園尾隆司裁判官は、名物裁判官で、破産法の専門家でもあり、東京地裁の破産事件の処理を、要件事実型(債務者説明型)から、迅速処理型(債権者説明型-ほとんどの事件で債権者は意見を述べないので、簡単な破産申し立てでも、破産が認められる方式)に大きく変えた人です。
そのため破産専門弁護士事務所・営利追求型事務所の急成長と乱立という事態も生みました。
事務レベルでも、破産処理を可能としたからです。
最近テレビでよく登場する弁護士石丸幸人氏の事務所もその一つに入ります。
ただ僕的には、とても実直で人間的で、先例主義にとらわれない努力家で、とても大好きだった裁判官の一人でしたので、今回のことは、とても残念です。
[参考記事]
宇都宮地裁所長が所属裁判官審尋で質問、懲戒要求の動き (2007年10月27日20時20分 読売新聞)
宇都宮地裁の園尾隆司所長が、地裁所属の裁判官が担当する破産事件の審尋に出席して債務者に質問していたことがわかり、栃木県弁護士会(直井勇会長、118人)は27日、「憲法に定めた裁判官の職権の独立を侵害した」として、園尾所長を裁判官分限法に基づく懲戒処分とするよう東京高裁に求めることを決めた。
県弁護士会によると、弁護士会が裁判官の懲戒を求めるのは異例という。
問題となったのは、同県日光市のホテルの破産事件で、今年2月21日に地裁で開かれた審尋。県弁護士会が出席した弁護士に聞いたところ、裁判官3人の合議体で行われた審尋に、園尾所長も「書記官の補助者」として出席し、裁判長の許可を得て債務者の資産などを質問したという。
県弁護士会が27日に開いた臨時総会では、出席した50人全員が「園尾所長の行為は問題」との認識で一致。「人事評価の権限を有する所長が、所属裁判官の審理に立ち会うのは、裁判官の職権の独立を侵害する」などとする決議案を、賛成多数で可決した。
園尾所長は、2006年9月から現職。東京地裁裁判長としてそごう、山一証券など経営破たん企業の案件を手がけた経験がある。園尾所長は25日、地裁を通じて「本件の破産事件が珍しいので、個人的な研究心から立ち会った」とコメントした。
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