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2016.03.01

猛省すべき地裁高裁の権力迎合的裁判官=認知症鉄道事故訴訟で家族への賠償責任を否定した最高裁判決に思う=2016/3/2午前5時更新情報あり

本日3月1日、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は、認知症の男性が徘徊(はいかい)中に列車にはねられ死亡した事故について、JR東海が家族に損害賠償を求めた訴訟で、男性の妻(93)と長男(65)の賠償責任を認めず、JR東海の請求を棄却する判決を言い渡しました。

普通の法理論からすると、認知症の患者には責任能力がない以上、損害賠償責任を認めることはできず、またこれを監護する家族に監督(過失)責任を問うことも、監護の実情から見て余りにも酷である(責任を問われると言うことになると、認知症患者は自宅に監禁しておくしかなくなります。)ことを考えると、家族勝訴はあまりにも当然の理でした。

民法713条「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない。ただし、故意又は過失によって一時的にその状態を招いたときは、この限りでない。」

実際、今回の最高裁判決は、「民法が定める夫婦の扶助義務は相互に負う義務であり、第三者との関係で監督義務を基礎付ける理由にはならない」と判断。一方で「自ら引き受けたとみるべき特段の事情があれば、事実上の監督義務者として賠償責任を問うことができる」とした。監督義務者に当たるかどうかは「同居の有無や問題行動の有無、介護の実態を総合考慮して、責任を問うのが相当といえるか公平の見地から判断すべきだ」と指摘しています。 ⇒<認知症男性JR事故死>「家族に責任なし」監督義務を限定=毎日新聞 3月1日(火)21時22分配信

今回、解釈が争われたのは、次の民法の条文ですが、あくまでも713条が、当然の原則であることに注意が必要です。無条件に、714条の責任を認めると、事実上、責任能力なき者の不法行為責任を、常に回りが負わなくてはならなくなります。

つまり最高裁の判決は、「公平の見地」から、714条の「適用射程」に限界を設けたわけです。

(責任無能力者の監督義務者等の責任)第七百十四条「前二条の規定により責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。ただし、監督義務者がその義務を怠らなかったとき、又はその義務を怠らなくても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。 2  監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者も、前項の責任を負う。」
ところが一審の名古屋地裁が、男性の妻と長男に全額の賠償を命令し、二審の名古屋高裁も、妻だけに約360万円の賠償を命じたことが、そもそもボタンの掛け違いです。安易に714条を適用して、JR東海を勝訴させたというわけです。

この事件は、まさに裁判官が巷間言われているとおり、とかく権力や大企業に(たとえば原発事故でも電力会社相手の訴訟や国相手の訴訟において)弱い属性を大きく表していると思います。

今回の最高裁判決の結果について、名古屋地裁、名古屋高裁と、この事件に関わった裁判官たちは、猛省すべきだろうと思います。全員の裁判官の氏名を公開したいくらいです。

法に従わない裁判官は、失格というほかありません。間違った裁判により被った遺族の被害は甚大です。

憲法76条3項「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」

「JR東海の強い姿勢に翻弄(ほんろう)された苦しい8年間だった。」とご長男が述べられていますが、御主人をなくされながらも裁判を余儀なくされた奥様、そしてご長男の方は、さぞ大変だったと思います。

「責任ない」信じる=死亡男性の長男-認知症事故訴訟=時事通信(2016/03/01-05:31)

心から事故で主人をなくされたご遺族にお悔やみを申し上げます。

そして勝訴が確定した以上、「訴訟費用」をきちんと「JR東海」に請求された方がよいと思います。

そして本当は、この種の間違った裁判により被った被害は、裁判所に対して、冤罪と同様、損害賠償請求ができる仕組み、すなわち法律が必要だと思います。

この点は、司法の自浄作用は難しい領域ですので、政治家の出番だろうと思っています。

民事訴訟法(訴訟費用の負担の原則)第61条「訴訟費用は、敗訴の当事者の負担とする。」

また今回の訴訟で、鉄道で人身事故が起きた場合、鉄道会社が請求する金額が、720万円にも上るということも判明しました。

本件は、認知症の事案ですが、鉄道自殺は、鉄道遅延等により多くの人に迷惑を与えるだけでなく、遺族の迷惑ともなります。

くれぐれも鉄道自殺はしないようにとの、教訓と判断材料をも与えてくれています。

もっと知られてよい事件だろうと思います。

[参考記事]=いずれも時事通信

家族の賠償責任否定=認知症事故訴訟―最高裁=3月1日(火)15時7分配信

 認知症の男性が徘徊(はいかい)中に列車にはねられ死亡した事故をめぐり、JR東海が家族に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第3小法廷(岡部喜代子裁判長)は1日、男性の妻(93)と長男(65)の賠償責任を認めず、JR東海の請求を棄却する判決を言い渡した。

 家族側勝訴が確定した。

「JR東海認知症事故訴訟」 時事ワード解説.

 愛知県大府市で2007年12月、認知症で徘徊(はいかい)中の男性がJR東海共和駅構内の線路上で列車にはねられ死亡した。同社は振り替え輸送費用など約720万円を家族が賠償するよう求め提訴。一審名古屋地裁は男性の妻と長男に全額の賠償を命令。二審名古屋高裁は妻だけに約360万円の賠償を命じ、JRと家族側の双方が上告した。(了)(2016/02/28-14:13)

「責任ない」信じる=死亡男性の長男-認知症事故訴訟

 認知症事故訴訟の最高裁判決を前に、死亡した男性の長男(65)は「(事故以降は)JR東海の強い姿勢に翻弄(ほんろう)された苦しい8年間だった。最高裁では、賠償責任だけでなく家族の監督責任や、父が一人で外出することの危険性について問題がないと認められると信じている」とのコメントを出した。(2016/03/01-05:31)

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