死因は不明で特定することができず,少なくともチオペンタールナトリウムの過剰投与が原因でないことを明らかであるから,逮捕監禁行為と假谷の死亡との間に因果関係は認められないと主張する。
 (2) しかしながら,証拠によって認められる中川や林郁夫が假谷に全身麻酔薬を投与しその管理をした状況に係る事実関係や昭和大学医学部麻酔学教室の増田豊助教授及び林郁夫の各証言に係るその知見内容を総合すると,(ア) 一般的に,全身麻酔薬であるチオペンタールナトリウムを投与する場合には,被投与者がその副作用である呼吸抑制及び循環抑制による危険な状態に陥るのを予防するために,揺り動かせば応答する程度の不完全な覚せい状態までのみならず,完全に覚せいするまで被投与者の状態を管理し,完全に覚せいするまでのいつでも起こり得る呼吸抑制及び循環抑制の副作用に対し適切な処置をとらないと被投与者を死亡させる可能性があること,(イ) チオペンタールナトリウムの投与許容量は,一機会にせいぜい2gであるから,假谷に対するチオペンタールナトリウムの投与(約2.8gないし約3.4g)は過剰投与であり,假谷に対し,その副作用である呼吸抑制及び循環抑制に対する適切な処置をしなければ,危険な状態を招くおそれがあったこと,(ウ) 假谷は,平成7年3月1日午前11時ころの時点において,意識喪失状態にあり,麻酔状態が遷延し,呼吸抑制及び循環抑制の状態にあったこと,(エ) それゆえに,假谷は,①呼吸中枢が抑制されて呼吸が停止した,②エアウェイの装着が不完全であり,舌根沈下により気道が閉塞した,③合わないエアウェイの装着を契機として,呼吸抑制に起因する喉頭けいれんを誘発し,声帯が閉塞し呼吸ができない状態になった,④循環中枢が抑制され心停止に至った,⑤循環抑制により心筋そのものに抑制作用が働くなどして心停止に至った,⑥循環抑制が呼吸抑制を引き起こし呼吸が停止した,以上の①ないし⑥の機序のいずれか又はその複合により心不全に陥り死亡したことが認められる。
 したがって,假谷が死に至った具体的な過程は必ずしも特定することはできないものの,いずれにしても,假谷は,大量の全身麻酔薬を投与され呼吸抑制及び循環抑制の状態に陥り,それが原因で心不全により死亡したと認められるから,假谷を監禁するための手段である全身麻酔薬の投与と假谷の死亡との間に因果関係があることは明らかである。この点に関する弁護人の主張は採用することができない。

 2(1) 弁護人は,被告人は,井上らに対し,假谷のらちやその死体の焼却を指示したことはないと主張する。
 (2) そこで判断すると,井上は,被告人が假谷をらちしナルコを実施して仁科の居場所を聞き出すように井上らに指示した際の状況やだれがその死体焼却に立ち会うかについて井上らが被告人の指示を仰いだ際の状況について,前記第1の犯行に至る経緯4及び第2の犯行に至る経緯6の各事実に沿う証言をし,中村昇は,捜査段階において検察官に対し,文脈から被告人を指すことが明らかな「最高幹部」という言葉を使い,「最高幹部」から假谷のらち等や死体焼却に関して指示があった旨の供述をし,中川は,前記第2の犯行に至る経緯6の事実に沿う証言をしている。
 (3) 井上証言は,被告人が假谷のらちやその死体の焼却に関して指示したことについて,中村昇供述や中川証言とよく合致し,相互にその信用性を補強している上,そこで述べられている内容についてみても,これまで違法行為に関与したことのない教団信者のいるところで「ポア」という言葉を使ったことについて弟子から注意されて「らち」と言い換え,さらに「ほかしておこうか。」とぼやくに至ったくだりは,被告人が仁科を放っておこうという趣旨のことを言いながらその直後別室で仁科の実兄をらちして仁科の居場所を聞き出すよう指示した経緯をよく説明し得ているし,假谷らちの現場を目撃され警察が動き出している旨の報告を既に受けていた被告人が,レーザー銃の使用に関して井上と交わした一連の会話の内容も相応の具体性と現実性を有するなど,その前後における事態の推移ともよく符合し自然で合理的である。また,教団においては,平成7年1月1日以来,教団施設に対する強制捜査は相当の関心事となっていたものであり,出家を約束した資産家の教団信者が教団から布施を強要されるあまり所在不明となっていた状況で,その信者の実兄をらちした場合,同人がその前日にはボディガードらしき人物を付けるなど教団の違法行為に対して警戒をしていたふしがあることなどを併せ考慮すると,まずもって警察から疑われるのは教団であり,ひいては,教団施設が強制捜査を受けることにもなりかねず,このような教団の存続にも影響を及ぼしかねない行為を,弟子たちが教団の代表者であり弟子たちのグルでもある被告人に無断で計画し実行するとは到底考え難い。さらに,井上は,かつてのグルである被告人に対する気持ちの整理をした上で被告人の事件への関与を明らかにしようという思いで被告人の面前で証言し,しかも,被告人に対する信仰心に特に変化はないと公判で明言する中村昇が,捜査段階において,最高幹部という言葉を用いながらではあるが被告人から假谷のらちやその死体の焼却に関して指示があったことについて井上証言と合致する供述をしていることに照らすと,井上が,自己の刑事責任を軽減するために無実の被告人を引き込もうとして被告人に不利益なうその供述をしたとは認められない。

 これらの点に照らすと,井上証言,中村昇供述及び中川証言の信用性は高く,これらの証言や供述をはじめ関係証拠を総合すれば,被告人が井上らに対し,假谷のらち等やその死体焼却の指示をしたことは明らかである。この点に関する弁護人の主張は採用することができない。

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2010.03.20

think黙とう:地下鉄サリン事件から15年 

あの事件から15年が経過しました。
今日1日は、あの日のことを、しっかりと考え、そして今後に生かす道を考えたいと思います。
事件はまだ終わっていません。

以下は、当時の首都の緊迫した情勢で、僕の書いた原稿です。
ご興味のある方はぜひ読んでみてください。
当時の緊迫した情勢がよくわかると思います。

⇒「原稿:首都は今戦時下にある

・当時の緊迫した情勢

1995年1月1日 読売新聞が1面でサリン報道
1995年2月28日 刈谷さん拉致事件が発生
1995年3月4日 この日から刈谷さん拉致事件が、連日、オウム真理教の犯行であるとの報道がなされるようになる。
3月6日、オウム真理教が、朝日新聞を提訴。その後次々とマスコミを提訴。
3月15日 霞ヶ関駅自動噴霧器設置事件が発生。
1995年3月19日 阪大生拉致事件で、大阪府警が、オウム真理教大阪支部に強制捜査。
1995年3月19日 島田元教授宅 爆発物設置事件が発生(自作自演)
オウム真理教東京総本部に火炎瓶が投げつけられる(自作自演)

1995年3月20日 地下鉄サリン事件発生
1995年3月22日 オウム真理教に対する強制捜査
1995年3月24日 上祐史裕氏が、緊急帰国する。
1995年3月30日 国松長官銃撃事件発生。 

今年、国松長官銃撃事件は、今年3月30日で時効を迎えるそうです。
当時、長官銃撃事件をまったく予想していなかったと、当時警視総監の井上幸彦さんが、朝日新聞2010年3月19日付長官で語っていますが、当時の警察の、そしで行政、政府の、オウム真理教に対する理解、ひいてはカルトの理解がまったくなかったことを示しています(今もなお不十分ですが・・・・)。

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