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2015.06.11

もう匿名は許されないのではないか?=元少年A「神戸連続児童殺傷事件」手記出版の波紋 18時一部更新

1997年に神戸市須磨区で起きた連続児童殺傷事件で、当時14歳だった加害男性(32)が著者名を「元少年A」として手記「絶歌」(太田出版)を出版した、とのことです。

しかし出版社は「知る権利」を言いますが、出版社の仁義としても、事前に遺族に何ら連絡をしていなかったようです。

これは社会の木鐸として、あまりにもヒューマ二ティのない行為だと思います。

加害男性の非常識に手を貸す行為と思われても仕方がありません。

当然、遺族取材をしていないわけですから、出版社として、何ら裏付け努力もしていないことは明らかです。

仮に本の内容が虚偽で死者の名誉を傷つける部分があれば、刑法230条2項「死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。 」と言う規定上、共犯に問われる可能性すらあります。

もちろん本の内容に、ご遺族の名誉をき損する行為が、あれば「通常の名誉棄損」のルールに基づいて、民事上も刑事上も、処断されることになると思います。


児童殺傷、加害男性が手記…遺族「理解できぬ」 (読売新聞) =2015年6月10日(水)12時0分配信

この記事によると、「太田出版の岡聡社長は「少年犯罪の当事者が当時、どう考えていたかを社会は知るべきだ」と話した。」と言いますが、これに対し、 「次男(当時11歳)を亡くした土師(はせ)守さん(59)は手記出版について「なぜ私たちを苦しめるようなことをするのか理解できない」などとするコメントを出した。土師さんは以前から加害男性側に手記などを出版しないよう求めていたという。男性側から事前の連絡はなかったといい、「先月、彼の手紙を読み、彼なりに分析した結果をつづってもらえ、これ以上はもういいのではないかと考えていたが、手記出版は私たちの思いを踏みにじるものでした」」とのことです。

遺族が怒るのも当然ですね。

遺族の立場からするとこうなりますよね。
自分の子どもの殺人の経緯を書かれた本を、公開されても良いと考える遺族は、ほとんどいないと思います。

「今回の手記出版は、そのような私たちの思いを踏みにじるものでした。結局、文字だけの謝罪であり、遺族に対して悪いことをしたという気持ちがないことが、今回の件でよく理解できました。

もし、少しでも遺族に対して悪いことをしたという気持ちがあるのなら、今すぐに、出版を中止し、本を回収してほしいと思っています。」

=小学6年の土師淳君(=当時(11))の息子を殺された土師さんのコメント⇒神戸新聞|加害男性の手記「今すぐ出版中止を」土師さん 神戸連続殺傷事件=2015/6/10 13:01

「何事にも順序というものがあり、本来なら当事者である私たち遺族や被害者が最初に知るべき重要な事柄が、このように間接的な形で知らされたことは非常に残念に思います」⇒神戸連続児童殺傷「何のため手記出版か」彩花ちゃんの母コメント全文(神戸新聞)=2015年6月10日(水)19時16分配信
 
こちらは娘彩花(小学4年=当時(10))ちゃんを殺されたお母さんのコメントです。

自ら本を出す以上、少年時代の犯罪という点で、将来の更生のために与えられてきた「少年A」という「匿名」特権も許されることはないでしょう。

逆に、表現する側の者として、著者である「元少年A」のことを、「知る権利」が国民の側にも出てくると思います。そうでないと、国民は「著者」への批判ができないことになります。

それが「表現の自由」の「自己責任」の帰結です。

今回の書籍「絶歌」の筆者名は、「元少年A」で出してはいますが、自ら匿名で「更生」の機会を得る権利を放棄したも同様というほかありません。

少年Aが自ら出版を持ちかけたというなら、なお一層です。

神戸新聞|神戸事件手記、加害男性持ちかけ=2015/6/10 21:07

「加害男性が自ら出版を希望し、仲介者を通じて同社に持ちかけたことを明らかにした。初版は10万部だという」

2014.08.05

参考判例:神戸酒鬼薔薇事件の民事損害賠償事件判決>佐世保女子高生殺害事件

この事件は、加害者のご両親が事件を争われなかった事例ですが、加害少年の年齢的近接性(14歳と15歳)と、事件前に事前の兆候が感得できた事案であったという事案の類似性から、佐世保女子高生殺害事件の民事訴訟を考えるにあたっては、参考になると思われるので、UPします。

いずれの事件も、非常に深刻な事件です。
今回の被害者の少女に対しては心からご冥福と、ご遺族に対しましては、心からお悔やみを申し上げます。

なぜこの種の事件が繰り返されるのか?
事件を防ぐことができなかったのか?

神戸酒鬼薔薇事件後の少年法の重罰化で、この事件は防げませんでした。

今、日本社会は、その答を突き付けられていると思います。


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「殺害された児童の両親が、加害少年及びその両親に対して求めた損害賠償請求の認定された事例」
(神戸地方裁判所判決/平成10年(ワ)第1779号  平成11年3月11日 =判例時報1677 号110頁)


【主文】

一 被告らは、原告(被害者父)に対し、連帯して、金五四二三万三一二〇円及び内金五一二三万三一二〇円に対する平成九年五月二四日から、内金三〇〇万円に対する平成一〇年九月一一日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二 被告らは、原告(被害者母)に対し、連帯して、金四九九六万九八五〇円及び内金四六九六万九八五〇円に対する平成九年五月二四日から、内金三〇〇万円に対する平成一〇年九月一一日から各支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

三 訴訟費用は被告らの負担とする。

四 この判決は、仮に執行することができる。

【事実】

第1 当事者の求めた裁判

(略)

第2 当事者の主張(以下以外 略)

一 請求原因

3(一) 
被告○○は本件犯行時14歳であり、自己の行為の責任を弁識するに足りる能力を有していた。

(二)
被告父と被告母は、被告○○が本件犯行以前から多くの異常な行動を見せていたのであるから、親権者として同人の日常の行動に十分な注意を払い、同人が異常な行動をエスカレートさせないよう規制し、本件犯行の発生を未然に防止すべき注意義務があったのに、これを怠り、同人をして本件犯行を引きおこすに至らしめた。


二 請求原因に対する認否
 すべて認める。


【理由】

一 請求原因事実はいずれも当事者間に争いがない。また、原告ら主張の損害額も、○○(被害児童)の死亡時の年齢、殺害及び死体の損壊・遺棄の方法等に照らせば、相当な額であると認めることかできる。

二 よって、原告らの本訴請求は、いずれも理由があるから認容し、訴訟費用の負担につき民事訴訟法六一条を、仮執行宣言につき同法二五九条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(口頭弁論終結の日 平成一〇年一〇月一六日)

(裁判長裁判官 森本翅充 裁判官 徳田園恵 田中俊行)


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■外の参考判例
・東京地裁平成4年7月20日 両親への損害賠償責任を認めた=判例時報1436 号60頁
・秋田地裁平成7年9月22日 両親への損害賠償責任を否定=判例時報1579 号124頁

■参考記事
高1同級生殺害:冷蔵庫に猫の頭部 現金100万円も所持 - 毎日新聞=毎日新聞 2014年08月05日 15時00分(最終更新 08月05日 18時28分)

長崎県佐世保市の高1同級生殺害事件で、逮捕された少女(16)が1人で住んでいた遺体発見現場のマンションの冷蔵庫から、猫の頭部とみられる物が見つかったことが、関係者への取材で分かった。少女は「猫では満足できなくなった。人を殺して解剖したかった」との趣旨の供述をしており、県警は動機との関連を慎重に調べている。

 また、マンションには現金約100万円もあったという。親が与えたものとみられるが、少女の生活実態の解明も進める。

 関係者によると、少女は3月2日に父親を金属バットで殴った後、精神科に通院していた。診察した精神科医が父親の命に危険が及ぶ恐れがあるとして別居を勧め、4月から少女はマンションで1人暮らしをしていた。その室内の冷蔵庫から猫の頭部とみられるものが見つかった。はっきり猫と分からない状態で古い可能性もあるという。

 少女の父親の代理人弁護士によると、猫の解剖については精神科医から7月上旬に聞かされて「両親が初めて知った」という。

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