急報!近未來通信被害対策弁護団長 意見
本日、近未來通信通信被害事件が大きく進展したようです。弁護団意見は別に出ますが、弁護団長として、個人の意見として次のものをUPしておきたいと思います。
近未來通信被害対策弁護団長 意見
2009年11月26日 紀藤正樹文責
本日の逮捕は、近未來通信に対する捜査を大きく進展させるもので歓迎したい。警視庁の地道な捜査の結果であり、大きく感謝するものである。
但し近未來通信の被害者の救済に携わる者としては、首謀者である同社元社長石井優容疑者が逃亡していることで、逮捕者数の点で、捜査が縮小している感が否めないことには、非常に残念な感がある。
そもそも石井優容疑者は3年前(2006年12月4日)の強制捜査の直前(2007年11月17日)に、億単位の金とともに海外逃亡した。
首謀者である石井優容疑者が、警察の捜査の裏をかいた逃亡劇を行うことによって、その後3年もの間、他の容疑者への逮捕が遅れる事態を生み、さらに今回の逮捕が、この種の投資被害事件においては、いかにも逮捕者が少ない(注)という捜査の縮小という結果を生む結果となっている。
このような捜査への委縮効果は、まさに石井優容疑者の思惑どおりとなっており、現在でも石井容疑者が海外逃亡を続けていることを考えれば、警察への挑戦とも受け取れるものであって、このような逃走劇は、捜査への大きな脅威であり、被害者も浮かばれない結果につながるものである。
被害者にとっては、容疑者の犯罪が法により厳正に処罰されること、そして被害の賠償が十分になされることの、二つが車の両輪として重要であるが、この3年間、被害者は、破産申し立てや損害賠償の民事訴訟という民民の処理を優先させるしかないもどかしい状態であった。今回の捜査により、当然に、すでに全国各地で提起されている被害者の民事提訴が進展し、また今後提訴を予定している民事訴訟に、大きく弾みがつくことなる。
その前提としても、今回の逮捕に引き続き、他の容疑者についても容疑が固まり次第、逮捕するなど逮捕者をさらに増やし、ひいては石井優容疑者の逮捕につなげ、戦後12傑(注)に入る大型の詐欺被害事件である近未來通信被害の全容が解明されることを、大きく期待したい。
[参考]
注 戦後の大規模消費者被害・2009年2月5付の朝日新聞夕刊より
順位
3 2009年 L&G(円天) 1260億 37000人
22人逮捕、全員起訴
7 2008年 ワールド・オーシャン・ファーム 849億 35000人
18人逮捕、13人を起訴
9 2007年 リッチランド 540億 13000人
10 2007年 平成電電 490億 19000人
12 2007年 近未来通信 400億 3000人
13 2002年 ジーオーグループ 300億 33000人
2 2002年 八葉グループ 1559億 49000人
5 2001年 大和都市管財 1100億 17000人
6 2000年 法の華三法行 950億 22000人
11 1998年 ココ山岡宝飾店 420億 12000人
12 1997年 経済革命倶楽部 350億 12000人
4 1992年 茨城CC 1200億 50000人
1 1987年 豊田商事 2000億 30000人
8 1985年 投資ジャーナル 580億 7800人
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