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2015.09.03

オリンピック組織委員会が十分な謝罪すらせず自ら「全責任」を認める記者会見の異常性 16:00更新情報あり

昨日2015年9月1日の公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会(以下「組織委員会」と略します)の武藤敏郎事務総長らの記者会見は、法律家として、とても理解できないものでした。

つまり武藤氏は、何も謝っていないように見えて、法的には全面的に、組織委員会の非を認めています。

この点は、法律家でない「一般国民」(武藤氏と佐野氏の使用例)には、なかなか分かりにくい面があると思われますので、以下で、解説を試みます。

この記者会見での武藤氏の発言を前提とすると、

1 著作権侵害がないにもかかわらず、

2 組織委員会に所有権がある、

3 これまで何も問題がないといって使用を推奨してきた、エンブレムにつき、

[参考]【東京五輪エンブレム】「今後もエンブレム使う」森会長の見解受け都知事 - 産経ニュース2015.8.5 20:28更新 都庁で取材に応じた舛添知事は「組織委の会長が全く問題ないとの見解だったので、都としても使うということだ」と述べた。

4 エンブレムを一方的に取り下げた

ということですから、

今のところ、企業や都などの、エンブレム使用にかかる損害賠償などの、民事的な損害賠償責任は、すべて組織委員会にあることになります。

これは著作権の問題とは、全く別の論点です。

何も、取り下げる必要のないエンブレムを、一方的に取り下げたことは、企業等に対する契約違反あるいは契約に付随する信義則上の義務違反になる可能性があります。

しかも既にエンブレムを使用して、損害が生じた企業や東京都にとって、損害賠償の問題を、組織委員会との密室の交渉で調整することは、リスクあるエンブレムをあえて使用しなかった企業もある中で、あえて使用決断を下した以上、当該企業の役員や都知事等の責任問題(株主代表訴訟、住民訴訟等)にも発展する可能性があります。

これは当該企業や東京都にとっては、被告となる訴訟リスクです。

これだけ国民に注目されているエンブレム問題ですから、企業や東京都が、訴訟リスクを回避しようとすると、株主や国民に開かれた形で、透明度のある解決方法を取るしかありません。

つまり密室での組織委員会との談合は許されません。

このようにどこまでも全責任を組織委員会がかぶる、法律構成を前提とした記者会見を実施するにつき、その是非を、組織委員会は、記者会見前に、事前に、きちんと弁護士の意見を聞かれたのででしょうか。

非常に疑問です。

組織委員会の危機管理として、いかがなものでしょうか。

組織委員会には、公費が投入されているはずです。これでは、損害(の一部)を、一方的に「一般国民」も被ることになります。

組織委員会が、一方的に損害賠償責任を被る、こんな理屈で、組織員会の公式な意見を公表すること自体が、本当によいことでしょうか。

しかも何も今回の責任の所在につき、検証せず、です。

もちろん佐野研二郎氏側に問題があるのであれば、組織委員会の責任は弱まります。場合によってはなくなる可能性すらあります。

つまり今回の問題は、国立競技場問題と同様、第三者検証委員会を作って、きちんと、佐野氏の責任問題を検証すべき問題です。

本来なら、組織委員会は、佐野氏の責任追及をすべき立場です。

小保方問題なら、理研と同様の立場です。

何も検証をせず、謝りもせず、法的には全面的な賠償を認めるような記者会見をするから、国民から見ると、他人事のような会見にしか見えず、どうせ他人のお金で賠償するんだから、自分たちの懐は痛むわけでなはないし、といった、会見として、違和感を感じるんだと思います。

ですから佐野氏の責任の検証すらできないなら、組織委員会のメンバーの責任にも、発展することは必至です。

[参考]謝罪の言葉も、責任見えず=「誰が悪いわけでない」―エンブレム撤回で組織委会見時事通信 9月1日(火)22時25分配信 責任問題については、「三者三様」「誰が悪かったというものではない」と指摘。「佐野氏は取り下げを申し出たことで、責任を果たした」「選定委員会は適切な判断を示した」とかばった。今後の検証も明言せず、1時間半を超えた会見中、武藤氏らが頭を下げる場面はほとんどなかった。

今の状況では、「誰が悪かったというものではない」というのは、あくまでも武藤氏の個人的な意見に過ぎず、法的には、現段階では、組織委員会に、全法的責任が生ずることは明らかです。

何も検証しないで、断定的発言と続ける武藤氏の発言は、あまりにも無責任です。

[参考]20年東京五輪:エンブレム撤回 組織委記者会見(要旨) - 毎日新聞 2015年09月02日 東京朝刊

しかも展開例について、クローズの場であっても、営業上のプロモーションに使えば、「著作権法違反」であることも常識だろうと思います。

知的財産権を扱う者として、とても理解できない感覚です。

知的財産権のプロたる佐野研二郎氏も、大蔵官僚出身の武藤敏郎氏(現三井物産取締役)も、著作権侵害の違法性の問題意識すら持たず話されていること自体が、すごいことです。

しかし佐野氏は、あえて著作者権者の表示をはずしたのだから、確信犯です。

オリンピック組織委員会は、他人には知的財産権の使用には厳しいのに、なぜか佐野氏にはあまりにも優しいです。

[参考]オリンピック・パラリンピックに関する知的財産等の無断使用および不正使用ないし流用は法的にも罰せられます。

この問題、そしてサントリー、それぞれ一件だけとっても、本来、知的財産権を軽んじる佐野氏には、応募資格さえ、疑わしかったと思います。

佐野氏には、盗作ないし盗作疑惑が多数出てきているのですから、なぜ組織委員会が、検証すら申し出ないこと、自らの責任問題にも言及しないこと、もはや、「一般国民」の立場からは、とても理解できないことです。

繰り返します。

1 オリンピック組織委員会が、何も謝罪せず、自ら「全責任」を認める記者会見は、とても異常です。

2 「一般国民」は、今回の記者会見の異常性に、強く、違和感を強く感じているのだと思います。


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東京五輪エンブレム問題で組織委員会が会見

特に5分48秒あたりから

佐野「展開例に使った写真はもともと審査委員会の内部資料のために作った」
「(展開例は)審査委員会というクローズドの場では(出すのは)デザイナーとしては良くある話」
「公になるときには権利者の了解が必要というのは当然のルールだが、それを怠った。不注意だった」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


・以下[参考]=下線は紀藤

著作権侵害罪

第百十九条

 著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。第三項において同じ。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第三項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第四項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第三号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第五項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第四号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。


日刊ゲンダイ|損害賠償に逮捕まであり得る…佐野研二郎氏の“地獄の今後”=2015年9月2日

 今後の佐野氏はどうなるのか。エンブレムはパクリではないことを強調したものの、デザイナー生命は風前のともしびだし、もっとヤバそうなのは五輪スポンサー企業からの損害賠償請求だろう。パナソニックやトヨタ自動車をはじめ、計21社のうち13社が既に佐野氏デザインのエンブレムを使用。ENEOSや野村HDは、先月22日からエンブレムを使ったCMをテレビで流している。当然、白紙になったことで企業は大きな損失を被ることになる。

 「スポンサー企業が組織委を相手取り、訴訟を起こす可能性があります。そうなれば、組織委は佐野氏を訴えるかもしれない。一方、企業側は訴訟を起こし損害賠償を請求しないと、逆に株主からの信用を失うことにもなりかねません。一般論ですが、業務妨害罪や著作権侵害罪を問われ、場合によっては逮捕される可能性もあります」(弁護士の紀藤正樹氏)

 故意による著作権侵害罪は懲役10年以下あるいは1000万円以下の罰金だ。佐野氏はこれまでに、サントリーの景品、東山動植物園と太田市美術館のロゴ、多摩美術大のポスターデザインなどで盗用疑惑を持たれている。太田市は不問に付すことを発表したが、ヘタをすれば、訴訟ラッシュに発展する。


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