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2017.04.03

重要判決>自称祈祷師に懲役14年6月=薬不投与で糖尿病男児死亡―宇都宮地裁

2017年3月24日、宇都宮地裁で、カルト問題を扱う者としては、重要な判決が出ました。

当時7歳の児童に対する殺人罪に問われた自称祈祷(きとう)師の建設業近藤弘治被告(62)に対する有罪判決です。

近藤被告は、2015年4月、宇都宮市の1型糖尿病の小学2年今井駿(いまいしゅん)君(7歳男児)に、治療に不可欠なインスリンの投与中断を両親に指示し、死亡させました。

求刑は15年に対し、懲役14年6月ですので、ほとんど減刑されない、かなり重い判決ということができます。

法廷での近藤被告の反省ない態度(判決は、「被告人は当公判廷において不合理な弁解に終始し、被害者の良心を愚弄するなど、反省の態度を全く示してもいない」としています。)が、判決した裁判員の心象に影響した可能性があります。

同種事件として、2005年に発生した「真光元事件」=「次世紀ファーム研究所事件」があります。

やはり1型糖尿病の少女(当時12歳)が死亡した事件で、彼女の無念と教祖的立場の人物を信じてしまった親の悲嘆さを思うと、この原稿を書きながらも胸が痛くなりますが、真光元事件では、教祖的立場の堀洋八郎(故人)に対し、過失致死罪の告訴でさえも不起訴とされ、担当者のみ薬事法違反で有罪(過失致死罪は無罪)という結果になっていました。

しかし1型糖尿病の子供にインスリンの投与をやめさせれば、死亡することが必然であり、過失致死どころか、殺人罪にもあたると思われます。

今回の判決は、1型糖尿病について、「体内でインスリンがほとんど生成されないので、外部からインスリンを取らなければ生きていけないことが、認められる」とはっきりと認め、ついに、この種の事件で、教祖的立場の人物に、殺人罪の適用を認めました。

カルトの問題においては、子供の死は究極の児童虐待です。

たとえば、最近でも(2017年3月15日)、前橋で、暴行事件ですが、当時1歳4カ月の城田麻雛弥(ますみ)ちゃんが「悪魔祓(はら)い」などと称した暴行を受け死亡した事件があり、「中島順聖(せいしょう)」こと無職の北爪順子容疑者(64)=前橋市駒形町=が、起訴された事件があります。

またカルト内の子供の人権の問題は、信仰2世の問題につながっていきます。

たとえば、最近の幸福の科学信者の清水富美加さんの芸能事務所独立騒動や、関西の森友学園における子供への偏頗な教育といった問題も、対象団体がカルトか否かはともかく、子供に対するマインドコントロールの問題として、程度問題として、信仰2世の問題とつながっていきます。子どもは親を選べません。

さらに、教祖的人物の指導に従ったことから、かけがえのない子供を失った悲劇の両親の立場からも、自ら受けたマインドコントロールの問題がからんできます。

いずれも僕の本でも触れているところではあるのですが、実は、2007年に「カルト宗教―性的虐待と児童虐待はなぜ起きるのか」と書いた時に、続編として、今度は、日本で実際におきた子どもの死亡事件や、信仰二世の問題を書こうと考えていたのですが、結局、多忙で、まだ書けていない大テーマです。

書くとなると、本一冊分の分量になろうかと思いますので、少し頑張らないといけないと思っています。

さて、ここからはやや専門的となりますが、今回の事件では、判決は、インスリンを止めるように指示を受けたのは母親、母親と相談し実際にインスリンを止めたのは父親であるとして、近藤被告との関係では、母親に対しては間接正犯、父親との関係では保護責任者遺棄致死罪の範囲で、共謀共同正犯が成立し、実際にインスリンを止めた実行者ではない、近藤被告に対し、未必の故意かつ不作為の殺人罪が成立するとしています。

過去、未必の故意かつ不作為の殺人罪に問われた著名事件として、SPGFの教祖的立場の高橋弘二(故人)に対する事例(一審判決は懲役15年、但し高裁で7年に減刑=wiki)もありますが、今回は、高橋弘二事件と異なり、初めての裁判員裁判の判決となります。

以上、裁判実務的に、とても重要な判決だろうと思いますので、アップし紹介しておきます。


[参考]

・宇都宮事件=自称祈祷師に懲役14年6月=薬不投与で糖尿病男児死亡―宇都宮地裁 時事通信2017年 3/24(金) 16:35

 2015年4月、宇都宮市の糖尿病の男児=当時(7)=の治療に不可欠なインスリンの投与中断を両親に指示し、死亡させたとして、殺人罪に問われた自称祈祷(きとう)師の建設業近藤弘治被告(62)の裁判員裁判の判決が24日、宇都宮地裁であった。

 佐藤基裁判長は「被告は主導的な立場にあり、犯行態様は残酷で悪質性は高い」などとして、懲役14年6月(求刑懲役15年)を言い渡した。

 起訴状によると、近藤被告は15年4月、男児の両親がインスリンを投与しなくても治療できると信じていることに乗じ、死亡する恐れがあると知りながら投与の中断を指示。男児を糖尿病による衰弱で死亡させたとされる。


○下野新聞に掲載された紀藤のコメント⇒「被告と母親に上下関係」類似事件に詳しい紀藤正樹弁護士語る 糖尿病男児衰弱死=下野新聞=2017年3月25日 朝刊

 自ら「難病を治せる龍神」をかたった近藤弘治被告による事件。ライフスペース事件など類似する事件に詳しい紀藤正樹(きとうまさき)弁護士(56)=第二東京弁護士会=は「信じる心につけ込んだマインドコントロールの要素を市民感覚で表現した判決」と分析した。

 近藤被告は、思い悩む母親にメールで「インスリンは毒」「病院の指導では体がもたない」など恐怖をあおる半面、「治せる」と希望につながる言葉も掛けた。

 紀藤弁護士は「被告と母親の上下関係がはっきり分かる」と指摘した。

 さらに「難病の子どもを食いものにする主宰者は全国各地にいる」とし、同種の事件が起こることを懸念した。


・前橋事件=「悪魔祓い」64歳女、謝罪なく「黙秘」貫く 傷害致死罪で起訴 群馬=産経新聞=2017.3.16 16:20更新

 当時1歳4カ月の城田麻雛弥(ますみ)ちゃんが「悪魔祓(はら)い」などと称した暴行を受け死亡した傷害致死事件で、「中島順聖(せいしょう)」こと無職の北爪順子容疑者(64)=前橋市駒形町=が15日、前橋地検に起訴された。

 北爪被告は県警に逮捕されてからも謝罪の言葉を口にせず容疑を否認、黙秘に近い状態を続けていた。同地検は認否に関し「お答えできません」としている。

 北爪被告は自身の「特別な能力」を、「見える人には見える」などと雑談には応じるものの、犯行には「あやしていた時にぶつけたかもしれない」などと話すのみだった。

 起訴にこぎ着けたことに捜査幹部は「捜査を尽くした結果を踏まえ、地検が起訴できると判断したのだろう」と話した。

 逮捕の決め手は、犯行現場に居合わせた関係者の証言と麻雛弥ちゃんが頭部に強い衝撃を受けたとする医師の鑑定結果で、起訴内容にも盛り込まれた。起訴状によると、平成23年5月2日午後5時ころ、北爪被告は自宅アパートで、麻雛弥ちゃんを両脇から抱えて頭上に振り上げ、床に投げつける暴行を加えたことにより急性硬膜下血腫などで死亡させたとしている。


・成田ミイラ化遺体事件=ライフスペース=SPGF情報=僕のホームページより

・真光元事件=2005.07.22 真光元(しんこうげん)と薬事法=僕のブログより

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