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2006.07.19

あの事件は何だったのか?-パロマ事件で思い出す友人弁護士一家の死。

弁護士になって2年目。 同期の平形弁護士が、ガス湯沸かし器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒で、死亡した。

通夜にかけつけたお寺で見たものは、亡くなった両親の棺おけ2つと、子ども3人の小さな棺おけ3つ・・・。

一家5人の死亡は、あまりにも痛ましく、悲しく、そして、修習生時代から、人権派を標榜していた弁護士仲間が、いなくなることの、喪失感と、そして、もったいなさを感じざるを得なかった。

今、パロマ工業(名古屋市)製の瞬間湯沸かし器による死亡事故が相次いでいる事件を見るにつけ、同社の責任は当然のことだとしても、あの1992年におこった事件はなんだったんだろうかという思いが強くなる一方だ。パロマも当然1992年におこった、この重篤な事件を把握していたはずだ。その意味で、ガス湯沸かし器の危険性を十分認識できた、あるいは認識していた、パロマの責任は重い。

ところが、平形弁護士の報道(↓)を見返しても、何社製かわからない。本当に、もどかしい気持ちで一杯だ。この事件、メディアでも、過去最大級のガス湯沸かし器の被害事件として、事件を掘り起こして欲しい。

そして現在の標準で考えれば、明らかに、ガス湯沸かし器の欠陥事故であったことを明確にしてほしい。そして企業の責任を明確にしてほしい。

それが、平形弁護士の無念を晴らす道ではないかと、考える自分がいる・・・。

↓以下、新聞記事。下線は紀藤
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CO中毒死と断定 東京の弁護士一家5人死亡

1992.12.10 東京朝刊 27頁 1社 (全109字) 

 東京都中野区野方2丁目の小田倉コーポで8日、弁護士平形幸夫さん(37)の一家5人が死亡した状態で見つかった事故で、警視庁野方署は9日、5人の解剖の結果、死因はガス湯沸かし器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒と断定した。

朝日新聞社

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湯沸かし器の安全対策徹底へ/東京ガス
1992.12.10 東京夕刊 14頁 (全334字) 

 東京都中野区で、弁護士平形幸夫さん(37)一家五人が死亡した事故に関連し、東京ガスは十日、不完全燃焼防止装置がついていないタイプの小型湯沸かし器百二十万二千台の安全対策に緊急に取り組む方針を固めた。

 同社によると、一都八県の同社管内でこのタイプの湯沸かし器を使用している一般家庭は全体の三六・八%。この不完全燃焼による一酸化炭素中毒死事故は、昭和六十三年以降、今回を含めて十件発生し、十五人が犠牲になった。いずれも防止装置の設置が義務づけられた平成元年以前に製造されたものだが、交換がなかなか進んでいないという。。

 対策としては、機種を交換するか、使う場合は換気に注意するしかなく、同社では、対象家庭に係員を派遣したりダイレクトメールなどで換気の徹底などを呼びかける方針だ。

読売新聞社

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弁護士一家5人がCO中毒死 換気せず湯沸かし器使用か/東京・中野
1992.12.09 東京朝刊 27頁 写有 (全568字) 

 東京都中野区野方のアパートで八日昼、弁護士平形幸夫さん(37)一家五人が死亡した事故は、野方署の調べで、平形さん方の瞬間湯沸かし器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒が原因との見方が強まった。死亡したのは平形さんと妻の久子さん(38)、長男健志君(9つ)(同区立野方小三年)、長女水穂ちゃん(6つ)、二女悠里ちゃん(4つ)(二人とも同区立沼袋西保育園児)。

 同署の調べによると、台所にあった使用状態の瞬間湯沸かし器の火が消え、ガスは自動遮断器が作動して止まっていた。窓は閉まっており、同署では湯沸かし器の不完全燃焼で一酸化炭素が充満したと見ている。

 平形さん一家は七日、風邪や腹痛などで全員が仕事や学校を休んでいた。

 東京ガス広報部によると、平形さん方の湯沸かし器は古い型で、一酸化炭素が一定量以上発生すると自動的にガスを止める不完全燃焼防止装置が付いていなかった。

 また、異常に長時間または大量にガスが使われた場合にガスを止めてガス漏れや爆発を防ぐ自動遮断器は正常に作動していたとみられることから、同部では、「ガス漏れの可能性はありえない。換気せずに湯沸かし器を長時間使用したのが原因では」と話している。

 平形さんの勤務先の法律事務所によると、平形さんは中央大学法学部卒業後、苦学して昭和六十二年、司法試験に合格。平成二年から同事務所に勤めていた。
読売新聞社

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中野区の5人ガス中毒死、平形さん一家と確認--警視庁野方署
1992.12.09 東京朝刊 26頁 社会 (全159字) 

 東京都中野区野方二、「小田倉コーポ」二階二〇二号室、弁護士、平形幸夫さん(37)方で八日正午、死体で見つかった五人は、警視庁野方署の同日夕までの調べで、平形さん一家と確認された。同署は室内のガス湯沸かし器が使用状態になっていたことなどから、不完全燃焼を起こし、一酸化炭素(CO)中毒死した可能性が強いとみて調べている。

毎日新聞社


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 一家5人?が死ぬ 自室でガス漏れ酸欠か 東京・中野のアパート
1992.12.08 東京夕刊 9頁 1社 写図有 (全704字) 

 8日正午過ぎ、東京都中野区野方2丁目の小田倉コーポ202号室の平形幸夫さん(37)方で人が倒れていると、110番通報があった。駆け付けた野方署員が居間で5人が死んでいるのをみつけた。台所のガス湯沸かし器の水が出っぱなしで、火がついていなかったことから、同署は湯沸かし器の火が何らかの理由で消えてガスが漏れ、酸欠を起こした可能性が強いとみている。

 調べでは、部屋はアパートの2階で、死んでいたのは成人男女と子供3人。幸夫さんと妻久子さん(38)、長男健志君(9つ)、長女水穂ちゃん(6つ)、次女悠里ちゃん(4つ)とみられる。5人はいずれもパジャマ姿で、布団の中で死んでおり、外傷は見当たらないという。

 平形さんの長男の健志君が通う、中野区立野方小学校の話では、7日朝、「おなかの調子が悪いので病院に行きます」という連絡ノートを友だちに託し、健志ちゃんは学校を休んだ。8日朝は、連絡のないまま休んだので、担任の教諭が休み時間の午前10時半ごろに自宅に電話をしたが、だれも出なかった。

 近所の人の話によると、同日午前11時半ごろ生活協同組合の配達の品物を平形さん方だけが取りに来ないので、別の組合員が部屋を訪ねたところ、呼び掛けても応答がなくガス臭かったので通報したという。

 東京ガスによると、同ガス職員が駆け付けたとき、平形さん方の台所の小型湯沸かし器の水が出たままだった。ガスが大量に流れでた場合に酸欠を防ぐためガスの供給を止める「マイコンメーター」が作動していた。このため、酸欠も考えられない、という。

 また、同コーポでは一酸化炭素が含まれていない都市ガスを使っており、ガスで中毒死することはない、という。

朝日新聞社

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ガス漏れ、一家5人死亡 湯沸かし器不完全燃焼か/東京・中野のアパート
1992.12.08 東京夕刊 15頁 (全384字) 

 八日午後零時十分ごろ、東京都中野区野方二の三三の一二のアパート「小田倉コーポ」二〇二号室、弁護士、平形幸夫さん(37)方でガスのにおいがすると、近所の人から一一九番通報があった。

 東京消防庁と警視庁野方署員が急行して調べたところ、居間にパジャマ姿の五人が倒れており、すでに死亡していた。

 死亡したのは、平形さんと、妻の久子さん(38)、長男健志ちゃん(9つ)、長女水穂ちゃん(6つ)、二女悠里ちゃん(4つ)ではないかとみて同署で確認を急いでいる。

 これまでの調べによると、台所の湯沸かし器の火が消えて水が流れたままになっており、室内にはガスが充満していた。死亡してからかなりの時間がたっていた。同署では、ガスの不完全燃焼による一酸化炭素中毒死の疑いが強いとみて調べている。現場は西武新宿線野方駅から南東に約百メートルの住宅地。近くに都立中野工高や区立平和の森公園などがある。

読売新聞社

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アパートの弁護士一家5人、ガス中毒死--東京都・中野
1992.12.08 東京夕刊 11頁 社会 (全305字) 

 八日正午ごろ、東京都中野区野方二のアパート「小田倉コーポ」二〇二号室から、ガス臭がするため、近くの住民が駆けつけると、室内に大人二人と子供三人の計五人が倒れ、死亡していた。

 警視庁野方署の調べでは、死亡したのは、弁護士、平形幸夫さん(37)と妻久子さん(38)▽長男健志ちゃん(9つ)▽長女水穂ちゃん(6つ)▽二女悠里ちゃん(4つ)とみられる。

 平形さん方は2DKで、五人は六畳間でパジャマ姿のまま寝た状態で倒れていたという。

 台所のガス湯わかし器の栓が開いていたが、ガスには火がついておらず、水が流れっぱなしになっていたという。同署では湯わかし器の不完全燃焼による一酸化炭素中毒か、酸欠死の可能性が強いとみている。

毎日新聞社

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2006-07 パロマ事件」カテゴリの記事

コメント

パロマの事故に関していろいろな報道や意見が出ていますが、基本的に重要な観点が抜けていると思います。

屋内設置型の瞬間湯沸かし器は、30年前の気密性の低い木造住宅に向いた機器だと思います。
現在のように、コンクリートマンション、気密性の高い戸建て住宅には元々無理のある仕組みです。これは昔から気密性の高い住宅の多い北海道で事故が多いことからも実証されています。

今回の不祥事に監督官庁の言い分がいろいろ出ていますが、官庁としてまずなすべきは、気密性の高い住宅では、裸火を室内で使うことを明示的に禁止すべきです。シックハウス対策で換気扇の設置を強制しているわけですから、強制に問題は無いでしょう。FF式の給湯器、もしくは電気式(エコキュート等)に限り許可すべきです。

パロマを含めた屋内裸火ガス器具のビジネスは既に社会の進化に遅れを取ってしまった産業です。
 ここは思い切って切り捨てることが、国として、監督官庁としてなすべき事です。
 マスコミも同様の観点で見て欲しいと思います。

 事故が起きたときにはその真の原因の追究は大事です。しかしもっと大事なのは、それをどのように解決するかです。大きな観点で見て、根っこから問題を解決する事が大事です。
 単に社内のコンプライアンスがどうこう...では、時間がたてば、再発します。

はじめまして

しかし、平形先生とそのご家族の通夜と葬儀ではお会いしていたかと思います。

私は、当時、平形先生が所属する法律事務所に事務員として勤めていた者です。
現在では、故郷に戻り、会社員をしております。

近頃、取りざたされてるパロマの事故から、14年前のこの事故を思い出してしまいました。

それというのも、平形先生のお人柄を知る者としてばかりでなく、私は先生一家が亡くなる前日、先生と先生のご長男に会っているからなのです。
風邪で休んでいる先生に書類(記録)を駅で手渡すことになったのだと記憶しています。
病院に行った帰りなのかこれから行くところなのかは忘れてしまいましたが、その時先生のご長男も一緒でした。
結局、それが今生の別れとなったのですが‥‥

平形先生は、小柄で色白な、いつも笑顔を絶やさない普段は温厚な方でしたが、社会正義を貫く時、その瞳の奥には強固な意志を感じさせる方でした。

平形先生ご本人の弁護士としてのご活躍、また、当時幼かった子ども達の未来を考えると無念でなりません。

このような事故(事件)は、二度と起きてほしくない事だと、起こしてはならない事だと14年経過した今でもいたたまれない気持ちです。

末筆ではございますが、紀藤先生の益々のご活躍をお祈り申し上げます。

今、朝日の記事を読んで、検索したらこのブログにたどり着きました。パロマ事件から、パロマという一企業の体質の問題かと思っていましたが、平形弁護士のケースはリンナイ製ということで、ガス会社やガス製品全般にいえる問題だということが分かりました。
 15年前のこととはいえ、当時の認識の低さを感じずにはいられません。交通事故で運転者の不注意が原因とされて、リコールすべき構造上の欠陥が放置されてきたことと共通する問題、つまり、捜査機関以外に、原因究明のための製造物から人命を守るための機関が必要だと思いました。

失敗学がもっと注目されないといけません。

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