判決を書いたのは、長野地裁飯田支部の加藤員祥<かずよし>裁判官
暴言を吐いたのは、当時の同支部の支部長・樋口隆明裁判官
経歴を見ると、樋口隆明裁判官は、42期。
暴言当時、「H.21. 4. 1 ~ H.24. 3.31 長野地・家裁飯田支部長、飯田簡裁判事」、今は、「H.24. 4. 1 ~ 前橋地・家裁判事、前橋簡裁判事」だそうです。
他方、加藤員祥裁判官は、樋口隆明裁判官の後輩にあたる46期。経歴を見ると、樋口隆明裁判官と入れ替わりで、「H.24. 4. 1 ~ 長野地・家裁飯田支部判事、飯田簡裁判事」をつとめられておられます。
今回の判決は、勇気を持って、法に基づき、先輩裁判官の暴言の違法性を認めたという点で、加藤員祥<かずよし>裁判官は、とっても偉いと思います。
憲法上、「その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される」=”法”の番人たる裁判官の気概を見せたという点で、裁判官として、尊敬に値すると思います。
しかしまた、一般市民の発言ではなく、判決の結果という、原告(=暴言の被害者)の生殺与奪を裁判官=権力者の発言、すなわちパワハラとも評価できる発言が、「3万円」の慰謝料というのは、あまりに慰謝料額が低すぎると思います。
それにしても、樋口隆明裁判官が、「あなたの審理が終わらないので、上司から怒られているんだ。私の左遷の話まで出ている」と発言した、その上司の名前を知りたいです。
そもそも憲法上、独立して職権を行える裁判官、しかも飯田支部の支部長裁判官を叱れる裁判官は、どのような立場で、樋口隆明裁判官を叱っているんでしょうか?
樋口隆明裁判官の「上司の言動」は、「左遷」という言葉自体が、パワハラになる可能性があるうえ、憲法上も、問題があるケースだろうと思います。
{参考}=下線は紀藤
・日本国憲法
第七十六条
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
・<裁判官暴言>「あなたのせいで左遷」に慰謝料 長野地裁=毎日新聞 2月2日(日)13時0分配信
民事訴訟の口頭弁論で担当裁判官に暴言を吐かれ、公平な裁判を受けられなかったとして、長野県飯田市の男性が国と長野地裁、裁判官に約220万円の慰謝料などを求めた訴訟の判決で、地裁飯田支部(加藤員祥<かずよし>裁判官)は男性の訴訟活動を制限する感情的な発言があったと認め、国に慰謝料3万円の支払いを命じた。30日付。裁判自体は公平だったと判断し、地裁や裁判官への請求は退けた。
判決によると、男性は2010~11年に飯田支部であった損害賠償訴訟の被告。11年8月の第6回口頭弁論で、担当の樋口隆明裁判官が、新たな主張を展開した男性に「今日、結審する予定だった」「あなたの審理が終わらないので、上司から怒られているんだ。私の左遷の話まで出ている」などと突然、顔を赤らめて怒り、男性に恐怖感を抱かせた。加藤裁判官は、樋口裁判官の個人的な事情を理由にした感情的な発言だったと違法性を認めた。
一方で、樋口裁判官が発言後、男性の言い分を聞いたことなどから、裁判の公平が損なわれたとの主張は認めなかった。【横井信洋】
---------------------------------------------------------
□長野地裁飯田支部
□樋口隆明裁判官の経歴
□加藤員祥裁判官の経歴
最近のコメント